そもそも“ブルーライト”という言葉も奇妙に感じるのだが日本語で言えば青光、青成分の光というところだろうか。
個人差はもちろんあろうが、どうにも胡散臭いようにしか思えない。
商法としては非常に良いところをついているとは思うのだが。
しかしそう思わせるような背景があったのだろう。
その辺をちょっと考察してみる。
なぜ青だけ叩かれるのか
そもそもこのことに不思議に思わないだろうか。
色とは何か。
光の波長の長さ(周波数でも良いが)を示すものである。
人間が見える光の波長の中で長いのは赤で、さらに長くなると赤外線と言って見えなくなる。
物理学的に光と電波は同じものとされており、さらに長くなると電波と呼ばれる領域になる。
青というのは短い領域であってさらに短くなると紫外線と言って見えなくなる。
このあたりは赤からも連続的な変化であって取り立てて青だけ目に悪い(疲れる)という理屈には首をかしげざるを得ない。
比較的悪い程度なら分からないでもないが殆どカットしないとみたいな言い方はどう考えても可笑しい。
青色LEDでの印象なのか
青色LEDが登場してしばらくたち、ある程度価格がこなれた辺りで電源LEDやらで青色LEDが流行りだした。
私には理解できないのだが、高級感があるとかでともあれ従来の緑から青が増えていった。
私もそうだがこの青色LEDの光が目に眩しい(痛い)という人は少なくないようだ。
なぜ眩しいかと言えば同じ明るさに見えるように輝度を上げているからなのだろう。
なぜ輝度を上げているかと言えば、青は人間の目には感度が低くて緑や赤のLEDと同じ輝度だと暗く見えてしまうからであろう。
ちなみに青に対する感度は緑の1/6、赤の1/3程度であるとされている。
さらに悪いのは明るいから必ずしも高いわけではないし、むしろちょうど良い明るさを選ぶ方が高くつくのでむしろ明るめのLEDがよかろうということで使用されているという状況にあり、普通の家庭で見ると目に痛いものが横行してしまっていることなのではないか。
その印象が「青は目に悪い」というような説を信じさせてしまっているのではないだろうか。
そもそもPCモニタ等の画面が明るすぎないか
安物に多いが、液晶モニタでは画面を一定以下に暗くできないものが結構ある。
画面を暗くすると色むらや画面内の明るさムラが目立つからだろう。
酷いものはノイズが見えたりフリッカを起こしたりするものなのだ。
陰極管方式もLED方式も同じである。
両者に共通するのは電圧を下げることで明るさを落とせないという特性に起因する。
そこで高速でON/OFFを繰り返すことで明るさを調整するわけで、それがノイズやフリッカの要因となり、ある程度の明るさ以下にはできない(消えっぱなしになってしまう)。
様々な工夫で解消はできるのだが当然コスト高になる。
携帯電話も殆ど同じ話で、さらに悪いことに炎天下でも見えるように明るく最大輝度が設定されていれば当然目が痛くなるほど明るくなってしまう。
一方で夜中等で照明を落してから使うような状況で十分明るさが落されているのか。
そうは思えない。LEDバックライトであることは同じだからだ。
ブルーライトカット以前の問題と思われるのはこの点である。
実は私の使っているモニタ(UXGA)は割の初期のもので選択肢がなかったので十分に確認を取らずにネットで買ってしまって大失敗だったのだが、輝度を最も落してもまだ明るい。
買い換えた時に明るすぎることに閉口した。
仕方が無いのでモニタの方は最大限に落した上で、パソコンのグラフィックプロパティで映像出力の調整ができるのでそこで明るさを落した。
(映像の出力で落すと色解像度が下がるので望ましくはない)
なお「いや、本当にブルーがいかんのだ」と信じる向きでも、こういうグラフィックのプロパティで青色だけ調整(減光)することも可能である。
わざわざグラスをかける必要も無い。
PCモニタの画面フリッカはないか
私はわりとフリッカに敏感なのか、店頭で見るとなんとなく違和感を感じるものがある。
気がつかなくても蓄積して疲労に至る可能性は十分にある。
フリッカは前の項で述べたように高速でONOFFしているから起きるので、明るさ最大で使えば大概フリッカはなくなるのだが、それでは明るすぎるのが困ったものなのだ。
まあ、安物は買わないことぐらいしか対策する手は無いのだが。
しかし会社で支給されるものとかセットで買うと安物がついてきたりするとどうしようもない。
当然会社の担当はそんなところに気を遣わないのでどうしようもない。
ではサングラスは効果はあるのか
結論から言えば効果はあるだろう。
青色がどうこうではなく、グラスで減光すれば上記の問題が軽減されることは十分考えられるからだ。
今までPCの画面に向かう時にグラスをかけるという習慣は無いし、変に思われても不思議ではない。
そこで青色を言い訳にして減光グラスをかけるような習慣を作ることで目の負担を軽減させることができた、ということはあると思われる。
文字が小さすぎるのではないか
