リンク: 【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】 絶好調に見える任天堂が警戒する「任天堂ショック」の可能性.
この記事がPCWatchに掲載されたことが興味深い。本来はGameWatchでかかれるのが妥当だが。
邪推すればGameWatchの読者には一笑に付されるからとも思える。
まず、アタリショック。
簡単に言えば当時、ゲーム(製品レベル)にすらなっていない、パッケージソフトがそれこそ市場に氾濫し、客が混乱し逃げた、と伝えられる(私のそのとき「現役」ではないので知らない)。
別の言い方をすれば同人ソフト以下の適当に動くナニカを作って売っていた、まあ、詐欺といっていいような状況が発生したのだ。
そりゃあ、お客も逃げる。
売れすぎているのが問題なんかない。非常に結構なことだ。
ゲーム機である以上、当然ながらなにかしらのタイトルもセットで買っているだろう。
2年も経過した今買う人は先行買いではなくそれなりのビッグタイトルとセットとなるだろう。
それで十分なのだ。
ここがビジネスモデルの違う他2社との違いになる。
ハード自体も黒字であるWiiではハードを買ってもらっただけで儲かるし、ゲームを買ってくれればさらに儲かる。
PS3は最悪でハードでは赤字、その上でゲームを数本(10本という説もあるが)買って貰わないとトントンにならないとう。
つまりなんかのソフト一本が出て、そのためにハードを買ってお蔵入りをするとSCEは赤字なのである。
それこそハードをお蔵入りさせないでなんとか使っていてもらってゲームなりコンテンツを買ってもらわないといけない。
売れすぎてなにかしらの時期が過ぎてしぼんだとき問題。
それがあるとすれば生産工場の問題だ。
操業が一気に落ち込むと売り上げの下落以上に利益がへこむ。
それはまさに今回の不況の波で自動車や家電産業の大手を含む各社が一気に赤字転落した状況である。
ところがその問題も杞憂であるようだ。
おもちゃ産業の一員である任天堂はヒット商品が一気に落ち込み在庫の溢れや工場の操業停止などはいくらでもみてきた。
たまごっちなどは典型例でよくいわれるが別に珍しいことでもない。
だからだろう。
Wiiがスタートダッシュに成功し売れ続けてもなかなか生産量を増やそうとしなかった。
米国では慢性的な品薄をきたして各所から文句がでていたが重い腰をあげてようやく去年の初冬ぐらいに生産を増やした。
そしてこの不況になってもなお勢いが変わらない。
ではショックなどはなにによっておこるのだろうか。
かならずものごとには兆しがある。
アタリショックで言えばクソゲーにもならないパッケージ市場の悪化である。
では記事に戻る。
後藤氏の指摘を列記してみよう。
・膨れあがったユーザーが、任天堂ゲーム機に飽きて、見向きもしなくなる時が来るかも知れない。
ゲーム機に飽きる、という自体が認識がおかしい。
例えばWindowsPCに飽きる、Macに飽きると書いてみるとその滑稽さがわかるだろう。
マリオカートに飽きる、スマブラに飽きる、これはありえる。
飽きたらゲーム機はお蔵入りする。ただそれだけのことで良くあることだ。
日本だけを見ると状況が違う。(中略)任天堂自身が発売するファーストパーティタイトルが弾切れした上に、任天堂ゲーム機ではやっぱりファーストパーティタイトルしか売れないと見なされるようになり、サードパーティも力が入らなくなりつつある。
タイトルという意味によるが、ある意味でのタイトル自体は玉切れしていない。
ゼルダやカービィ、F-ZEROやピクミンなどビッグタイトルの続編でまだ出ていないものは多い。
ファーストのゲームソフトという意味でのタイトルは閑散期ではある。
サードが売れないというのも事実である。
スクエニのDQSやナムコで数十万本クラスなどがあるが十万本越えるソフトは少なく、ミリオンには遠い。
Wiiに限ったものでもなく昔からだが、サードの良く出来た部類でも任天堂のミドルクラスの出来である、と私は思う(こればっかりは主観でしかいいようがない)
つまりはサードの力不足なのだ。
実際に米国ではサードは任天堂に対して同程度に売れていることは岩田社長も公式の場で指摘している。
・任天堂にとって不安材料は、日本での急な停滞と同じ現象が、世界市場により深刻な規模で広まって行くことだ。
よってこの世界市場で云々は的が外れている。サードのタイトル不足による突然の停滞の兆しは皆無だ。
よってここで指摘するのであればサードあっての米国の伸び、それが弱い日本での伸び悩み、ということになるだろう。
ちなみにバイオ5や龍3は確かにPS3の押し上げには一躍かっているかもしれないがかなり微小で伸びたといってもわずかにWiiを上回っているだけ。
今週で週2万程度にとどまっており、浮上しているとはちょっと言いがたい。
まあ、週に1万切っていた悲惨なころよりはましであるが。
それよりタイトル切れはPS3の方が深刻ではないかと思う。
なにせ次がない。連作物しかヒットが出ないからこのことは致命的だろう。
次はFF13とか言われるが全く形が見えてこない。
そういうときに牽引すべきファーストは全く力がない。
さて、コンテンツビジネスにも話が広がっているが、私は懐疑的だ。
「みんなのシアターWii」は間違いなくコケルだろう。(コケテいるだろうという方が正しいか?)
