2010/10/06

東芝、裸眼3DTV「グラスレス3Dレグザ」を12月発売 -AV Watch

リンク: 東芝、裸眼3DTV「グラスレス3Dレグザ」を12月発売 -AV Watch.

恐らく今回のCEATECの一番の目玉は東芝の“グラスレス3Dレグザ”であろう。
メガネ無しの3DTVで比較的大型のものということで注目される。

10インチ以下であれば既に3D液晶は商品化されており、携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機の任天堂の3DSでも採用、来年の春前には発売される。
今回の東芝ではどのようにメガネ無しを実現したかが注目されるわけだ。

サイズは20型と12型。
20型としても昨今の一般の液晶テレビとしては一番小さい部類になるだろう。
12型ではPCのモニターでも数少ないレベルではないだろうか。
価格としては24万と12万という。いうまでもなくかなり高い。
20型クラスだと2,3万円程度が相場と思われる。

値段で比較すれば、実売での話だが26万程度出せばメガネ有りのタイプの3Dテレビなら40型が買えてしまう。

もちろんこれは単純にテレビとしてみた話であって搭載されている技術やスペックからみると価格はそれに見合ったものではある。
大型でメガネなしの立体視、というのはどのようなマジックだろう、というレベルの話。

実現している技術は9視差映像表示というもの。
簡単に言えば、ひとつの映像画素について、それを9つに分割し、異なった映像を作り出す。
それらが目に届くと立体に見える、というもの。
なぜそれでメガネ無しで立体に見えるか、というのは私も未だいまひとつ納得が出来ていない。
その辺はリンクの記事の周辺をみてもらいたいと思う。


技術的には2つのキーがある。

一つ目は映像表示部として9つに分割しているということ。
実解像度は20型で1280×720相当でいわゆるハイビジョン画質で100万画素に満たない。
しかしパネルが持っているポテンシャルは900万画素近い。
つまり9倍もの情報量を表示できるパネルを作って1画素に対し9画素の点を使って表現をする。

二つ目はその9つの映像を作り出すこと。
いわゆる2D映像から3Dに擬似的に作り出す、というレベルではない。
元から3Dの映像信号においては左右の目に対する映像が入っている。
ここからメガネ無しで立体的に見えるように9つ分の映像を作り出すのである。
小型テレビであれば左右の2画素分にたいして各々を表示させれば良い。
また、メガネ方式では片方の目に対して各々の映像を見せるように切り替える。
しかし、大型のメガネなしでは9画素分もの映像を作り出す必要がある。
これを行うというのかかなり大変だろうということは容易に推測が出来る。

ここにCELLの技術が使われているという。
PS3のようなゲーム機ではいまひとつ発揮できなかったポテンシャルがこのような場所で発揮されている。
東芝がCELLの工場を買い取ったという話を聞いたときには疑問を禁じえなかったがきちんと使われている。
おそらく今回の様な開発にはどうしてもカットアンドトライが必要でかつ単純なソフト処理では不可能な高速な映像処理が必要となっただろう。
CELLが存在していなければFPGA等でこなすのかもしれないがそれは開発のループが意外と長くなる。
価格が高い要因ではこのCELLを搭載しているせいもあろうが、ある程度こなれてくればマスクチップに落としていくということも考えられるだろう。

なんにせよ現状ではこの2つはとんでもない技術と回路・システム的なコストがかかっている。

戦略的に安い価格設定をした、という発言があったようだが、確かに技術的背景を思えばその通りだと思う。

欠点としては視聴距離がかなり限定されるということになるのだろうか
推奨が22型で90cm。ちょっと遠いような気が私としてはする。
もちろんここからどの程度ずれるとダメかという感覚は実際に見てみないと分からないのであまりつっこまない。
左右のぶれはさほど気にならないレベルらしい。

あとはせっかくメガネ無しなのだが、コントラスト比が550:1と昨今のテレビとしてはかなり低い。
もちろんメガネありの視聴ではコントラスト比など話にもならないほど悪いと考えられるのではあるが。

