携帯電話料金値下げ議論
一律で何割、いくらといった形で値下げを迫る方向は、政府のやること(政策)としてはアウトではないのか。
それでは社会主義、共産主義国家のやり方である。
そういう声が大きくなったのか、幾分優先順位を下げて転換をしつつある。
料金プランがわかりにくい、という声にこたえて是正を求めるという方向は私も大賛成である。
これは公正・公平な競争経済活動として当然のことだからだ。
実際に私が数年前にPHSからメジャーキャリアの携帯電話に移行しようと検討した際に、三つともホームページで検討したことがあるが、実に判りにくいことがわかった。
専門用語をキチンと理解している私ですら、料金説明が理解できないのだ。
あれで一般人が理解できているのであろうか。
多くの人は「結局いくらなのか」を知りたがる。私もそうだ。
店頭でもまず結論ありきで説明をする。
私などは明細を知りたいので聞いたが、余りにも多く複雑すぎて途中から疲れてしまう。
テレビのコメンテーター(芸能人なども含む)の中では「実価格」と「割引料金」をキチンと分けて書いてくれているのにそれが却って判りにくい様なことを言う人がいる。端末料金も分けて書いてあるからそれも批判されることにもなっている。
この状態ではキャリア側も丁寧に説明しても、逆に結果だけ書いても批判されることになりかねない。
そもそも携帯料金は高いのか
不可思議なのは高いと言っている人が月に1万数千円もかかっているとかいう「街の声」である。
考えて見て欲しい。三大キャリアの音声を含め無制限プランを利用しても1万円には届かない。
彼ら(彼女ら)が口にしているのは問題としている「携帯電話料金」ではなく、それも含むが携帯電話料金と一緒に払っている料金ではないのか、ということである。
具体的に言えば端末代金の分割払い、有料コンテンツ料金、関連する電子マネー料金もあるかもしれない。
いくら「電話料金」を下げてもこれらを使ったら払う金額は高くなる。
心理的に「今月払う料金」を気にしながらこれらを使うのだから、料金が下がっても結局払う金額は変わらない。
結果的に不満は変わらないということになる。
キャリアとしても料金を値下げしてもコンテンツ収入が増えればほぼトントンらしいので問題はないという考え方もあるようだ。
要するに政治的資源を費やしても結果は何も変わらないということになってしまう。
ベンチマークを早く示せ
議論でイラッとするのは「世界各国の電話料金比較グラフ」をどの報道でも根拠として示す。
しかし一方で「各キャリアの電話料金比較グラフ」をどこも示さない。
これを胡散臭いと思わないのだろうか。
世界各国の比較ができているのだから、算出根拠はあるはず。
単純にそれに沿った国内各キャリアの料金もグラフとして示せるはずである。
むしろそれを積極的に示すことで、各キャリア間の競争を促すのが正しい行政としてのやり方である。
例えば自動車の燃費。国土交通省が決めた特定の走行パターンで測定した値を出している。
このルールが国民全ての実際の走行条件とピッタリ一致していると思っている人なんかいない。
しかしこれを気にして購入する人は多い。
例えばテレビやビデオ、冷蔵庫やエアコンなどの年間消費電力。これは経済産業省が決めたルールで計算している。
「省エネ性能の☆」や電気代換算金額として店頭表示され商品の優劣の一つに見せている。
目標をどこに置くのか
政治的な目標をどこに置くのか。国民が値下げ感を得られるようにする、とすればそれは不可能だ。
定量的でないし、上記した様々な要因が混じり合って霧消してしまうからだ。
何割下げる、という目標もダメだ。料金体系が複雑化している現状では、結局どこかで辻褄合わせがされるだけだから。
料金を明朗会計に
このところ目にする酷い料金表示としては「月々2980円~」。
下限だけ表示している例である。
要求によって(サービスを増やしていくことで)値段が上がっていくのなら許される。
しかし実態は様々な割引条件を全て満たしたときにこの料金になるのだからこれは悪徳商法に近い。
まず是正すべきはこのような表示ではないのか。