まずブラウザが有料(500円)。
こういうものは最低限でもブラウザを無料にして一話かPVなどを無料で配信して質を確認させる必要がある。
回線やテレビでの見え方など未知なのだから必須だが、確認すら有料となる。
見積もり無料がお客を引く常套手段だがそれすらもないのでは敷居が高すぎる。
コンテンツも高い。
ライバルはレンタルショップである。
私の近所で言えば旧作は7泊で100円、新作でも一泊なら100円である。
30分放送番組ならDVD一枚に2か3話入っている。つまり一話で50円程度。
それに張り合えるのか。
このことはWiiに限った話ではなく家電メーカー主導のアクトビラやネット配信各社にもいえるだろうが。
そこそこ成功していると伝えられているカラオケWii。
JOYSOUNDがベースのため、オンラインであればかなりの曲(3万曲)が収容され、しかも24時間唄い放題で僅か300円。
これはカラオケBOXがライバルになるが十分に勝てているということだろう。
音楽と映像とを単純比較すべきではないだろうが、満足度で言えばかなりの格差がある。
このぐらいやって受け入れられるのだろう。
ニンテンドーチャンネルにも言及しておいたほうが良いだろう。
初めの頃はかなりコンテンツが充実しており見るのが大変だったぐらいだ。
ちなみに週1の更新となっているようだ。
最近はかなり減っており、ぶっちゃけていえば金がかかっていない。
サードが紹介コンテンツを出したりもっとして欲しいのだがどうも二の足を踏んでいるようだ。
家庭用ムービーを使ってチープな感じで映像作るとか、トレーラーを発表するとか色々できそうなんだが何が障害なのだろうか。
私にとってはここの映像を見て購入を決めたソフトは結構あり、影響力は大きいといえる。
ここでさえそうなのだからお茶の間がどこまでできるのかはかなり悲観的に考えざるを得ない。
広告がこの不況でかなり落ち込んでいるのもある。
かといってコンテンツホルダーである放送局は依然としてコンテンツ売りを促進、つまり値下げするようなことはしないだろう。
色々書いたがゲーム機とそれ以上のナニカとのギャップはいろんなところで大きいと思う。
これはWiiに限らずPS3もXBOX360でも苦しんでいるように見える。
無償と有償のギャップもある。これはPCのネットコンテンツでもまだ模索しているところだろう。
広告モデル、集金モデル。
どうやってお金を調達するか、集めたお金をどう流すか。
非常に難しい問題だ。
つまりネット界としてみれば一般的な難問であるといえる。
それをあたかもWiiの問題であるかのようなのがこの記事の滑稽さといえる。
もちろん強者の任天堂がどう解決していくか、切り開いていくかは非常に興味深い。
しかしそれが失敗したからといってWiiもDSも崩れたりしないのが、それがまた任天堂の強さでもある。
一般論だからこそPS3や360が逆転するシナリオがないのは当然なわけだ。
Wiiに比較してネットワーク接続率がPS3や360が高い、ということについても当然の結果であり、むしろそれが台数が伸び悩んでいる理由のひとつではないか、という考察になっていない。
ネットに繋ぐことを余儀なくされているという状態になっているからだ。
ネットに繋がっていないと本体のアップデートさえできない。
機能の向上やメニューの追加はオンラインでのアップデートに限られる。
一方でWiiでは新作ソフトには逐次アップデートが入っているため必須ではない。
つまりオフラインでもなんら問題はないのだ。
ここも立ち位置が根本的に異なる。
これは任天堂のポリシーだが、オフラインでも、一人でも十分に楽しいゲームを作るのがまず大前提。その上で多人数だったりオンラインだと楽しめる、というものだ。
逆なのは360でオンライン前提のゲームが多い。
オンライン対戦などに興味がある、既にPCなどで経験済みの人が多いのだろう。
反面、そうでないひとには敷居が高い。
360のゲームでは割と、オンラインのひとは、外出したときのように普通に存在するためにその心構えを必要とされる。
それは自由度が高いという利点でもあるが、オンラインでは治安が悪くなりがちなので自己防衛が必要となる。
PS3でも同様の面がある。
バグ対応がオンラインパッチのみなので、ネット接続がないとバグありのまま遊ぶことを強いられることになる。
HDDが必須であるためこのような対応が可能だというメリットでもあるが、逆に敷居を高くしている。
このような現状でネットに不慣れな人口にWiiが普及したのは当然でそれはゲーム機を選ぶ選択肢が残されていたということで素晴らしいことである。
その人たちにネットで繋ぎとめるという発想自体がとんちんかんであるといえる。
まず機械を買ってもらうのが先決である。
その次にネットに繋げばよりよくなりますよ、といって繋いでもらう。
たいがいはそこで出費が(しかも月々で)増えるわけだから敷居は非常に高い。
だから非常に難しいと考えたほうが良い。
それでもいい機会だからネット開設しようか、とか、PCは繋いでいるからWiiも、という線にはいくつかやっている。
スマブラの時の光とのセット販売戦略、現在は接続をお友達に頼めばWiiポイントを両方にあげますサービス、その類を一切やっていない他社に比較すればはるかにましである。
Wiiが綱渡りというのならPS3や360は紐渡りか糸渡りぐらいじゃないのだろうか。
私は(PS3や360を綱渡りぐらいに言うためにも)Wiiは平均台ぐらいだと思う。
もちろん安泰ではなく緊張感は必要だ。
任天堂は先代社長がいった「うちはゲーム機を作る」の原点で考えているだろう。
その上でネット上の事業で色々考えているのだと思う。
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