ひかりTVの録画持ち出しの件
ちょっと前だったか、ひかりTVの録画持ち出しは「どこでもひかりTV」というアプリからはできなくなり「ひかりTVテレビ」というアプリで行ってください、ということになっているようだ。
前置きしておくと、以下の話はiPod touchでの話で、多分iPhoneも同じになります。
「どこでもひかりTV」も凄く使いづらい。
話は逸れるが、特に番組表は斜めにスクロールできるという仕様のおかげでいつもイライラさせられていた。
これは「ひかりTVテレビ」では改善されている。
もっというと番組表においてチューナーでも同じなのだが、画面のサムネイルモドキはやめていただきたい。
一画面あたりの表示される情報量が少なくなりすぎるし、動作が重くなっており、害しかない。
さて、本題に戻るが、今回取り上げる録画の持ち出しも凄く分かりづらいし、トラブル続きだ。
コンテンツ保護とはいえ、制限もきつい。
まず、持ち出すというのはチューナーで録画した番組をiPod(iPhone)に転送して観るという意味になる。
コンテンツ保護の意味から、また、ひかりTVのコンテンツ(いわゆるCS系の番組)はコピーワンスなので、ムーブ(移動)となる。
要するにチューナー側からは消えてしまい、チューナーに”戻す”ことはできない。
まあ、この辺は致し方ないのかなとは思う。
CS系は大概は何度も放送されるので、持ち出し用とチューナー側保存用で録画するという対策は取れるし、ビデオオンデマンドで見ることのできるものもそれなりにある。
問題はこの転送がなかなかうまくいかない。
転送しようとするとエラーが出たりするのだが、ずらずらと要因が列記されてどれが該当するのか分かりづらい。
まず、きちんとチューナーを認識するかどうか。
私の場合は特にトラブルはなく、画面右上の「接続済み」でチューナーが認識されているのが確認でき、また、録画リストを見ると録画済み番組が列記された。
タップすると再生できるので問題はかなりクリアされているとみることができる。
そこまでいかない場合は、他の記事をあたっていただきたい。
問題はそこで転送(持ち出しを)しようとするが、エラーが出て止まってしまうことだ。
まず容量の問題。動画コンテンツなので容量不足になりやすい。どの程度足りないのか、明示されないのでさっぱり分からない。
32Gメモリしかない私のもっているモデルの場合、そもそも動画を入れるなんて無理があるレベルとはいえる。ケチらないで128Gを買えば良かったと後悔しきりである。
まあ、あればあるで誰しも持っているだけ使いきってしまうものだが。
テストで転送してみたが、概ね30分番組で0.6Gくらいで見積もれば良いと思う。1時間番組なら1.2Gくらい。
番組内容で変わってくるだろうし、この容量はiPod(iPhone)の「設定」から「一般」「ストレージ」で表示される値の変化でみているので大雑把な値と承知していただきたい(当然、将来的に全体的なシステム見直しで変わるかもしれない)。
また残が少なくなっていると余裕を持つためにiOS側で拒否するのか、まだ容量があるのに転送できなくなることもあるようで注意。
転送時間の問題。いわゆる倍速程度の時間がかかる。
実測すると10分番組で7分程度、30分番組で18分程度、1時間番組で35分程度。
ちなみに100%になってから完了するまで数分は待たされる。気軽に持ち出せるような速度ではない。
この遅さは書き込み速度やWiFiの転送速度云々のレベルではない。チューナー側で転送用にデータを作成しているではと推察される。
一番困ったのは転送中に途中で失敗することだ。
短時間番組なら失敗はほぼない。しかし2時間番組くらいだと失敗する。1時間以上も待たされたあげく失敗して止まっているのだから困ってしまう。まあ、誤ってチューナー側の録画も消えてしまうことはないのでまだいいのだが。
試行するにも時間がかかるので困った問題であった。失敗した時はホーム画面に戻っているのでどうやらアプリが落ちている様だ。
通信エラーで落ちているのではと思われる。
再起動や他のタスクを終了させるなど色々試したのだが一向に改善しない。
そこでこれは改善とは言えないかもしれないが、ルーターのWiFiの設定を変えて11axを使えるようにしてそちらで接続してみた。
大分前にルーターを買い換えた時点で一度11axを試してみたことはあったのだがなぜかその時は安定して動作しなかった(Safariですらたびたび動作が酷く重くなる)ので11gで繋いでいたのだ。
そこから何度もシステムのアップーデートがあったし、万策尽きてきたのでやってみたのだ。
要するに11axで接続するようにしたら、どうやら問題が出なくなった。
うちは集合住宅なので11g系(2.4G系)は他のアクセスポイントと周波数帯が重なりやすく、通信障害が起きやすいのが一般的だ。
一方でルーター(アクセスポイント)の設定はデフォルトで11g(2.4G系)しかONになっていないことも多く、また到達距離は11a系(5G系)の方が短い。よって11a系(5G系)は重なる確率が低いため、問題が起きにくくなる。なので先に11axと書いたが11aでも改善するかもしれない。
(ただし戸建て住宅の場合は2.4G系より5G系のほうが到達距離が短いことや、日本では屋外使用が禁止されているため、2.4Gのほうが利便性が高く話が逆になる)。
しかしこれはかなりクリティカルな場面でしか問題にならないはずなのだが、実際に問題として再現性があるので仕方がない。
実際、30分番組程度なら問題は起きないのではあるが、テストが甘く、通信エラー時の回復処理に問題があるのではと疑わざるを得ない。
「ほぼ理想環境なら問題は無い」というテスト、通り一辺倒のテストしかしておらず、いわゆるストレステストをしていない、ざっくりいえばテストが甘いと言う奴である。こういうのは昔からよくある話で、昨今さらに悪化しているとしか思えない。
リリース(製品でいれば出荷)後に手直しする機会がいくらでもあり、通信回線も速いのでどんどんリリース時の確認が甘くなっていく。
アジャイルとかはそういう意味ではないのだが、どんどん確認作業は甘くなっていく。目先のコストやパフォーマンス、大量に出すことが最優先され、細かいトラブルは黙殺していく。
作る方の言い分は「あなたのところの接続環境に問題があるのでしょう?お客さん」ということである。
今回の件もチューナーとルーター(アクセスポイント)とiPod(iPhone)というデバイスおよびiOSが絡んでいる話で責任が分散されている。
それぞれが責任の押し付け合いで利用者は困惑するばかりだ。だから、例えばスマートフォンだけで動画を見るという行為に落ち着き、問題はキャリア、せいぜいが動画配信業者で完結する状態になっていくのは自然なことなのだろう。
実際、ひかりTVもそういう方向になっていくようで、チューナーに固執するのがそもそも間違っているのかもしれない。
【2022/2/20追記】
「ひかりTVテレビ」がアップデートされたので試しでいくつか番組を転送してみたところ問題が起きなくなったようだ。
これは「11gではエラーになる」こともないということ。修正してくれたのだろうと思う。ありがたいことだ。
通信環境(電波状態)が大きく影響するので安心はできないが、以前は日時を変えて何度やってもダメだったので、改善されていると言っても良いだろう。
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