テレビの凋落では無く、民放の凋落というだけの話では
リンク: 10年前との視聴率比較でテレ朝以外低調 日テレとフジ2%減 | エンタメ | マイナビニュース.
日本人のテレビ離れが指摘されているが、各局の2012年上期(4~9月)の全日視聴率を、10年前と比較してみるとテレビの凋落ぶりがはっきりとわかる。
タイトルは良いのだが、この表現はおかしいな。
全局あわせれば10年前のマイナス6.5%。1%の視聴率を130万人と考えれば、約850万人の視聴者を失なったことになる。
これは合っている。
つまり「民放各社は視聴者を失った」のであって「テレビが凋落した」わけでは無い。
この記事を書いた人にとっては地デジ民放=テレビなのだろうか。
それは10年前と今のテレビの状況を比較してみよう。何が増えたのか。
まずはアンテナさえあればタダで簡単に見られるBS放送。
共同住宅では既に共同アンテナがあり、繋げば映る状況が多い。
契約・有料となるがWOWOWもあるので映画好きならこれだけでも嬉しいだろう。
CSも有料だがスカパー(旧スカパー!e2)も視聴できるところも多い。(設備によってはBSが映るがCSが映らないところもある)
無料放送も頻繁にやっているし、申し込みも簡単になっている。
(いわゆる地デジ対応テレビやレコーダーならほぼBS/CSチューナーも内蔵)
専用の受信機とアンテナが必要になるがさらに多くのチャンネルを視聴できるスカパーのサービスもある。(一部レコーダーは内蔵している)
アンテナ設置無料などのキャンペーンもなされている。
デジタル化と同時にCATVの普及しており独自チャンネルやスカパーにあるようなチャンネルを見られるものもある。
フレッツひかり回線があれば、テレビをインターネットに繋いでいればひかりテレビという同様のサービスもある。(テレビはそこそこ高級なものならチューナー内蔵)
ひかりは10年前は高嶺の花だったがすっかり安くなり、マンションプランなどはひところの
ADSLよりも安くなり、今でも速度や安定度を考えるとお得感があるくらいである。
このように10年前とはサービスが激増して敷居がかなり低くなった。
BS民放もダメと言われながらも一定の支持を得ている。
私自身もひかりテレビの視聴時間はかなり増えた。
反面、民放の視聴時間は減っている。
色々な理由があるがそれはCMのうざったさである。
有料チャンネルもCMがあるがそれは民放のそれと比較したら非常に少ない。
CMというより番宣であり、むしろ情報が得られてありがたいこともたびたびである。
専門チャンネルだから興味も無い番組の番宣になる確率が低いのは当然だ。
一方民放のCMの入れ方は汚いというかとりあえず不快感を感じるのは確かだ。
別にこれは日本だけの話では無い、というか、米国や中国では既に専門チャンネル化が相当進んでおり、「内部チューナは不要」論すらある。
スカパーをはじめとする専門チャンネルには米国等のコンテンツの日本語化も目立つ。
日本のものはまだまだ昔のコンテンツの焼き直しや映画を放映しているようなものが多いが、そのうち独自コンテンツも増えてくるだろう。
この傾向はさらに10年で進行すると思う。
テレビが有料になることに否定的なむきもあるが、一度触れてしまうと番組のつくりさえ壊してしまうCMのありかたに疑問を持ってしまうし、有料でも快適な方を選ぶのではなかろうか。
これこそ「イヤなら見なければいいじゃない」であり、欲しいものにだけ金を払い、気に入らないものには契約しない(契約解除)ということでコンテンツに対するはっきりとした意思表示になる。
上記以外にもTVのネット化が進み、VODサービスが目玉となり得る。
日本のテレビではまだまだだが、そのうち増えてくるのは自明の理だろう。
ひかりテレビも基本でできるし旧作無料、新作有料のような棲み分けになっている。
AppleTVやゲーム機やPCでのサービスの主はVODである。
テレビ以外にもレンタルDVDの価格下落も大きな要因では無かろうか。
テレビは使うが放送は見ずにDVD/BDを借りてきて視聴するだけというライフスタイル。
10年前はVTRでかさばるがDVDだと10本借りてもたいした量では無い。
値段も旧作なら100円以下も珍しくない。一日中DVDを見ているというのも珍しくなかろう。
DVDプレイヤーでさえ、三千円程度で買えたりするのだ。
ことさらケイタイへの興味のシフトを言われるが、それは支配的では無いと思う。
むしろコンテンツの多様化がこの10年で大きく広がったのでは無いか。
世界的に見ると、現在の民放(NHKも含む)の姿こそが「ガラパゴス」にすら見える。
今まで民放は敵がいなかったが、ここに来て徐々に敵が増えている。
過当競争ともいえる状況になってきている。
敵がケイタイなどにすり替えられる論調もあるのだが、そうではなく同じ映像作品を持つコンテンツホルダーではないのか。
民放自体がダメということではない。今の民放がダメということだ。
一つ言えることは、現在の専門チャンネルの多くは昔、民放各社が作った番組(コンテンツ)を放映していることが多いという事実だ。
昔の数ある中から厳選されたコンテンツと闘うのは大変だというのは事実だが、それよりも見る価値のある番組がどれだけあるのか。
また、今の民放でのコンテンツで例えば10年後に有料で放映する価値があるものがどれだけあるのか。
質がどんどん墜ちているのでは無いのか、という危惧を否めない。
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