リンク:著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名
リンク: 著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名.
大いに賛同するのでリンクを貼っておく。
この先に反対ムービーがあるので一緒に貼っておく。
なぜ反対か、といえば守銭奴のにおいがぷんぷんするからである。
著作権者、というか作者さんは大いに尊敬すべきで有用な法的な保護を十分にもって生活の安定をしてもらい、さらに良い作品を生んで欲しいというのには大賛成である。
しかしながらこの件は「死後70年を90年にする」というものである。
つまり作者さんにはなんのメリットも無い。ただ著作権を相続した人たちにメリットがある、ということでしかない。
年月の延長でも、現状が死後すぐに切れるのが10年にしましょう、という話ならまだ話はわかる。
その著作物を応用した製品が、著作者がなんらかの不慮の事故で死んだからといってすぐにパクりものが出回るような事態になったらそれはさすがにリスクが大きすぎる。また、ご遺族の方の生活もあるだろう。
しかし現状でも70年である。この年数がどれだけ長いかといえば、現在で戦後60年をようやく超えた時点である。
著作者本人が存命中に会ったことのある(という表現では微妙に違うが)生まれたばかりの赤子でも既に70歳になってしまうぐらいの時間がたっているわけである。それを90歳にするのか。
もはや遺族とはいえない、そんな人まで保護する必要が果たしてあるのか。
「子孫に美田を残さず」ということばがある。
西郷隆盛の言葉といわれている。十分な遺産を残してしまうと子孫が怠けてしまいろくな人間にならないのだから残すものではない、ということ。それにまっこうから反する法律といえる。
上記のムービーの中で弁護士の方の論説がありますがまったく異論が無い。
現在論議が行われており、その中で延長賛成派の松本零次氏がおられていますが、なにか空々しく聞こえるのは気のせいでしょうか。
ご自身の代表作である、銀河鉄道シリーズは、間違いなく宮沢賢治の銀河鉄道の夜から由来しているのでしょう。それは自他ともに認めることのはずです。
銀河鉄道の夜をヒントに得たからといって、著作権者から法外な要求をされたり、著作権者が不明だったりしたらそもそも成立しない作品であったはずです。
これに限らず世の中に作品でそれこそ100%オリジナルの作品などありません。仮にあったとしても現実問題としてそのような作品は残念ながら奇異すぎて世の中に受け入れられることは難しいのです。
かのディスニーだって過去の作品を利用したり引用したりするのは珍しくありません。「ライオンキング」は物議を醸しました。
あれが故意であろうと無かろうと問題のある作品です。
見ていない、という主張で固めていたかと思いますが、仮にもアニメに携わる人間が、日本のアニメの第一人者である手塚治虫氏の代表作である、ジャングル大帝を知らないほうが問題があるとしか思えません。
また周囲のスタッフも自分の作品に類似しそうな作品を調査するのが当然の仕事のありかたです。
逆の立場であれば「ジャングル大帝」が差し止めをくらっていたのではないか、と私は思うぐらいです。
賛成論者自身の作品だって他の作品によって成り立っているのです。
非常に良い作品があるので、参考としたい、もしくは再生したいという思いがあるのにも関わらず、著作権によって埋没する可能性は十分にあるのです。
年の延長によってその確率が確実に増えるのです。そのほうが不幸だというのが反対論者の主旨の1つだと思います。
ゲーム業界の話なので若干話は外れますが、このような場ではあまり取り上げられないと思うのであえて紹介したいと思います。
ゲームの歴史の中でWizardryというゲームがありました。
このゲームはUltimaとともに現在のゲームの一分野の礎となったといわれるゲームでネームバリューもあります。
しかしこのゲームの著作権は不幸にも会社の離散や権利のばら売りによってばらばらになってわけがわからなくなってしまったそうです。
ゲーム業界は非常に会社自体もダイナミズムがあって時間の流れが速いためにちょっと気を抜くと一変しているくらいの業界です。
Wizardryという名前だけでも十分な価値があるためこれは流石に継承されたとのことですが、アイテム名や呪文名(これもこのゲームの特徴といえます)についてはどうなっているのか辿るのも困難な状態らしいです。
もはや本来のWizardryが復活するには著作権が大元から切れるしかないという状態になってしまっているのです。
また、相続というのはやっかいな性質のものです。
単純に直系の血族だけで考えた場合ですが、子供が常に二人生まれたと仮定します。作者の死後でその子孫が25歳で子供を産んだとしたら75年で三世代です。子孫は8人になるわけです。存命の間に孫までいれば64人に上ります。
2人と仮定しただけで3人になればさらに膨れ上がりますし、もっと早く子供ができるかもしれません。もちろん相続なので傍系や赤の他人に相続するのも可能ですので話はさらにややこしくなります。
これが90年になればさらに倍になる可能性もあるわけで100人近くになるわけです。凄く乱暴な計算ですがどう少なく見積もっても数十人にはなるのは間違いないでしょう。
これをすべて辿るなどというのはほぼ絶望的な数字です。
延長するということはこのような背景を悪化させるような法案になります。
このような悪化を招いては、果たして作者が作品を作りやすい環境にしていく、という本来の主旨からは反してしまうのではないでしょうか。
| 固定リンク
「法律」カテゴリの記事
- インボイス制度の2大問題点+1(2024.02.23)
- 派閥”解散”という茶番(2024.01.20)
- 羽田空港事故~ペット客室持込問題~(2024.01.05)
- ダイハツ不正問題について(2024.01.04)
- タクシー・バスドライバーが足りない問題(2023.11.24)
コメント