これを発表した東芝もその点は重々承知しているのだと思う。
記事の中からもそれは十分に読み取れる。

あくまでひとつのマイルストーンと位置づけて、今後大型化や欠点の克服はどんどんなされるだろう。
回路の複雑さや微細加工技術は技術の進歩が解決していくものだ。
メガネ無しの3Dテレビが将来的には当然となるのが流れとしてあるべきだろう。
今回の発表のテレビ自体は“買い”というものではないだろう。
しかし将来が楽しみなものである。
この発表は今後のひとつの流れとして大いに期待すべきものだと考えてよいだろう。

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2010/09/09

BDからHDDへのムーブが可能に

リンク: BDからHDDへのムーブが可能になった理由 -AV Watch.

これは朗報、というか、本来なら理屈上はできないとおかしいと思っていたのだが商品化された、ということは、正式にできるようになった、といえそうだ。

がちがちに厳しいコンテンツ保護の中で特に疑問だったのが、BDからHDDに戻せないということだった。
「ムーブ」は許可するというのだからメディアに関わらず(HDDからBDだけではなくその逆も)ムーブができないとおかしいよなあ、と思っていた。

現状はパナソニックだけということだが、新製品の発売と規格制定のタイミングが合わなかっただけの話で、消費者にとって制限が少なくなることは非常に歓迎すべきことであり、今後の機種は各社この機能に対応してくるだろう。

特にBDのみ録画のレコーダーや録画機能付きテレビをラインナップに持つシャープにとっては朗報ではないだろうか。
テレビでは録画できるが編集機能はなく、やっぱり編集して詰め込み直したいという向きにはレコーダーを買えばできますよ、その際に他社製では必ずしも戻せないかも、としておけば自社レコーダー購入への誘導となる。(実情として他社のまで検証はしきれない、というのは合理的な言い訳の範疇であろう)

また記事中でも触れられているがBDXLの活用という観点からも大きい。
25GのBD4枚が、50Gのからは2枚が、BDXLは100Gだから1枚に収まる。

もっと大きいのはコンテンツの保存性である。
BDであろうとどんなメディアにも寿命というものがある。
いままでは一度BDに写したらそのBDの寿命が尽きるまでの命だ。
ところが戻せるということは適時にHDDに戻し、新しいBDに書き込めば論理上は永遠の命を得られる。

たった、HDDに戻せる、というだけでもこの点で大きく事情が異なってくる。

私は著作権者側が、このような“永遠の命”を与えたくないがために今までBDからの書き戻しを許可してこなかったと思っていたのだがそこまでひどい話ではなかったようだ。

記事にもあるように異なるメディアで継承できるようになる、という点でも非常に大きなメリットだ。
アナログ停波が後一年足らずとなり、暗黒時代になるかと思っていたが、このような規制緩和をしてくれたのは英断だと言わざるを得ない。

記事中にもファイナライズをしているBD-Rはできない、となっているが、実際にはBD-R(RE)において、再生互換性をあげるためのファイナライズは必要ないとされている。(DVDとはこの点が異なる)
そのために面倒なだけのファイナライズをやっていない人も多いのではないだろうか。
いままで録画したものでも別に問題ない、ということだから、たとえBD-Rでもそのメディアを捨ててもいいのなら可能であり、問題は無い。
メディアの継承ならどうせそのメディアは廃棄するのだから。

もちろんこのレベルでも現状は色々と厳しい規制があるので手放しでは褒めることはできないのであるが。

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2010/08/21

キヤノン、SED断念か

リンク: キヤノン、SED開発子会社の「SED」を解散 -AV Watch.