正しい表記は「月々~5980円」である。
割引条件無しをまず表記し、様々な割引で下がる余地があることを示している。
問題は話のスタートとなるべきこの5980円をホームページで見つけ出すのが非常に困難であるということもある。
いわゆる見積もり操作をして初めて判明する。これではダメだろう。
「安いですよ~」と引いておきながら、実際に見積もると最初よりも高い金額が出てくる。これではボッタクリバーである。(実際には払うわけではないが構造としては同じだ)
余談になるのだが、携帯電話料金提示がこういう構造だから悪い(ズル賢い)見本として同様の手口をやる業者が増えている。
大手キャリアは法的裏付けを取りながらギリギリの線を狙っているのだろうが、褒められた話ではない。
社会的規範の意味から行政が苦言を呈してでも早急に是正すべきであると考える。
前述したように人によって明細が欲しいのか、明細はややこしいくて判りにくいと言われるのかは個人の好みになるのだろう。
私はまず条件が必要な割引の一切無い価格を提示すべきで、そこから条件を付記した割引料金を並べて最終価格を提示すべき、と考える。
契約時の提示はもとより、月々の請求書についても同様だ。
そういうのがウザイと思う人もいるだろうから、紙ならシンプルな結果だけの明細なしか、明細ありの好きな方を選べる、電子ならワンタップ(クリック)で切替えられるようにする、で良いでは無いか。
高いのは端末料金。キャリア販売から分離せよ
今でも携帯電話料金に端末の分割払いも合わせて請求されているのが通常だ。
最近はようやく明細で別れていたり、一括で買える選択肢もできるようになった。昔はごちゃ混ぜになっていたのだ。
販売促進費用により値引きされたり、違約金による回収も絡んでもうグチャグチャだった。
根本にあるのは端末が高いということにある。
端末=タダの認識が広まってしまったのがそもそもの大間違いである。
テレビもオーディオもデジカメも要らない、という背景は、タダでもらえる最新機器でまかなえるからという歪んだ構造にある。
端末は実際は安くとも数万円、ハイエンドでは10万円を超える。当り前だ。
それをタダ同然で配るから、そのしわ寄せが電話料金から転嫁されていたに過ぎない。
普及期、成長期にはある程度いたしかたなかったところもあろう。
携帯電話のような全く新しい商品の便利さを知ってもらうため、まずはタダ同然で配る、赤覚悟で売るというのはよくあるやり方だ。
それに依存するライフスタイルに染め、離れられなくする。
今は正にそれを実現できた状態になっている。生活必需品で、無いと職探しすらできないとまでいわれている。
そろそろ端末料金の分割だけではなく、キャリア販売からの分離を明確にすべきではないのか。
既にiPhoneを筆頭としてキャリアではなくメーカー名が先に立っている機種が殆どで、3キャリアに同じ端末を卸しているところも多い。
キャリアに卸しているから高値が維持されてしまう。独占禁止法にかかるような話だ。
例えば家電量販店扱いで販売できれば価格競争は自ずと働く。(今の大手家電量販店のキャリアブースは各キャリアに場所を貸しているだけだからそういう話ではない)
同じ機種の家電でも店によって値段が異なる。だから安いところを探したりする。同じ話である。
これにより販売店からメーカーへ値下げ努力も求められる。ここに競争原理が働いて、結果的に安くなる。
もちろんこれはSIMフリーの話にも繋がってくるので簡単ではないが、最終的に目指すべき道ではないのか。
昔は技術的制約や各キャリアのサービスの特殊性などもあり、キャリア専用端末が必要だったが、現在のスマホではキャリア依存は存在しない。「ケイタイできるパソコン」ともいわれるように汎用性が非常に高くなっている。
それは国内のみならず、海外キャリア(海外での使用)への対応も含めて汎用性が高いモノにしなくてはならないという背景もあろう。
5Gではもっとそうなるだろう。




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