熊本地震 イオンモール爆発事故
イオンモール爆発事故について、ヤフーコメントをみていると首をかしげる発言が多い。
話を今一度整理したい。
時系列(数分程度の誤差は無視)
地震発生:16:27
避難完了:17:00
爆発事故:17:50
重要なのは避難完了から爆発まで五十分もの時間がある、ということだ。
「一度避難したら屋内には戻るな」
なぜ戻ってはならないのか。それは安全が確認されていないからである。
激震レベルの地震があり、実際、屋内で水漏れしていた=水道管断裂という話もあるから、ガス管も断裂しても不思議でもない。
目で見ては分からない、ちょっとした衝撃で天井・壁(のもの)が落ちるような状態になっていても不思議ではない。
ガスなのかは不明として異臭・空気に違和感を感じたという一般避難者からの声もある。これは空調になんらかの損傷がある、あちこちで亀裂が入っていると考えるのが妥当。空気というのは精神的圧迫で起きることもあるから一概には言えないが、精神的圧迫で五感が普段以上に上がり、僅かな変調も捉えることもあるから嫌な感覚は信じるべきだろう。
ある程度落ち着いて、機材・人材が用意できてから測定装置等も活用して客観的安全確認をした後、建屋内に入ることを許可する。これが施設管理の基本であり管理者責任だろう。
そこで初めて”緊急避難所”としての機能となる。そこを勘違いしている人が結構いるようだ。
蛇足だが一般家屋ではその家の持ち主・家族が管理責任者だから家人なりがやるだけの話だ。
一部例外を認めることについて
「財布やスマホを置いてきた」「クルマや家の鍵を置いてきた」ことを理由に戻っていいか、という話である。
ここも議論が分かれる。
私は「認めるも何も、今後の行動が”詰んでいる”なら戻るしか無い」と考える。
鍵がなければ家に戻ってもどうしようもない。財布やスマホがなければ生活が詰む人もいるだろう。(スマホ中毒の話じゃないよ)
危険があるが、それが無いことの方がリスク(労苦)があり得ないほどある。目前の危険がなければそういう判断もあるだろう。
そして今回の件において結果論で言うが、取って返っても五十分近くも”猶予”があったのだから、事故には遭わなかった。
この点も重要である。たまたまだろう、というかもしれないが、その”たまたま”は仮に戻るという決断をしたなら一刻も早くやれば間に合った。
屋内に留まる時間とリスクは単純に比例する。一秒でも早く取って返って退去する。それが重要。
動機が当人の意思か、会社指示なのか
当人の意思で戻って爆発に巻き込まれたのなら、それは本人が自分で決めたことである。「かもしれない」で路頭に迷うことになるぐらいなら行くと判断するのもやむを得ない。身の危険を感じながらも取りに行くしかない。
しかし私が大いに問題視している点は「テナント会社の上司から指示・示唆された」という事に尽きる。
「可能なら」という表現だった、と言い訳をしているが、現場にそれを言ったら「やれ」と同義である。
なぜなら、今回の様な事故に巻き込まれたから会社が非難されているが、何もなければ現場の人が会社から非難される、不利なことをされるのが目に見えているからである。「可能だったろう?」と非難されるのが容易に想像されるからである。
同じ事は経営層から現場管理者に対する対応も同じである。「イオンが退去判断したから仕方ないか」「この激震では仕方ないか」と考えるか「なにがなんでもレジ締めが大事だろう。なんでやらなかった?」と考えるか、そういうほんの少しだけの意識の違いである。これが現場の文字通り死活を分けるということを経営陣は深く考えるべきだろう。
おそらく遺族が怒っているのは、親・親族も長く会社人であって、そういう構造がよく分かっているからこそだろう、
地方イオンのテナントの売り上げなんか、せいせい数万~数十万程度だろう。はした金を”守る”ため、そんなのは安全確認された後に処理すれば良いことだろう。
現場感のない、安易な言葉によって命が奪われたのである。その怒りは想像に難くない。
マニュアル軽視論
「戻るな」というが、現実では戻らないと貴重品(鍵や財布・スマホ)がない。(
だからマニュアル外として戻るのは止むなし、という人もいる。
これは明らかに間違い。
問題は
・現実にそぐわないルールを決めていること。
・そぐわないルールを改正する機会が無いこと。
どうも日本人は「ブラック校則」やら「部活動内の俺様ルール」が蔓延っていることに慣れてしまっているのか、ルール、マニュアルに対して歪んだ見解を持っている人が多いようだ。
本来、全てのルールには意味があり、それを守る人を守るものである。
ところがその原則が歪んでいる。歪んでいても不思議さを感じない。声を上げようとしない、いや、上げても無駄だと”学習”してしまっているのだろう。
話を戻す。
もう少し具体的言えば
・一度避難したら戻らない
・業務中、貴重品はロッカー等の遠くに置いてある
→避難完了時点で貴重品を持っていない
という構造である。
この二つの”事実”は相関関係が無いので、考慮されずに決定されてしまっている。
だから”ルールを曲げるのも止むなし”ではなく、このことを解決するべきだ。
実際にイオンではないが、あるテナント型百貨店では、貴重品は店内に金庫をおいてそこに入れるルールを検討しているという話も聞く。
これも解決方法の一つだ。まず貴重品を確保してから避難誘導に入ることもできる。または当日の現場リーダーが貴重品を全部一旦袋にいれて避難するというのも考えだろう。
家主であるイオン側から店子であるテナント側への徹底もマニュアル化しておくと良いだろう。
「店舗に戻ることを指示・示唆する発言は禁止。状況報告はその場でできることのみ、直ちに退去を指示すること」
重要な事はマニュアルを不断に見直し・改訂・改正をすることである。
定期的に見直しする規定がある会社もあるだろう。
それを「面倒臭い」とか単なる形式的儀式になっているのではないか。
時代に合わない、現実に即しない、”現場の機動的判断”でごまかす、非常に危うい状態になってしまう。
誰かが支えているから何とかなっている、非常に危うい状態になってしまう。
今回のイオンモールの事故は他人事ではない。




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