今回の解散にあたりキヤノンでは、「近年の薄型テレビの価格は想定以上に大幅かつ急速に下落し、適正な採算性を確保してSEDを事業化することは困難であると判断した」という。

とうとう決断となってしまったか、という感。
昨今の不況、円高による事業悪化も無関係ではあるまい。

SEDパネルの研究開発は、キヤノンで継続していくという。

とはいうものの、事業を見据えた開発とはならないわけで他への基礎技術転用などが目的となるのだろう。

SEDは素性としてはよいものの、価格的に合わず事業として断念したということらしい。
以前より指摘されていた欠点を解消できなかった、というのもあろう。

・小型化困難
一番大きいのはプラズマでも苦戦している(というか諦めている)部分である、小型化が出来ない、ということが大きいであろう。
もし小型化をするとフルハイビジョン(1980x1080)ではなくて1280x720クラスに落ちてしまう。
50型が中心で、40型だと難しい、となると価格的に折り合わなくなる。
液晶が小さければ安い、大きければ高いというごく当たり前の価格体系を苦も無く作れるのとは対照的だ。

・プラズマの苦戦
プラズマがテレビ事業の中で苦戦しているのもあるだろう。
プラズマとSEDの特長は割と被っている。
液晶との対比の中でSEDの特長を浮き出させるのは難しい。
プラズマも比較的高級路線を打ち出していて、値段が液晶よりも高い。
プラズマの中でもさらに高級を打ち出したパイオニアKUROは事業としては失敗し、パナソニックに吸収された。
それよりも高級路線となろうSEDが事業として成立するか、というと大変困難であろう。
パイオニアが一定の支持を受けていればまだしも、不況のさなかではなかなか支持数が足りなかったのだろう。

・3Dテレビの事業化
液晶は以前より比較的3D対応には適していた。
プラズマも改良によって対応をできるだけのパネルを作り上げた。
当然ながらSEDもその要求がでよう。
3Dテレビではいわゆる倍速駆動ができないといけない。
要するに一秒に60枚が通常のところ、120枚の表示をする必要がある。
これはSEDにとってかなりきつい要求だと思う。
(もしくは倍密度にする、ということもあろうがそれはもっと無理であろう)
一方で高級路線であれば必須ともいえる。
今現在はともかく、多分数年後にはそれなりに普及していると思われる。
3Dなんていらん、と思うのは価格差が高いからであって、本質的にいらないということではなかろう。
価格差が現在よりは少なくなっているのは間違いない。
この流れも事業化断念の理由ではなかろうか。

・シャープの新技術
液晶の欠点をかなり解消しているのが大きい。
クアトロン、という技術は単なる技術項目の追加ではない。
それよりも従来の“液晶特異の絵作り”からの決別が見られるのが大きい。
UV2Aというだけでもかなりよいのだが、それと比較してもクアトロンの採用機種は絵作りがかなり違っている。
高コントラスト(黒の沈み)、色の豊かさ、明るさ、これらがもう十分と考えて液晶のアラが見えるような調整はやめている。
単純に言えば、暗いから色とかを犠牲にして明るく見せる、というのをやめている。
それでも従来比で十分な明るさを維持しているのが凄いのだ。
別の言い方では、こういう意識の転換が本当の意味での“革命”なのだと思う。
値段も無視できない。
普通ならこういうハイエンドクラスは高くすべきなのに思ったよりずっと安い。
他の機種の値段を押し下げてしまっている。
無理してまで下げないのがシャープ、なのでこれはパネル自体の製造コストを下げているのだろう。
大量生産できる堺工場の立ち上げも要因のひとつだろう。
性能面、コスト面で勝負できるか、つまり事業になるほどのインパクト(差別化)を打ち出せるかという点で無視できないトピックの一つとなっているのだろう。

・薄型テレビ市場の成熟化
成長期からだんだんと成熟市場になりつつある。もうなっているかもしれない。
その中でSEDという新参が入って成立するか、という問題もある。
パネルをどこが買ってくれるのか。
キヤノンブランドのAV市場での存在感はないから自社テレビはまず無理だ。
東芝と協業していたがいまはキヤノンだけでやっている。
よしんばパネルができたとして東芝は買ってくれるか。
シャープとの協力体制を作りつつあるし、結局は液晶一本でやっている。
プラズマ陣営は無理だろうし、シャープは当然無理だ。
あとは可能性があるのはソニーぐらいなものだろうが、昔のようなAV高級路線での存在感がない。
もう入り込む隙なんかない、と考えるのが自然だろう。

