暫定税率のマスコミ報道
久しぶりにテレビをつけてみていたら暫定税率の話をやっていた。
驚くことに暫定税率廃止に対して反対の姿勢のようだ。
しかしその内容がひどい。
・ガソリンスタンドの'先行値下げ'による赤字かぶり
ガソリン税はタンクローリーにいれた時点でかかるという。
つまり店内在庫分にはすでに暫定税率込みの仕入れをしてしまっているといえる。
在庫分は暫定税率込みの値段で売るのが正当なことである。
しかし現実には在庫がはけるまで待つことは出来ず値下げを先行してやらざるを得ないのだという。
そもそもこれもおかしな話で、消費税と同じように売った時点でのお客様からの預かり税にすべきではないのか、そもそもこれを混乱と称するのであればまずはこの税金制度のおかしな点を指摘すべきだろう。
まぁそれをいっても仕方ないが、4/1に暫定税率が廃止になり、値下げを余儀なくされるというのはもう一ヶ月も前から予想すべきことであろう。
つまり賢い経営者であれば自分の貯蔵タンクの在庫管理をすでに注意深くやっているべきであろうし、4/1にはほぼ空っぽにして4/1になった途端に暫定税率のかかっていないガソリンで貯蔵タンクを満タンにするように調整をするであろう。
というか、当然それぐらいはやっているガソリンスタンドはあるだろう。
在庫管理もろくにやっていないスタンドは競争に負ける。
ごく自然な競争原理ではないだろうか。
そこには別にインサイダー情報や抜き打ちのような運不運や不公平はない。すべては予想の範疇ではないのか。
無論、完全には0にはできないだろうから若干はかぶることにはなろう。
しかしそこは他店に先んじての値下げで客を取れるわけでその分の売り上げの向上で相殺出来るかもしれない。
その分はじっと他店をみながら待つことになるかもしれない。
・道路の入札を延期した
当然だろう。暫定を見込んで予算確保、入札を予定していたのだから。
なにが混乱なのだろうか。
仕事が減るからうちは潰れるしかないなどとぼやいていた会社もあったが、暫定税率があるからぎりぎり維持できていた会社は残念だがそもそも時限爆弾を持ちながらいままでなんとか持っていたに過ぎない。
暫定税率の期限があるうちになんとかしなければならなかっただけのこととしかいいようがない。
・道路が修理できなくなる
今、新設の道路を建設予定していない地方があろうか。
おそらくないだろう。私のいる県でも、いや、私の行動圏でもたくさんの拡張や新設(ひどい狭い道が立派な道路になるようだからこれは新設だろう)がある。
しかし報道の中では新設の道路のことを一切取り上げていなかった。
予算が減れば修繕を優先させて新設を繰り伸ばしにするのは当然のこと。
新設ができなくなるなどと報道したら当たり前だと反論がくることはさすがに予想していたのだろう。
どんなに多くても半減、道路特定財源以外からも道路への拠出があるからそれ以下である。
(ある県では道路特定財源は半分以下。暫定分はせいぜい1/4である)
それで修繕に不足する事態が本当にありえるのか、極めて疑問である。
新設自体をとりあげなかったこと、その割合や予定予算配分例を具体的な数字を持って示さなかったことが極めて怪しい。
・借金を返済できなくなる。その結果福祉や教育が削られる
これにいたってはまったく呆れるしかない。
そもそも道路特定財源を借金返済に充てているのがおかしい。
わかっていてそういう報道をしているのか。
とんだミスリードとしかいえない。
福祉や教育が削られるといえば共感を得られると思っているのか。
どこまで視聴者を馬鹿にしているのだろうか。
道路特定財源云々議論の前に、このようにまっとうな現実把握や理論的な考察が一切出来ていない。
政治がこのネタを政争の道具としている云々はともかくとしても、マスコミがこのようなレベルではお話にならない。
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