「一塁走塁ヘッスラより駆け抜けが速い?」を福本豊氏が解説
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まあ、記事中では解説というほどのことは述べていないのだが。
それでも福本氏の「相当巧い人」という表現は巧いなあと思う。
理想的な理屈だけで考えればヘッドスライディングの方が速いようにも思える。
しかし理想を常にできるほど人間は完璧にはできていない。
スライディングが遅くなる要因としては、塁に触る(アウトかセーフかの判定基準)以前に地面との摩擦を生じてはいけない。摩擦で減速した時点で著しく速度が低下してしまうからだ。
理想は着地点が塁であることだ。
別の言い方をすればスライディングというよりは塁にタッチするまでは空中で移動しており、その状態で塁に触るというのが次点といえる。
ヘッドスライディング自体がそもそも行為としてかなり危険であり、頭から突っ込むというのは当然ながら恐怖心を伴う。
その動作を速度を上げるという中でスライディング行為で行おうとするのだから(衝突や摩擦での痛み、怪我や死すら否定できない)への恐怖心で本能的に減速するという可能性もある。
また、スライディングへ動作が変わるというのも減速する要因となる。
そもそもその所作へ意識の向きが変わり足が僅かでもとまり加速どころか速度が落ちる可能性だって十分に考えられる。
一塁への走塁は一塁までが常に加速状態が続くごく短距離ということも無視できない。
スライディングは「飛ぶ」所作になるため本能的に「タメ」を作ろうとしてしまう。
「タメ」を作ろうとすればそこで一瞬加速をやめてしまうことになる。
それをしないで流れるように行う必要が出てくる。
また当たり前だが「飛んでいる」最中は加速ができない。
走り続けていれば塁に触るまで加速を続けることができることから比べると不利である。
しかし一塁までの距離を加速し続けられないような人もいるわけで、そうであればそれは不利要因とならないことも十分あり得る。
一方で掛け抜けが遅くなる要因としては、塁を駆け抜けるというのは正確には塁を踏むなり体の一部と塁が接触しなくてはいけないことがある。塁と非接触のまま通り過ぎてはいけないのだ。
つまり最後に歩幅を合わせたり、接触のための所作をしたり、それ以前に最後に塁を踏むことに合わせるために歩幅を最適にすることで、本来得られる速度よりは速度を低下させてしまう可能性があるということだ。
この点でスライディングはその点で縛られないのでその人の最速を得ることができるのと比較して不利である。
では、どちらが速いか、という結論については不確定要素、個人差が大きすぎてどちらとも言えないというのが結論ではないのか。
もちろん、掛け抜けの走塁が最適になるような訓練、理想的なヘッドスライディングをするための訓練、この目的を強く意識せずとも普段からこのどちらに寄与するような訓練(練習)を行っているのか。
その人の運動能力がどちらに適しているのか、素質というかそれまでの運動や理論的経験も大きく左右して当たり前だろう。
両者の行為を最適になるまで訓練する、というのも野球をするという括りの中ではナンセンスともいえるからだ。
そもそもバッティング技術自体を向上させた方が良いし、打ったあとの走るまでの所作(打撃の安定)も重要だし、走力(加速力)自体を鍛えるのも必要だろう。
突き詰めれば一塁へのヘッドスライディングが速くなるかもしれないが、突き詰める行為(練習等)自体がナンセンスということになるのだろう。
他のネットのスレッドやら色々見たが結局は個人の経験によってどちらとも言い切れないし結論は出ていない。
どちらを支持する人も嘘をついているとも間違っているとも思わない。
結論が出ないという結論は当然だと思う。
言い方を変えれば「どちらが速いかはケースバイケース」というレベルと言える。
だから実験なんか意味が無いともいえる。
実験というのはつい普遍的な実証と勘違いしがちだが、このような実験は前提条件(被験者)によって結果が反転することだって十分あり得ることだ。
ぶっちゃけ同じ人がやってもその時の肉体的・精神的コンディションで結果が変わることすらあり得るだろう。
そもそも実験というのはその「前提条件」によって大きく結果が変わることがありえる。
物理実験ではなく、特に人間や動物に関する実験は結果がぶれやすい。
その「前提条件」で何を実験(検証)しているのかが大きく変わってくる。
あたかも理論的・科学的に言っているかのような「~という実験結果がありますが」のような言い方には少なくとも実験目的、また前提条件が曖昧な場合には疑ってかかるべきだ。
ともあれ一つ言えることは「一塁へのヘッドスライディングは危険性が高い」ということについては議論の余地がないようだ。
色々思考をしたが「ヘッドスライディングが仮に多少速いとしたって、少なくとも一塁走塁ではすべきではない」というのが結論なんだろう。
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