     

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2010/07/04

「InstaLoad」

リンク: 米Microsoft、電池の向きのトラブルを解消する「InstaLoad」発表 | パソコン | マイコミジャーナル
なるほど。いい意味でも悪い意味でもMicrosoftらしい発想です。
アイデアは良いのだがその実現性に問題があり、結果トラブルを起こしがちであること。
そのトラブルはランニング(後発の技術)でなんとかしようとすること。
その上で先行性を自社が保持すること。
良くも悪くも特に日本のメーカーではトラブルが想定されるアイデアは潰されます。

なぜこういう技術が電子メーカー等から発想されなかったか。トラブルとは何か。
それは電池の接触性です。
電池を採用している機器をみればわかりますが、これでもかというくらい“バネ構造”で電池を挟み、端子を押し付けようと涙ぐましい努力がされています。
電池と端子というのは“点”での接触となりがちです。
それをできるだけの面積で接触させようとしています。
そうしないと大電流を取り出そうとしたときに電圧の低下を招き誤動作を引き起こします。
場合によっては点での接触どころか電気的に離れてしまいます。
電池を抜き差ししたりグルグル回すと動くようになったりしますが、まさにこれです。
「たまに誤動作をおこしても便利な機器ならかまわないではないか」というのは実にMicrosoft的発想です。

電池の大きさ構造が、規格はあってもけっこうばらついているという実情もあります。
この構造ではプラス端子部分の凸が太いとアウトです。
微妙に太くて時々外周のマイナス部分に時々接触するような状況になったらどうなるでしょうか。
最悪で電池のプラスマイナスの短絡、結果として発火です。
電池が発火するか機器が発火するかは運しだいでしょう。

それはそもそも規格外の電池を使っているほうが悪い、というのも実にMicrosoft的発想です。

あとはこの構造はかなり複雑で耐久性がない、寿命が短い。
電池の接触が悪くなって機器が使えなくなる(寿命が来る)というのは一番間抜けな話です。
だからこそ電池接触部分はシンプルに強固に作ろうとする。
それが現状です。

コロンブスの卵的発想とほめているかたもいらっしゃると思いますが、私にはこれは多くの技術者が新入社員のころに発想して、安全性や品質の教育を受けたころに捨ててしまったアイデアだと思います。
また、申請しようとして上司にダメだしされたケースもあるかもしれません。

ただ、現代では非常に精密な加工が比較的安価で可能になっていること。
さまざまな電子的安全装置を組み込みやすくなっていること。
非常に低電流で動く機器というのも結構存在していること。
逆に電池を頻繁に交換しうる状況もあること。
そういった特定条件化ではアリなのかもしれません。

例えばテレビのリモコンなどでは下手をすれば5年とかもったりしますから、むしろこのような端子形状にするほうがリスクのほうが高いと私は考えます。
コスト的にも無駄です。
しかしWiiのリモコンのように数週間に一回は取り替えるような場合には良いかもしれません。
XBOX360でも単三電池ですから同様に頻繁に交換します。
おそらくは特定の2次電池を使うでしょう。
どれだけ本気で実用的特許と考えているかは、XBOX360のコントローラーにいつ採用されるか、で測れるのかもしれませんね。

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2010/06/26

一方でダメテレビ22K3

もうひとつ見てきたのは22K3というテレビだ。
この大きさでシャープにしては珍しく1920x1080パネルを使用しているという。
なのでちょっとだけ興味を引かれていた。

実際に画像を見てがっかりした。
まあ、パソコンモニターとの比較ならというレベルだ。
なにより視野角の狭さがひどい。
これもパソコンモニターレベル。
どうやらTNパネルらしい。
もしPCがつながっていれば画質を細かくチェックしようとおもっていたがそんなことはどうでもよくなった。

パネルをフルスペックハイビジョンパネル、と称しているが、確かシャープでは画素数だけではなく色々な画質で一定基準を満たすものをフルスペックと呼ぶ、といっていたような気がするが気のせいだろうか。

