最近EV、電気自動車がいいとの煽りのマスコミが多い。
私にはいいのか悪いのかはよくわからないのだが、いくつかおかしなところを指摘しておこう。
・燃費
いうまでもないが、ガソリンには本体同額の税金がかけられている。
そしてその税金を含めての消費税がかけられているという日本国内で最悪の重税を誇る。
その税金は基本は道路建設・維持のためであったが、どうも最近は一般財源に組み込まれたのでどこに使われているか判らなくなった。
当然ながら電気にはこの類の税金がかけられておらず異常に不公平である。
電気であろうと相応の重量と同様のタイヤを使用した自動車が走って道路を消費する以上は負担をしなければ不公平である。
それをどうやって徴収するのかきちんと議論しなければならない。
しかしその点に関しては全く無視しており、単純にガソリンの価格と電気の価格(しかも深夜料金を使うところさえある)で比べては明らかに不公正であろう。
・ランニングコスト
燃料以外にも自動車はランニングコストがかかる。
タイヤも摩耗するし時には洗車も必要だろう。
そういうのはともかくとして差が出るところを挙げておく。
ガソリン車ではオイルが必要である。
エンジンオイル、ミッションオイル(オートマではATF)を定期的に交換する必要がある。
またバッテリーも何年かに一度程度は交換が必要である。
一方電気自動車ではバッテリーの交換が必要なケースが多い。
ガソリン車のバッテリーはかわいいもので数千円程度だが、電気自動車ではその何十倍(何百倍?)だからその額は何十万円単位だそうだから年で割っても結構な額になる。
その差額がガソリンと電気の燃費差でまかなえるか、というところが焦点となろう。
しかしそこはごまかしている話が実に多い。
まあ、ブレが多いところでもあるから難しい論議なのだが、せいぜいトントンであって電気の方がまだ高いというところからごまかしているのではないかと邪推できる。
・ガソリン車の急速な燃費向上
昨今のガソリン高(こんだけ円安なのに!)があるのだろう。
購入者の燃費への注文は厳しいのではと思われる。
各社燃費が驚くほど良くなっている。
リッター20km以上走れるとするものがほんとに多いし、昔なら10の前半だろうものが10の後半だったりして驚かされる。
空力設計において、昨今のコンピューターの発達が設計段階で色々とシミュレーションできるようになったのは大きいのではと思ったりもする。
またタイヤ性能の向上もあろう。
初期のプリウスではタイヤの貢献度が非常に高いということはよく聞いた。
なんせ専用タイヤが高いかったのは有名な話。
当然その専用で無ければカタログ燃費はなかなかでないわけだ。
あとはカーコンピューターの向上を含めて燃焼効率の向上を図れているのではないか。
コンピューターによって非常に複雑なタイミングや複合条件での制御が可能になっているだろう。
センサーの向上もあるしこれらを使って最適条件での細かい燃焼制御を行ってガソリン消費をけちることが可能となっているのではないか。
パワーを出すところ、出す必要が無いところ。
昔なら両立できなかったことがコンピューター制御なら容易にできる。
いうまでもなく燃費は自動車のサイズや重量に大きく左右される。
電気自動車と比べるにあたっていまだに燃費がせいぜい15kmあたりのと比較していたりする。(しかもそういう前提条件は小さく読めないような字で書いていたりする)
電気自動車のサイズや装備からすれば、20kmぐらいで比較すべきでは無いのか、と思ったりする。
・航続距離
電気自動車の最大の欠点は航続距離だろう。
せいぜいが200km程度というから旅行には明らかに心許ない。
もちろん都心や地方でも大都市なら良いかもしれない。
200kmということは片道100km。それ以上は途中で燃料補給が必要と言うこと。
田舎ではかなり厳しいことになる。
しかも急速充電では80%程度しか入らない。つまり160kmとなる。
この点も知ってか知らずかあまり指摘されない。
・電気ステーション
ガソリンステーションに対して電気ステーション。
社会インフラの設備としてどうなるのか。
スーパーやデパートに配備という構想があるが、かなり無理がある。
