運転免許更新の実効性~asahi.com:認知症の男性、高速道路を逆走 7人が重軽傷 岡山 - 社会
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またも痛ましい事件がおきた。
だいぶ前にもまったく同じ事件が起きていたと思うが結局まったく対策はとられていないのだろう。
システム的に考えればおかしな話である。
ほとんどの人はご存知なように運転免許は更新制度。
しかも周期は短い。
免許更新の実態を思い出してみよう。免許更新に必要な要件とは何か。
1.自分の住所氏名を書けること。申請用紙に書かなければならない。
2. 視力。矯正具をつけてもいいから0.7以上でなければならない。
3.外見上特に問題がないこと。怪我などで身体に異常があり運転に齟齬があると認められる場合は咎めがある場合があるそうだ。あきらかに異常行動があればとめられる可能性がある。
4.講習ビデオや教員の話をじっときいていられること。奇行があれば咎められるだろう。
これが更新の実態である。時間さえたてば更新された免許と冊子を渡され帰宅する。
よほどのことがなければ更新を拒絶されることはないだろう。
だから警察利権とかそんなことをいわれるわけである。
と、調べたら現在認知症判定の検査をおこなうことが今年法案として審議されているそうである。
しかし75歳以上。つまり今回の事件(加害者は74歳)を未然に阻止できないことになる。
認知症というのは病気であるし本人に責任はない。
しかし運転免許は運転の適正をもって交付されるべきものである以上、運転の適正を失った段階で失効するのが本来のあり方になる。
今回のような、相手の運転手にとってはまったく過失がないにもかかわらず重症を受けてしまうような事態は避けなければならないだろう。
それにしても75歳以上で認知症判定というのはあまりに短絡的というか対処療法的というかどうなんだろうか。
むしろもっとグローバルに運転免許更新テストみたいなものを導入すべきではないのか。
内容は運転免許取得のときほど難問を出す必要はないと思う。
たとえば駐停車禁止や追い越し制限、高さ制限、特定の禁止領域など普通に走行していれば頻繁にみかける標識・指示・状況について問題を出す。
これを間違えるようでは資格なしというか危険だろう、というレベルのテストでいい。
これだけでもかなり防げるのではないだろうか。
一方で高齢者教習みたいなものもよいのかもしれない。
田舎では自動車がないときわめて不便である、というか生活に支障をきたす。
だからこそ高齢者になって反応や動作が緩慢になったならば、なったなりの運転の処方というものがある。
本人はなかなか気づきにくいものというのならば免許更新の時間にシニア教習をすべきではないのだろうか。
こういった実態に即した議論なしに認知症対策だけすれば良しのような話だとどうも不安でしかない。
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コメント
こんにちは
そうですよね、この間免許の更新があったんですが久しぶりの視力検査何とか受かりましたが前と比べて視力が落ちたなと自分では感じていますね、
其のとき講習の先生と話をしたんですが、今度高齢者の免許の更新は動体視力検査があるよなんていわれ、もうそんな時代になったのかなと思っています。
高齢者にとってこれからの免許の更新は視力検査など厳しくなっていきますね。
投稿: 小次郎 | 2009/05/18 11:56
コメントありがとうございます。
厳しいといえばそうなんですけど、安全に運転しよう、結果的にはそのひとのためですから。
もっといろいろとテストしたらいいと思うんですよ。
私は任意で適正テストみたいなものを機会あれば受けていますけど、その結果で一喜一憂するのではなく自分の性格や傾向を知ることで、より安全に運転するのに役に立つのではないかと考えています。
テストして不合格だから云々じゃなくて、この辺が弱いからこういう運転をするといいよ、とか、そういう指導に結び付けて欲しいものです。
俗に言う「枯葉マーク」を義務付ける行政ではなくもっと現実的でやさしいものにして欲しいものだと思っています。
投稿: える | 2009/05/22 20:31