ひどいのは売り文句で「パーソナル用途」はともかく「寝室」はおかしいだろう。
TNパネルは普通にベッドの位置とテレビの位置の相対関係に制約がある寝室で許容される視野角ではない。
正対してみないと使い物にならないTNパネル使用したテレビで、寝転がって見るのが通常の寝室で使えるという発想は、普通に液晶の常識を知っていればありえない。
この広告を立てた人は机上でものを考えたのだろうか。
おはようおやすみタイマーがあればという発想なのだろうか。

あと、常識といえばパソコンモニターならばいわゆるVESAマウントの壁掛け穴がある。
大型すぎるとVESAは無理なのだがアクオスは専用の壁掛け金具の類を用意しているのが常識だ。
ところがこのテレビにはそういう穴が見当たらない。
つまり台置き専用となっている。
コストダウン?きょうび1万円台のモニターにだってVESAマウントは常識。

さらに悲しいのは4色のカラーバリエーションといいながら、4色なのは19K3(こちらは1920x1080パネルではない)であり、22K3は黒と白の2色だけという悲しさだ。
いまどきでかいテレビでも3色はあるモデルもさほど珍しくないというのにこのやる気の無さはなんだろうか。

これはアクオスの名前を冠していてはダメではないか。
そういうレベルだ。
クアトロンが素晴らしいだけにこのギャップがひどい。
クアトロンはアクオスの名前を大いに向上させるテレビと褒めることができるが、このテレビはアクオスの名を汚していると思う。

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クアトロンのテレビ、XF3シリーズ見てきた

クアトロンではXF3というシリーズが最初にお目見えの様子で展示されていた。
ヨドバシカメラAkiba店です。
まだ発売予定のようだが、値段がついていた。
最低の大きさが46型なのですが、確か27万弱といった値段で10%ポイント還元。
やっぱり高めではあるがそんなに高いという値段でもない。
同系統としてはXJシリーズだろうがそれが馬鹿高かったことを思えば安いともいえる。

エスカレーター付近の展示でのデモ映像は映画(ワーナー)の映画の宣伝用のBDだと思われる。
奥の壁側ではシャープのクアトロン宣伝用に作ったと思われるデモディスクを流していた。

最初に気がついたのが、白の豊かさである。
・・というと恐らくなにをいっているのか分からないと思うので説明していく。

まず特に液晶では白がたいがいのっぺりとしている。
白の系統はなんでもある単一の白になってしまう。
ところがこのテレビでは(液晶では)白の諧調や色合いが豊かである。

例えばビルから出ている光の筋が白なのだがそこにリアリティのある表現がある。
白人のひとの肌の色が綺麗である。
また砂漠や雲の色がなんとも豊かなのがいままでになく凄く印象的である。

ただしこれは黄色画素を追加したからこうなった、というのは直接的な要因でないのだとは思う。
その辺もゆっくりと説明をしていきたいと思う。

まず白を豊かにするには明るくしないといけない。
液晶は今までにどうやっても「暗い」と言われ続けてきた。
明るくするにはどうするかといえば、バックライトを明るくする手がある。
しかしやりすぎると黒が浮いてしまいまさに締まらない絵になる。
ダイナミックコントラストの数字はいくらでもごまかせるが、それは本道ではない。

また、映像処理でもごまかしをしている。
顕著なのがアクオスでいう「ダイナミックモード」であり、諧調の豊かさを犠牲にして大げさに白を表示している。
白が、その液晶が表示できる最大輝度での表示となるので色はある程度二の次になっている。
そのためなんか変な映像に感じる人も多いと思う。
標準でもまだいい加減に思える。
しかし諧調を最優先にすると画面が全体に暗くなってそのよさが分からなくなってしまうというジレンマに陥るのだろう。

明るさについて根本から大きく改善したのがUV2A液晶技術であり、十分な明るさを得るのに成功している。
実際LX1やDX3でもかなりの効果があり、省電力でありながら十分に明るい。
電力のかなりはバックライトである。
電力表示をやっている店があり他機種と比べるとその違いは明確だ。

