高速道老朽化対策に5.4兆円の試算
リンク: 高速道老朽化対策に5.4兆円の試算 NHKニュース.
東日本、西日本、中日本の主な高速道路会社3社は、老朽化が進む高速道路の橋やトンネルなどを対象に、大規模な建て替えや改修を実施していった場合、少なくとも5兆4000億円の費用が必要になるという試算を明らかにしました。 (中略)今は改修で済むとみている橋やトンネルなどについても、建て替えることになれば、さらに5兆2000億円が必要で、費用は合わせて10兆円以上かかるとしています。
なんかえらいことだと思わせる冒頭ですがこれが故意かどうか知らないがこれではマスコミのミスリードとなりかねません。
きちんと続きを見ると
こうした試算は、100年先でも今と変わらない形で道路を利用できるよう対策をした場合にかかる費用を想定しているということです
100年規模での話だそうだ。
つまり一年当たりで言えば0.1兆円(1000億円)。
きちんと積み立てるなりしていれば(いけば)なんということもない額ではないのか。
国家的事業規模で言えば大枠予算では除外されるレベルである。
それにしても次の発言には呆れさせられる。
東日本高速道路の長尾哲管理事業本部長は、会見で「管理する道路は広大な地域にわたっており、この金額で済むか分からないが、次の世代に引き継げるようにしたい。財源については、国から財源をもらうのは難しい状況なので、今後検討していきたい」と述べました。
この金額で済むか判らないとはなんの試算をしたのだろうか。
まあ最低限これだけかかりそうだという目算を出したのだろうが、それならなにを今更である。
この時期でこんな話を持ち出してきたのはGW直前で一般市民にとって比較的高速道路が身近に感じるからだろうか。
一部マスコミは笹子トンネル事故を絡めているが、値上げになってもしょうが無いよねえ的世論を少しでも醸成したいのだろうか。
今後検討と言うが検討してどうにかなる話なのだろうか。
高速道路での収入なぞごく限られている。
利用者がお金を落すのは通行料金かSA/PAでの利用しかない。
だからこそ民営事業としては困難で公営事業(税金の使用)ではないのか。
まあ、それはともかくとして驚く点は、今まで修繕・改修を考慮していなかったのかということである。
国営の時に考慮していなかったのなら役人どもがどうしようもないマヌケかバカだっただけだか、民営化する時点でなぜ論議にならなかったのか。
既に施設(資産)移行の検討時点で老朽化した施設も多数目の前にあったわけで、新規会社の経営計画(ビジョン)を考える時点で、例えば中期(10年程度)経営計画でいくつかの修繕というのは盛り込まれていないほうがおかしい。
民営化と言いながらもこんなずさんな民間会社はあり得ないレベルではないか。
別の言い方をすればこんな基本的なところが議論されていなかったとすれば、とてつもなくずさんな民営化作業であったのではと疑わざるを得ない。
民営化の効果としてSA/PAへの民営企業の自由参入みたいなことが言われているが、全く噴飯物である。
村営・町営の施設でも民間活力を入れて成功している例はいくらでもある。
国営でできなければ市営や村営町営に下ろせばよいだけではないのか。
SA/PAのエリアだけ民営化してもよかったはずだ。
笹子トンネル崩落みたいな事故は今後起きてはならない。
だいたいあの崩落事故は人災としか思えないのになぜ誰も追求されないのか。
老朽化施設を放置してそこで人身事故が起きればそれは人災である。
定期検査云々はそれを防止するための1行動に過ぎず、やっていようがいまいが検査がずさんであろうがなかろうがそんなものは免罪にならない。
修繕による過負債で経営破綻したり、国家財政の注入があってもなんのための民営化だったのかわけがわからない。
当然ながら値上げなど論外である。
いったいどうするのか。
だいたい、無料化は民営化したらありえない話の筈なのに(支出は当然あるのに、いったい収入をどこから得るのだろうか)なぜ民営化されたのか私にはまったく理解できない。
高速道路経営会社と国の立場を今一度、明確にする必要があるのではないのか。
民営化したのなら国が高速道路の新規建設計画を立てる(立案や進言・提言することすら)おかしいではないか。
PA/SA/IC等の新設に口を出すのも同様だ。
地方(地域)振興とか言う名目で平気でそういう計画を口にする国会議員がいるのには呆れてしまう。
これは航空事業もそうだし鉄道事業(新幹線等)についても同じだ。
国鉄民営化した時点で「整備新幹線」という概念は消失しないとおかしいのに未だに話題に上ってくる。
逆に言えば国営ならいくらでも口を出して良いし積極的にやるべきことだ。
国家プロジェクトとして、国家規模でテコ入れが必要なものは国として進行するのは当然ではある。高度成長期に新幹線の果たした役割はとてつもなく大きい。
しかし特定議員が特定の民営企業に対して個々の事業案件に対して口を挟むのはおかしい。もはや整備新幹線や地方空港などはその範疇になるのではないか。
もしくはいち民間企業が特定事業の成功のために特定議員に働きかけるのは疑念を持たれて当然のことではないのか。
3社は、専門家による委員会で、ことし秋までに対策を優先的に進める区間や時期を決定するとともに、技術的な課題などを整理し、提言を取りまとめてもらうことにしています。
このくだりに一般企業の会社員の方々なら違和感を感じないだろうか。
一般企業で三社による(合同で)専門家(外部?)による委員会で検討、整理、提言をまとめて貰うということなど普通あるのだろうか。
各社から人員を出して委員会を結成し様々な業界ルールや標準化作業を行うということはあるが、通常事業(業務)範囲で可能なはずのことを外部委員会に出しているということなのだろうか。
現状の自社保有施設の現状解析も自力ではできていないということになる。
それはつまりその施設価値の正しい把握ができていないともいえるし、これからのその施設から得られる収入や追加投資の時期や規模も把握できていないということになる。
要するに事業計画を立てられるわけがないとしか言いようが無い。
事業計画を立てられない会社は、会社のていをなしていない。
一般企業の従業員レベルの私ですらそう言わざるを得ないほどおかしな話になっているわけだ。
この記事は考察してみればとんでもない事実を露呈しているはずなのですが、他の類似記事を含めてそこを追求していないのが不思議でなりません。
老朽化やその資金調達の目処自体は本質的な問題では無いはずです。
ましてや老朽化の原因とかそんなところを掘り下げても方向が違うわけでNHKの突っ込む方向には疑問しか生じません。
早い遅いだけでどんなものでも老朽化はするわけですから。
ある程度は技術的問題であるし、理詰めで考えれば答えなどごく限定されてきます。
ぶっちゃけていえば今の体制維持を前提とすれば「料金値上げ」か「税金投入」のいずれかしかありません。
その選択肢でいったいどう舵を取るのか、そこが本質的な問題であり、それをこの会社らは持ち合わせていないのではないか、というところのほうが問題ではないのでしょうか。
当然ですが「料金値下げ(最終的には無償化)」を目的とした民営化が「料金値上げ」となれば民営化自体への疑問や会社の体制の洗い直しとならなければおかしいし、「税金投入」なら事業内容の徹底公開を含めて洗い直しとなります。
まあ、その辺をうまくマスコミ操作しながら本質的改革はせずにごまかして乗り切るつもりなのでしょうけれども。
その第一弾としてこの記事が上がっているという感じなのでしょうか。
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