都会のきちんと料金を取るような、しかも天井があるような駐車場がイメージでものをいっているのだろう。
しかし地方であれば砂利が敷いてあって線が引いてあるだけというところも多い。
その代わりおおかたは無料なのだが車止めさえもない場合が多いのに、どうやって充電設備を配するのだろうか。
電気なのだから雨ざらしでは駄目だろう。
そして各家庭で充電というが、野ざらしの駐車場を借りている人も多い。
自宅で屋根付き、コンセントがある設備を駐車場につけられる家がどれだけあるのか。
好事家のものの範囲ならいいが、現在の自動車の置き換えとなると想像が難しい。
・ガソリン、電気以外の論議は
たとえばディーゼル。
日本ではどうも嫌われているが欧州ではかなり普通。
まっとうなディーゼルエンジン車がなぜか皆無のが日本の現状なのが不可思議。
南米ではポピュラーになったエタノール。
まあ、農業事情の違いもあるから簡単に追随ができる話ではないが。
LPG等の液化ガス系はどうなのか。
燃料電池はどうなっているのか。
まあ、この辺が全部なくてガソリンvs電気になっているのが面白くない。
世の中には色々あるのだ。
・電気自動車は簡単にコモディティ化されるのか
電気であろうとなんだろうと、自動車である限り安全性は最重要課題である。
アクティブセーフティとパッシブセーフティ。
公道を走る以上はそこに抜かりがあってはいけない。
・電池交換方式は可能か
充電方式に対して電池交換方式がとりあげられる。
果たして電池交換という方式自体がユーザーに納得がされるものなのか。
電池というのは自己放電という現象がある。
簡単に言ってしまえば使わなくても電池自体で残量が目減りしてしまうことだ。
携帯電話とかなら数円もなかろうが、自動車なら何百円単位にならないのか。
現状の電池ではどの程度なのか。
”自分の電池”ならまだ自己放電で目減りしても納得するが、他人が使って使い古した電池がたまたま自分にあたってしまったら納得できるか。
そういう履歴をきちんと管理し運用する仕組みを作れるのか。
課題は山積みであることが容易に判る。
既に実用として電気自動車が存在し、運用されているのだから、そのコストをはじき出すのは可能なはずだ。
しかし、それをきちんと紹介している番組は見たことが無い。
当面はハイブリッド車を始め、いわゆるエコカーが主流となることは間違いないと思われる。
欧州でも昔から3リッターカー(100kmを3リッターで走れること)が目標となっていた。
既に夢物語では無く実際にプリウスは超えた。
Fitハイブリッドは30km弱となった。
今後他社の追従も行われていくだろう。
当面はガソリンの高騰との競争になるのでは無いだろうか。
石油枯渇が叫ばれているが、それはガソリン車だけの問題ではない。
むしろ石油関連商品、プラスチックやピニール、化学繊維などへの依存の方が危険だ。
強化プラスチックなどを含めて金属からの置き換えでむしろ依存は増えてはいないのか。
ガソリン車を減らすのはある意味必要な方向ではあるが、この点もリンクして考えなければナンセンスだ。
少なくとも国家規模で論じるのであれば。
いうまでもなく原油から一定量の工業原料(ナフサ等)を取り出せばガソリンも一定量が生まれるからだ。
ガソリンを発電設備で燃やして電気として自動車に配するより、ガソリン車の方が遙かに効率が良い。(当然CO2排出量は後者の方が少ない)
そこまで考えて始めて国家規模で電気自動車に移行すべきかということになろう。
そもそも完全に移行する必然があるのか、という理屈もある。
例えば大都市部だけ電気自動車を推奨するとかがある。
所得が比較的高く、高額な駐車場代金に抗って所有する経済力がある。
排ガス問題もあるし、充電設備インフラも比較的整えやすい。
バスやタクシーの電気化を推進する手もあろう。
もっと正しく物事をとらえて報道してほしいものだと思うし、きちんとした議論をして欲しい。
地球温暖化議論をみていると同様な危惧感をどうしても感じてしまう。
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