さらに黄色画素を入れることで明るくできるという。
十分に明るすぎるくらいならば、通常なら色を犠牲にして明るくする必要がなくなる。
つまり色再現性を最優先にして映像をつくることができる。

果たしてその結果が、映像にもともと入っている微妙な白の違いを描けるようになったのではないか、と考えられる。

これはシャープのカタログなどにも書かれていることだが、黄色画素の採用によって青も豊かになった。
簡単に言うと、黄色画素があるので青をより深い青に設定可能になったということらしい。
青を単純に深い青にしてしまうとバランスが崩れてしまう。
赤や緑を同様に深く出来ればよいのだがそうは簡単にはいかない。
色というのはカラーフィルターで作るわけでその色素を作らなければならない。

単に青を強くすると例えば黄色の表現力が弱くなってしまう。
なによりも肌色の表現が弱くなってしまうのが厳しい。
ところがその弱さを黄色画素で担保できれば思い切って青を深く出来る。
その結果はかなり良い。

黄色専用の画素によりひまわりの黄色やサックスの金色の再現性に大きく効果があるのももちろんだろう。
それより青に効果があるのが印象的だ。
青い海だけではなく、空の青さにも当然ながら効果がある。
色が出る出ないではなく諧調の描きわけ、自然さを感じるし、青に美しさを感じる
先にも書いたが白人の肌の色の描写力は素晴らしい。
建物の白壁や地面、白い岩石などもツブレやすいのだがきちんと表現されていることに感心する。
特に液晶の悪口でよくいわれるウソっぽさが非常に少ない。

もちろん色の純度をよくするためにはLEDバックライトも大きな要素である。
CCFLバックライトは要は蛍光灯のようなもので色がついている。
色のついているライトで照らしたらどうしても綺麗な白を表示することは難しい、
また色が安定するというのも重要なことである。
蛍光灯とLED電球の寿命差はよく宣伝されているので分かりやすい。
寿命というのは切れるまでの時間のことだが、こういう用途の場合は色がずれていく速度が遅いというほうが実際には重要なことである。

正直、クアトロンはたいしたことはないだろうとたかをくくっていたが、実際見てみるとなかなかどうして凄いと思う。
液晶テレビの歴史の革命的変革といっても良いと思う。

LEDバックライト、UV2A液晶、そしてクアトロンの積み重ねで見ると、それ以前の液晶から比べるとずいぶんと進化・その違いはかなり感じられる。

なんかベタ褒めになってしまい自分でも気持ち悪いのだが、液晶の画像はダメだと思っているひとにはぜひとも一度見てみてもらいたい映像だ。

なお、同じ時に別の液晶テレビアクオスを見て落胆したのでそのことも次の記事に書いておく。

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2010/06/09

ロード・オブ・ザ・リング BD版発売

発売が決まったようで、調べてみるとトリロジーで13000円?安すぎる?と思ったら、なんとコレクターズエディションという。
ならばスペシャルエクステンディッドは?と調べるとさらに2年後らしい。
なんだと肩透かしをくらった気分だったりする。

コレクターズエディションとは映画そのままの収録。
スペシャルはそれに映像がさらに加わっている作品。

なぜ後者でないといけないかはこの作品の特殊性に大きく関わっている。

この原作はともかく長い。
日本の翻訳された単行本では全部で6巻。
三部上下巻で6巻。
この一部が映画の一作分にあたる。
はじめの企画から3作上映するのが前提で作品が作られるため、これだけでも映画化が困難な作品といわれており、過去に何度か映画化されたものの評判が良くはなかったようだ。
原作が「聖書の次に販売数が多い」と呼ばれる超有名な作品にもかかわらず、である。

映画一本分の尺にいれるには物語・エピソードが多すぎる。
それゆえに脚本時点でカットされた場面が多々ある。
脚本・監督にはどの場面をいれるのか、どの場面を捨てるのか、その見識が非常に問われるというシビアな作品だ。
当然、撮影後に編集されカットされた場面も多々ある。
それでも上映するにあたりかなり長い作品となっているのだ。

