「ただちに人体に影響を及ぼす数値では無い」という言葉
「原発危機 官邸からの証言」は未だ読み途中なのだが、目次を眺めて思ったこと。
当時、なぜか政府叩きに使われたこの言葉。
枝野官房長官の使った言葉だったわけだが、私はこの言葉を聞いたときは別になんとも感じなかった。
ああ、そんなもんだよな、くらいの印象だったのを記憶している。
むしろマスコミ(コメンテーターを含め)はこの言葉に対する解釈や見解をなんら含ませずにただ否定的な言葉で糾弾していたほうが奇異に映り、印象的だった。
私は彼らの否定的な言葉を聞いたときに考えた。
例えばこういう言葉はおかしいのか?と。
「塩を一日に30g食べてもただちに人体に影響を及ぼす数値では無い」
この言葉に異を唱える人はいるだろうか。
塩を一度に30g摂って体調が悪化する人は皆無だろう。
この言葉の裏にはもちろん日常的に摂取するのなら別である、という意味が潜んでいる。
「毎日塩を一日に30g食べ続ければ人体に影響がある」
これも病気になるリスクが高まるということは統計学的にも出ているし、異議を唱える人はいないだろう。
つまりそんなレベルの話なのである。
昨日今日明日で影響がでるわけではない。
ただ数年後や数十年後では話は別である、と。
放射能の人体に与える影響もそんなものだということを示しているだけと考えられる。
高濃度であればやけどや直ちに人体被害が起きるのは明確だ。
放射線治療は高濃度の放射線が人体に影響を与えられるからこそ治療となるのだ。
しかし低濃度だと人体への影響に関しては科学的因果関係を示すデータがないとされている。
例えば塩をいちどきに1kg摂取すれば人体が危険状態になりえるだろう。
水ですらいちどきに16リットル飲んだことで危険状態に陥ったという例もある。
だからといって水や塩が一般的観念で危険物であるわけがない。
私はマスコミのもつ偏見や無知からくる間違いによる誤りは取り除きながら見ていたからなのか、当時の与党民主党の動き、菅政権はそんなにおかしなものとは思えなかった。
イラ菅といわれた彼の挙動も話の前後関係をきちんと知ればむしろ当たり前のように思えた。
むしろマスコミの断片的な切り取りによる、印象操作臭さ(不自然さ)の方が引っ掛かっていたというのが正直なところだった。
マスコミは盛んに政府への不信を叫んでいたが私にはマスコミの方がよっぽど不信の対象だったと言える。
マスコミが伝えてくる中での“事実”を丹念に拾い出して想像で埋めながら、また、フリーライターやジャーナリストから伝わってくるものも拾い出して結合していた。
この本で当時の官房副長官であった福山氏から見た官邸の様子はマスコミが伝えていた印象よりも、私が想像していたもののほうがむしろ近い気がしている。
ここのところの橋本氏の慰安婦絡み発言も当初からマスコミによる印象操作臭さがあったが、結果としてやはり印象操作であったようだ。
今回に関してはネットを活用する橋本氏や氏の性格からしても結果としてきちんと時間を取ってあちこちで正確な意図を説明をしている。
いろんな意味でタフな彼だからこそできたことであって普通はあそこまでできないのではないか。
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ところでこれは選挙前だから民主擁護とかそういう観点で書いているわけではない。
私は元々民主党支持ではないし、野田政権は最悪の政権だと思っている。
選挙分析で、自民の支持数は変わらずに民主の支持数が激減し他の政党の支持に回ったのがこの結果である、と出ている。
私は民主支持者すら乖離したのは野田政権のせいだと思っている。
先の衆議院選挙で民主が大敗したのは無茶苦茶だった鳩山政権や菅政権のせいではないと思っている。無責任に言えばあれはあれで面白かった。
震災に関しても菅政権が戦犯のような言い方をする向きもあるが、私はむしろ菅氏だったのは一種の幸運だったのではと思うくらいの評価している。
時系列を見れば菅氏(官邸の介入)が爆発を引き起こしたとか全く荒唐無稽である。
この本でも述べているが、東電の福島撤退を“ありえない”と切り捨てただけでも当たり前のように思えてもなかなか政治の世界ではできないことではないのか。
それよりも自民の劣化コピーと成り果てた野田政権のほうが民主乖離を招いたのではと思われる。
劣化はいうまでもなく円高容認とデフレ進行・景気後退である。
小沢の政局云々のせいとする向きもあるが、消費税増税を引き金とする議員大量離反も、新人が多いからこそ(反自民の意気が強いからこそ)、自民劣化コピーに対して嫌悪感が強かったのではないか。
「反省会」の類に野田が出てこないことに非常に違和感を感じる。
衆議院選挙大敗を受けて江田が党首になって野党としてせっかく与党を経験したはずなのに、より前よりも無能な野党に成り下がってしまっているのも大問題だろう。
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