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2023/03/18

消費税「インボイス制度」が分りにくいワケ

消費税にまつわるインボイス制度が世間を混乱させている。

国税庁の説明を見聞きしても訳が分からない。関連記事やサイトや資料を見ても訳が分からない。
もちろん私だけでも無い。世間が混乱しているのが目に見えている。
一般国民は「自分とは関係ない」と思っているのか。一部事業者が苦しんでいるだけにも見せている。
酷い状況だ。

この混乱はどこにあるのだろうか。
今回不幸にも会社でインボイス制度に関わることになってしまったため勉強したが、その過程で理由がいくつか浮かんできた。
そのことを自覚することが理解のために有用だと思うので書いてみたい。

なお、ここでは一から制度自体の説明はしない。
ここでは、説明を見ても分らない、頭に入ってこない理由を説明している記事である。
ここで理由を知って、頭を切替えて改めて説明を見聞きすれば少しは理解の助けになるのではと思っている。

消費税への勘違い

おそらくあなたの、そもそも消費税へのイメージが実態と違っている、理解が間違っているという点がある。
これはあなたのせいではなく、国税庁、政治家、それを鵜呑みにして説明をずっとしてきたマスコミや書籍等の責任が大きい。
もう30年以上前、まだ20世紀の竹下政権の元で消費税の導入時が画策された。世論はもちろん大反対となった。
それに対して「反対派の沈静」「ごまかすため意図的なミスリード」「おかしな制度設計や説明」が繰り返された。要はあえて不正確な説明を繰り返してきたということが背景にあったとみるのが妥当のようだ。
なお、この傾向は今回のインボイス制度導入においても多くのネット上の記事にすらみられ、不適切な説明が氾濫している。

「国民が負担する税」「事業者は国民からの税金を預かっている」そもそもここから間違っている。少なくとも適切では無い。
あくまで消費税を納めるのは事業者(店や製造業者等)である。購入者に納税義務は無い。
納税義務者が納税しなかったり、実態と異なった申告を行えば”脱税”という罪になる。
一方で最終製品の購入者、”国民”に消費税を支払う義務は無い。消費税相当分をコミで価格を提示し、それに応じたお客に商品を売っているだけの問題である。

内税・外税表示方式で揉めた時期もあったが、本来の意味での(国民に説明した趣旨の)消費税であれば「税表記を別」にすべきである。
しかし、本当の税の仕組みの筋、事業者(お店)からすれば「販売価格に応じて自分が払うのだから、実質値上げとして合わせて表示する」のが筋である。
だから揉めたし混乱し、何転もしたのだ、と今なら納得ができる。

そもそも「消費税」という呼称は日本だけである。しかし世界中にあると誤解している人が多い。
あくまで先進諸国は「付加価値税」という名称であり、このほうが日本の消費税もこの言葉があう。
しかしそこを曲げてでも「消費税」という名前でごまかし続けた。そこが大問題である。
なお、国税庁は現在ではちゃっかりと自分のホームページには「消費税(付加価値税)」と表記している。
国税庁としては裁判などで不適切さを指摘されているし、もはや隠す必要も無いと考えているのだろう。

まずは事業における消費税の仕組みをきちんと理解していなければそもそも話にならない。
どんなものでも、改変を理解するには、まずそれ以前の状態(仕組み)をきちんと理解することが基本なのだから。

「インボイス」という言葉の誤用(によるミスリード)

インボイスというのは貿易関係をやっている人にはお馴染みの言葉だろう。
税関を通すときには必須である「明細書」だからだ。
貿易をやらないでも海外関連業務に関わっていれば多少なりともイメージを持っている。

しかしこの「インボイス制度」におけるインボイスは全く別モノであることが、混乱を招いているのではないか。
既にある一般的な用語を流用して、別の書類の名称付けをするのは大きな間違い、罪ですらある。
商品においては「誤認」は消費者庁から指導が来るレベルの問題である。

もちろん国税庁のすでに言い訳は用意していて「正確には適格請求書というのだ」なのでしょう。
こういうやり方に私は大いに憤りを禁じ得ない。
なじみのありそうな言葉を別の意味で使ってごまかそうとする。こういうのははっきりいって詐欺師の常套手段である。
少なくとも正しく理解してもらおうという意図は一切感じられない。国民をなめているとしか言いようが無い。

「適格請求書制度」ではわかりにくい。だから「インボイス制度」と言って馴染みやすくしているのだ、と言い訳するのでしょう。
この感覚こそが国民をなめた、一般世間から乖離した大問題である、と猛省すべきことであり、国民も怒るべきところである。