昔のPCモニタの大きさはそんなに変わらず普及価格帯は15型~17型であった。
しかしそのころはVGA(640x480)から始まり、XGA(1024x768)が一般的でそれ以上だと画面サイズがでかくなった。
ブラウン管自体の解像度は低いし液晶も解像度が低かったのだ。
ある時点から液晶の技術革新がひとつあがったのか、20型程度でフルHDが出だして、現在ではむしろフルHDが一番安いモニタですらあるのが実態だ。
今では携帯電話でもフルHDは珍しくない。
結果として少なくとも1ドットの大きさは小さくなっている。
つまり同じデザインなら文字が細かくなっている。
結果として細かい文字を読むことを強要されるのだから目が疲れるのは当然である。
もちろん文字を読む時は拡大するとかにして対策は打てるのだが、そんなことは普通しないで頑張って目を凝らして読んでいる人がむしろ普通ではなかろうか。
酷いGUIとマウス操作(特にMSOffice系)が目を疲れさせる
私自身も仕事で一時期、目が疲れてどうしようもない時期があったのだが、その時の仕事がMSOfficeを使って図面や表を使った資料を作る仕事の時だった。
線一つ合わせる、箱の大きさを揃えるのでもマウスの微妙な動きを要求される。
行ったり来たりになって思い通りにならないと、どうしても手に力が入り目を凝らしてしまう。
それが続けばドライアイなどもあって目が非常に疲れてしまう。
肩も凝って目にもくるのも当然だ。
いわゆるテクノストレスと言われた時代もあったが、こういう作業が通常業務となっている人に多いようだ。
ちなみにその半年後にはプログラムを実際に作る仕事になって、その時も同様に一日中ずっと同じPCの前にいるのだが目は疲れは皆無になった。
殆どキーボードで作業操作ができるので、画面を注視しなくなり、マウスを使う方がむしろたまにである。
プログラミング作業は殆どがアルファベット入力であり、ミスタイプは開発環境がフォローしてくれるし、私の場合は画面を見る必要すらほとんど無いからだ。
さらに削除やカーソル移動やら専用キーを使う必要が無く、キーボードへの視線移動すらないのでさらに目への負担が減る。
GUIでもキーボードのショートカットやカーソルによる操作や数値入力、CTRL等キーを押しながらマウス操作などで自動的に合わせたりと目を凝らす必要をなくするとかなり軽減される。
要はなるべくマウス操作の回数を減らすことが目の負担を減らす。
スマートフォンも目を疲れさせる
携帯電話の世界でもスマートフォンになって事態は悪化してはないだろうか。
いわゆるガラケーの時はボタン操作主体なのでほとんど画面を見ないでも操作や文字入力すらできたのにそれができなくなった。
歩きながらケイタイするな、と最近になって厳しく言われるようになったのものこのせいだろう。
昔は前を見て歩きながらでもメールの文章は打てるから一端止まって内容を確認したらメール送信すれば良いぐらいであった。
今はフリック入力でも画面を見ないで打てる人はいないだろう。
スマートフォンはずっと画面を見ることを強要する携帯機器なのだ。
スマートフォンやタブレットのタップ操作も目を凝らさせる。
そもそもスマートフォンの文字は小さいし細かい。
それを読み取ろうと目が頑張ってしまうので疲れても当然である。
IT機器との付き合い方を再考しよう
「ネット依存症」とか「ケイタイ依存症」とか言われることもあるが「緊張中毒」という側面もあるのではないだろうか。
緊張をしていると脳に麻薬物質が出ていることは知られているが、それは快楽という側面がある。
まさに中毒症状である。だから眠れない。
眠ろうとしてリラックスしようとする、その事が物足りなさを感じてさせてしまう。
灯りをつけるのは面倒だし眠るのをやめたように思えるからついそのままで携帯電話を手に取ってしまう。
その電話画面の光が最大に絞っても眩しいほど強いので目からの強い刺激で脳がまた強く動いてしまう。
いわゆるIT機器が人間の行動に与える影響は大きい。
しかしその機器が人間の健康に与える影響を考えて作られていることは少ない。
特にグローバルに世界中で揉まれてコスト最優先で作られている機器では最低の優先順位になっている、つまりはないがしろになっている。
そこまで気持ちが回らないし、仮に回るひとが作り込んだことがあっても(世間でも社内でも)評価されないから次からはされなくなる。
殆どの人がIT機器はよくわからないという気持ちでいるのもあるだろう。
IT機器の世界は特殊だという感覚もどこかにある。
評価するマスコミ等の評論家も意外と人材が少ないし殆どつっこまない。
そんな世間の感覚もあってか、技術が進歩しているように見えても、実はこういうところがどんどん後退しているようにしか思えない。
ブルーライトグッズはそういう間隙をついての商品なのかもしれない。
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