スペシャルでは、映画の尺にするにあたり捨てられた部分が復活するといってよい。
別の言い方をすれば作品本来の形がスペシャルともいえる。

当然ながら私はスペシャル版を買っており、その作品を既に何十回と鑑賞している。
それがもう基準になってしまっているのだ。
いくら画質が向上しているとはいえ、肝心の中身が減ってしまっているものをいまさら見ることは無理というものだ。
あと2年も待つというのはなかなかしんどいことだが仕方あるまい。

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2010/06/08

3Dテレビに関して

業界紙やらの論調や業界人の発言を聞いていると結構冷静だったりする。
一般に広がるという期待はさほどしていないようだ。

やはり懸念はメガネが必要だということ、暗いということがネックになるようだ。
しかし、昔から映画を見るために部屋を暗めにしたり、じっくりと見る準備をするような人たちには受け入れられるだろうということ。
確かにプロジェクターで見るよりははるかに敷居が低い。

AV誌でもハイエンドを扱っていて、わりといろんな新しいものに推進の姿勢をもつ、HiViという雑誌でも意外と大人めの論調。
各ライターの、3Dブームに対する見解を書くようなページを割いており、それをみると意外と否定的な意見が多い。(それでも賛成意見が多いが)

それでも次世代は3Dであることには否定的ではない。

なによりも大きいのはハリウッドの姿勢を挙げていた。
なんだかんだいっても映画で最大手はハリウッド。彼らの供給するDVD/BDの数と質は他を圧倒する。
彼らが推進するということはメインストリームとなるのが実情。

放送局や製作側にとっても3Dになることによる制作費の上昇はさほどでもなく(なんでもハイビジョンやデジタル化への移行のほうがよっぽどきつかったそうだ)、3Dで付加価値がぐんとあがるのならば前向きに取り組めるということもあるようだ。

当たり前だが現在の3Dテレビの質が悪いことと、3Dコンテンツとは関係ない。
将来的に明るさの問題が解消されてしまうとか、メガネ方式でなくなるとか、そうなっても、それまでに蓄えられた3Dコンテンツは使えるだろう。
単に2つの“目”での記録がされているだけのものだからだ。

暗い問題はあと何年もすれば解消されるだろう、と期待したい。
もしかしたら発表だけ段階だがシャープの明るいという3Dテレビでも結構いけるのかもしれない。
まあ、こればっかりは見てみないとなんともいえないが。
今のパナソニックのレベルだと部屋に厚めのカーテンを引かないとちょっとというレベルだろう。
それがもしも薄いカーテンを引いてやや暗め程度にすればという程度なら問題はないからだ。
後はメガネを通すことによる色やコントラストの劣化だろう。
これも今後改善されてくるだろう。
前回カキワリ感と書いたのはどうも“クロストーク”という現象のようだ。
画面の表示を切り替えの瞬間に一瞬で一旦真っ黒に消す必要があるらしい。
そうするとプラズマで解消するのは難しいようだ。
液晶ならLEDバックライトコントロールでできるからかなり軽減できるという。
ここにも期待をしたいと思う。
他にもまだまだ改善点はたくさんありそうだ。
今のパナソニックの3Dテレビだけで判断するのはよろしくないと思い直している。

全く別の観点で言えば、メガネの裏に画面がついているようなものがある。
これは全く市場としては小さいが、3Dコンテンツが出回り一般化すれば、それを使うのを前提にこういうのを発売することも可能だろう。

まあ、まだ元年なのだから期待して見ていきたいと思う。

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2010/06/01

アクオス・クアトロン

リンク: シャープ、“4色革命”の「AQUOSクアトロン」を7月発売 -AV Watch.
「クアトロン」ときたか。
旧来のソニーファンならば誰しも苦笑するだろう。
クア=4をトリ=3と置き換えれば、そう、トリニトロン。
トリニトロンテレビといえばAVメーカーのソニーの最盛期を象徴するブラウン管とテレビのことである。
それと比べればベガやブラビアブランドなぞはるかにかすむ。
対抗して三菱がダイアモンドトロンというのもあったが、まあ、それなりだった。