結局国税庁の言うインボイスなるものは従来の請求書に「適格者登録番号」の記載を必須にしたもの、でしかない。
むしろ今回のキモはこれでしかない。

しかしながら、(後述するが)この「適格者登録番号」が実にいやらしく巧妙で汚い手口である。
もったいをつけて税別記載とかいくつか書いているが、そんなものは当り前すぎて別にどうでも良いレベルの話だ。。
そういうどうでもいい話で「適格者」という考え方、存在を少しでも薄めて目を逸らそうとしていると見れば、あの無意味で長たらしい国税庁等のおかしな資料の作り方も納得がいく。

「廃業」「倒産」問題とは

既に述べたように「益税」という概念は存在し得ない。しかしこのような指摘がときどき見られる。
この問題だけが取り上げられ、中身が論議されないので混乱だけしている。

今回の適格請求書制度のキモは既に述べたように「適格者登録番号」を記載させて「適格者(社)が発行した請求書のみを有効とする」制度であるといえる。
いままでは世間一般で認められる請求書であれば良かったのだが、これからはそうではない、ということである。

有効とは何か。

まず、消費税は事業者が納税すると言ったが、基本的には、例えば商品を売った売上分の納税をする。
しかし事業者としても商品を仕入れという意味で買った時に消費税を支払っている。
これでは二重払いなので仕入れの時に払った分の消費税は税務署から返ってくるのだ。これを還付という。
(正確にはこれは考え方であって、実際には還付分を差し引いて納税を行えば良いことになる。)
当然還付分の金額を証明するための書類(請求書等)が必要となるわけで、それに使えることを”有効”という表現をしている。
確定申告(年末調整)とかで請求書や領収書を添付して申請するが、それが控除として認められるかされないかと同レベルだ。

つまり「適格者からの請求書」であれば「還付」の対象になり、お金が戻ってくる形になる。
一方「適格者発行ではない(番号の無い)請求書」は、対象として認められず、お金が戻ってこない。
取引額の10%なのだからこの差は大きい。

では、なぜこのことが「廃業」「倒産」問題となるのか。

それは「免税業者」という歪んだ制度に係っている。
今回の制度変更は実は本来の姿であるのだが、問題なのはこの歪みを続けた期間があまりにも長すぎた。
消費税導入から既に30年を優に超えている。事業世代で言えば2世代変わっていても不思議では無い。
また、立場の弱い中小企業を”救済”する制度であったことも問題を深刻にしている。

「益税」という利権を享受し続けていたでは無いか、という心ない非難もあるようだ。
しかし殆どの現場において実態はそんなことはないだろう。
長きに亘る相次ぐ値切りや厳しい価格競争の中で「益税」分なんかとっくの昔に消し飛んでいることだろう。
高度成長期ならまだしも、正にデフレが続いた失われた30年の中だったのだから。

本来はやってはいけないのだろうが「あんたのところは納税していないんだから消費税分はいらんよね」とか値切り材料にされていてもなんの不思議も無い(もちろん請求書上は単なる計算上の消費税は書かれて偽装されている)。納税をきちんとやろうしていた事業者ても「不要なんだからやらないでその分安くしてよ」という圧力に屈してもなんら不思議は無い。

常態化して、もう30年以上。それが前提となってしまった現在、今回の制度変更は売上の10%分の事業税増税でしかない。
ここで再度思い出してほしい。消費税とは仮の名。事業者の払う付加価値税。事業にかかる増税であり、経費の一部に過ぎない。
事業をやる方は自分の努力と一切関係ない経費増となる。その価格転嫁を、買う側が認めてくれない。

認めてくれずどうしようもなくなれば「廃業」「倒産」しかない。
これは現在の原材料高騰を転嫁できないよりも厳しい。税金の話であり対策・回避策は無いのだから。

こういう実態を知らない訳が無い。強制的に課税業者にすると非難囂々となる。やっていることはどんな理由をつけようと実質的に小規模事業者への法人税大増税だから。
”賢明な”財務省・国税庁は強制的課税という方法をとらなかった。
やったのは今まで通り非課税事業者でいることは見逃すが、その代わり「適合事業者」としては認めないというやり口だ。
「あくまで事業者自らの選択である」と巧妙に逃げを打ったのだ。

