著作権法の非親告罪化(2)
関連する話題についてここのブログに色々書いてあるのでリンク先として貼ってみる。
ここを読んでみてまたいろいろと考えるところがあったので述べてみる。
要するに海賊版の撲滅を言うのならば
訴えてすぐに動くところを作れ
というところに尽きるのではないか。
民が良いのか、官が良いのか、はたまた特殊法人が良いのか(笑)、それは別の議論としておく。
親告・非親告の問題ではない。どうすれば実際問題として海賊版撲滅になるのか、それをまず議論すべきってことなんだろうと思う。もちろん調査会議事録でもそれについてかかれているわけだが。
その上で、法的障害としてどうしても非親告であることがあげられるのであれば、はじめて非親告の是非について問うべきではないのか。
商用品のデッドコピーであること、映画を盗撮したものであること、これに限定して非親告で検挙可能とするのも一案であると私も思う。
デッドコピー商売はそれがなにかしらのコピーであることをほのめかして販売しているのが通常であるし、デッドコピーであれば原本との比較によりその類似性は技術的に証明できる。
著作権侵害という主観の入った非常に曖昧な区切りではなく、客観的に類似性が何十%という数値で表すことも可能である。
いわば盗品販売に近いものがある。
コピー品というものに対して法律的にもう少し整備する、というのも考えの1つではないかと思う。
コピー品といえば、例えば紙幣に対する整備は国家の基盤に関わるだけに厳しくとられている。
コピー機に対しても配慮が要求されているし、コピーをしようとしただけでも罪に問われる。
お遊びではすまない(お遊びといって逃げられられない)ようになっている。
ここ数年レベルでコピーが非常に精巧にできるようになっている。
パソコンや撮影機器の進化、デジタル化(*1)によってその精巧さはあがっている。
例えば映画の盗撮においてもちょっと前まではハンディカムのひどくボケた画像でしか撮れなかったものが、現在ではHDカメラが容易(十数万程度か)で購入できるようになっており、それをDVD画質に変換してDVDにダビングすればかなりきれいな画像で'商品'を作る事ができる。
つまりコピー品と本物の差がどんどん縮まってしまっている、よってコピー品の販売に対する防止策というのは真剣に考える時期になっているのではないかと思う。
これはブランド品のコピー品(模造品)にしても同様のことが言える。
例えば、確かブランド品のコピー品に対する対抗としては商標に関する法律でしか取り締まれなかったのではないか。
本当はもっと根深い問題ではないのか。
いわゆるソフト産業だけではなく、工業製品においてもコピー品というのは根深い問題となっているのである。
著作権侵害、という観点ももちろん議論すべき点であると思うが、単純にコピー品対策、という点でも、知的財産権の保護という点で法整備をすべき時期であると思う。
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(*1)デジタル化によってコピーが困難になった、といわれるが、それは一般的な場面、いわゆるカジュアルコピーに対してであって、なんでもありの世界、アングラ的にはさほど変わったわけでもないと思われる
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(追記)
日弁連がすでに2月の段階で反対意見を出していたようだ。
著作権罰則の非親告罪化に関する意見書
これに私は異論を挟む余地が無い。
結びの文だけ引用しておきたい。
また非親告罪化は公訴官に大きな負担を負わせる反面、言論・文化に密接にかかわる犯罪について、捜査機関の権限を拡大する点、および起訴便宜主義のもと恣意が介入する余地がないとは言えない危惧がある。
要するに警察が好き勝手やっちまうんではないか、言論統制・思想統制の方向になっちまうんじゃないか、っていうことだろう。
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