当然、シャープがトリニトロンの名前を意識していないはずが無い。
アクオスとつけたのは遠慮があったのか、それともここで溜飲を下げたかったのか。
自分達のトップブランド、アクオスを冠につけたのはいろんな思いがあるのかもしれない。

ソニーは完全に液晶パネルの開発に乗り遅れた。
少なくとももはや単独の開発は断念している。
色々な理由はいわれるが、一説はブラウン管に絶対の自信を持ち、液晶やプラズマの時代はまだまだ後になるという読みだった。
しかしその読みは見事に外れた。

液晶はシャープがこつこつと改良を加えてようやく21世紀に入ってテレビとして使えるレベルにまでこぎつけた。
そして21世紀のテレビとしてこれからは液晶であると予言・断言した。
これはシャープにとっては賭けもあったかもしれない。
もともとブラウン管は自社で持たなかったから、あっさりとブラウン管を捨てられた面もあるのだろう。

iPadでも書いたが、これも、シャープのメーカーとしての長い積み重ねの成果といえよう。
一朝一夕ではなくて、まだまともに日の目をみれなかったころからの長年の技術の積み重ねが今日の地位につながっている。
これはテレビとしてどうよ?というレベルのころからでも事業としてテレビをつくり世に出してきた。
それが今日、パネルを作り、テレビを作れるメーカーとしての他社に負けない品質を作り上げ、支持されているわけだ。

液晶はもちろん、シャープだけのものではない。
例えばパソコンのディスプレイでは液晶への移行が速かった。
ビジネス=事務用途が多いパソコン用では液晶の弱点とされる色の再現性やムラ、動画性能などはあまり問題視されなかったのだろう。
これもテレビとは無関係ではなく生産装置の発展に大きく寄与しただろう。

しかしソニーはそのパネル開発には参戦できなかった。
これからもきっと無理だろう。
クアトロンという名前がシャープから出てきたのは非常に象徴的な出来事に思える。

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2010/05/19

D-TR1買ってみた(4)

使っていて気がついたのだが、録画したものの再生時に稀に再生時間が飛ぶ。
録画時になにが起きているのだろうとみているとどうもそのときにHDDが止まってしまっているようだ。
動きを見ていると容易に予想はついた。
理由はごく単純で、接続しているHDDはUSBからの電源供給のみとしているためで、電流量が足りていないのだろう。
ためしにACアダプタをつなぐと(このHDDにはACアダプタ端子もついている)まったく不具合は起きなくなった。(2時間の番組を録画して追いかけでみてみたが問題なし)

解説をしておくと、USBから供給できる電流の上限は500mA(0.5A)と規格で決まっている。
もちろんこれ以上供給してもかまわないのだが義務ではない。
USBのHDD、というかHDDユニット自体が500mAで動くほうがむしろ珍しくそれ以上を要求している場合が多い。
まあ、このUSBのHDDは500mA以上使っているのだろう。
そしてD-TR1は500mA以上供給できずに電圧の低下等を起こしてしまうのだろう(そのことはD-TR1に責任は無い)。
結果としてHDDが瞬間的に止まってしまう。
とりあえず動くのは電圧の低下が若干であるか、殆どの場合が500mA以下で時々それを上回ってしまうためその時に電圧が落ちて動作異常に陥ってしまっていると考えられる。

もちろんこのことは取説にも書いてある。

PCやREGZAで使っている分にはUSB端子だけで問題がなかったのは実力的に問題がなかっただけなのだろう。

線が一本増えてしまうのは残念だが、5V/1AのACアダプタはある機器の充電用のを流用ですんでおり、アダプタ自体も十分に小さい、というか平べったい(コンセントでお互いに干渉しない程度)のであまり気にしないでおこう。

さて、最後に大きさをみるというところで真上から撮影した写真を貼っておく。
テレビ台が茶色のため若干見にくいのはご容赦願いたい。
おいてあるのは本機のリモコン。
比較のため置いたポイントカードはクレジットカードサイズなのでこれを基準にすれば分かりやすいと思う。

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