先に書いたように「適合事業者」ではない請求書は消費税の還付の上では”紙くず”である。
よって注文を出す側は「適合事業者のみ」に発注することになる。結果としてその事業者は「干される」のだ。、

進んでも地獄、留まっても地獄。そういうのを選択とは言わない。

実態はこういった話なのにも関わらず、言葉巧みに「こういう制度設計が必要なのだ」という無理な説明をしようとしている。
国税庁の説明も酷いが、解説サイトを見ても似たり寄ったりのものが非常に多い。
いくら「漫画」による説明や「図解」しようとしても理解が出来る訳が無い。
そもそも図や絵でそういったゴマカシを説明できるわけもなく、結局言葉で押し切ろうとするのだから無理な話だ。

結果、頭が拒否する。「言っている意味が分らない」「いやいや、そんなの必要ないだろう。」「その理由はおかしいだろ」と。
真に理解しようとする頭があれば理性が普通に拒絶して当然だったのだ。

最後に

理解云々に関係ない話を最後に書いておく。
一般国民には関係ない、事業者だけの問題、それも一部の、と思っているかもしれない。
それも大きな間違いである。

これによって確実に(同じ消費経済規模なら)消費税収入は増加する話である。
「なら良い話ではないのか」というのはあまりにも脳天気なのか、お国に献身的な人なのか。

その収入分は誰が払うのか。当然、最終的に消費行動を行う全国民である。
要するにこれからさらに続く”値上げ”ラッシュにこれを要因とするものが紛れ込んでくるという話なのである。

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Outlookで添付されているメールファイルが開けない(EML)

ある人からOutlookを使っていてメールに添付されてきたEMLファイルを開けないという相談を受けた。
EMLファイルとは昔のOutlookにおいてメール自体をファイルにしたもの。
一方で最近のOutlookではMSGファイルなのだが、それは開けているようである。

ネットで調べるとまたもや浅はかな回答ばかりで困ってしまった。
「EMLブラウザを使いましょう」とか「Webサービスで・・・」とか怪しげなサイトすら出てくる。
知識として最近のOutlook(Office365でさえ)もEMLファイルは開けると知っていたのでこれらは却下。
仕方なく自分のPC含め調べてみたのでそのことを書いておく。

まず「開けない」という症状の詳細。
「開きますか?」とは出るのだが、「はい」と答えると「別メールアカウントを設定してください」という意味不明な画面が出る。
どうもマイクロソフト社のサイトに飛んでメール登録画面になっている様子。
これはなんなのだろうかと疑問が出るがそれは後に分る。
ためしにそのEMLファイルを「ファイルとして保存」してエクスプローラーからダブルクリックで開こうとするが、同様に「別メールアカウントを設定してください」と出てしまう。

聞いてみるとWebページなどの問い合わせ(要はmailto:タグがついているところ)をクリックすると同じ画面が出るという。
普通はそのメアドが入った新規メール作成画面が出るはずなので、動作がおかしい。
この辺にヒントがありそうだ。

次に私は自分のPC(Outlook)ではEMLを開いたことが無かったので件のメールを転送してもらい、開いてみることにした。
開こうとすると「開きますか?」と聞いてきた後に「どれで開きますか?」と出てくる。まずここが異なる。
選択肢としてはMAIL(Windowsアプリストア推奨ソフトのアレだ)とOutlook、あとは「アプリストアで探す」である。
当然Outlookを選ぶと、EMLファイルは開けて中身を見ることができる。

閉じてもう一度開くと今度は選択肢は出ないですぐに開いた。

ここまでくれば全般的な知識のある方ならピンとくるだろう。

おそらく相談をしてきた人は、初めて開いたときにうっかり「MAIL」を選んでしまったのでは無いかと。
ためしに「MAILで開いてみる」と予想通り「別メールアカウントを設定してください」という画面が出た。
これで確定と言って良いだろう。

では解決策はどうすれば良いか。
忙しい方なので、数分考えたり試してみた後、とりあえず以下のようにしてもらった。

「ファイルとして保存」してそのファイルの上で右クリック、その中で「プログラムから開く」を選ぶとOutlookが選択肢で出てくるのでそれをクリック

やってもらうとOutlookで無事開いて添付されていたメールの内容を確認できた。
EMLファイルなんか今までもめったに来ないし、使っているPCも1年もなく廃棄予定とのことなのでこれでOKとのこと。
私も「今時EMLを出す旧いメーラーなんか使ってる方がおかしい」と考えるため、これで解決と考えた。

やっぱりOutlookがあればEMLブラウザなんか不要で、それで開けるはずなのだ。
もちろんEMLブラウザの存在意義はあって他のメーラー(メールソフト)を使っている人が使うモノである。

なお、試してはいないが、恒久的対策としてはWindowsの拡張子連動である「設定」から「ファイルの種類ごとに規定のアプリを選ぶ」で「規定のアプリ」の設定を変更すれば良いのではと思われる。ただ、Outlookの拡張子連動は独自に設定を持っている挙動もあるのでこれで解決するかは断言できない。
これ以上時間をかけるのも無駄と考えてやってはいない。

 

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異次元の少子化対策以前の問題として残業対策(補足)

一番大事なポイントを書き忘れていた。

残業を無くすと困る、という人がいる。
生活資金が足りないというのは論外として、「なにもやることが無くて暇だ」という人もいる。

残業を無くせ、というのは、そういう暇を持て余す人達を大量に作りだすことが重要なのだ。

暇だとなにかやることを探す。それが普通の多くの人間というモノだ。
趣味をやってみたり、友人と遊んだり。とりあえず外をぶらぶらしてみたりもあり。
どれをとっても「世界が広がる」話であり、異性を含めて人とのつながりが増える話である。

そこから夫婦になる、というのは短絡的思うかもしれないが、実際、同趣味の集まりで夫婦になる例だってある。
たまたま外を散歩していて出会った人と、ついには結婚なんていうのはドラマでもよくある話だ。
「暇だから子どもを作って育ててみるか」などと(もちろんそれが本旨ではないし心の底からは思っている訳では無いとしても)思ったりもするだろう。「きっかけは暇だったから」というのはこのことに限らずいろんな話であるではないか。

会社に引きこもって仕事ばかりしているよりは、はるかに有意義で健康的な人生であることを否定する人はいまい。
そういう「会社引きこもり」の連中を会社から追い出すための方策なのだ。

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2023/03/17

異次元の少子化対策以前の問題として残業対策

少子化対策についてとてもいい記事である。

https://woman-type.jp/wt/feature/29906/

労働問題は生活に直結し、家族のありかたに直結する。至極当然のこと。

例えば「ブラック企業」。定義はともかくこの類の会社で働いていては「幸せな家庭」に程遠いであろう。「結婚」「子どもを持つ」話なんかあるか遠くの話である。いろんな意味で。

もうこの手の話はずっと前からあるのだが、未だに改善されているどころか非正規雇用、エセ派遣会社の横行によって悪化すらしている。
低賃金、長時間労働、なくならない残業。ここに手をつけなければ子育てにいくら補助金なんか出したってほとんど霧散してしまう。

基本は月間残業ゼロ、少なくとも年間残業ゼロ

当り前だが残業はゼロにすべきである。そんな簡単で単純なことさえできないのが日本の企業である。
月の基本労働時間は160時間。これは最低限守るべきものであり、ここから祝日、正月夏季休暇などで本当はもっと少ない。

もちろん繁忙期と閑散期の差が激しい業種もあるだろう。それならば年間残業ゼロ、つまり年間の所定労働時間で換算する。単純には年間1920時間。これでも多いが、まあ、細かい議論をするつもりは無い。

超過割増しを異次元に高くせよ

これを基本とすると言っても実行力は無い。私も強制的にやれと言っている訳では無い。経済的にやらざるを得なくするべきという話だ。
これは法律で決めることができる。
それが時間外労働の法定割増賃金率だ。これを”異次元”に引き上げれば良い。国家予算は全く要らない。

現状は「平日の時間外労働25%、土曜日の労働35% ・1か月60時間を超える時間外労働:50%」だそうだ。
これらを異次元、例えば一気に倍ぐらいにすればかなりのショックとして効果があるだろう。
超過勤務をさせなければ何%だろうが関係ないのだから「経営が厳しくなる」「倒産する」などという泣き言は認めない。
日頃から業務量が多く残業させないと回らない、というのなら社員を雇うのが本筋である。
優秀な代えがたい労働者がいるのならそれだけの対価を払えば良いだけの話で、別に働かせるのを禁止しているわけでもない。

もちろん、創業会社等であればこんなのはそもそも関係ないので存分に働けばよろしい。
高くするのは「いくらでも代えの効く一般労働者」だけの話だから。

賃金不払いは厳罰

もちろんセットで行うのはいわゆる「サービス残業化」防止のための「異次元の」監視強化である。
割増率を上げれば、確実に不払いを画策する輩が増える。
摘発の厳密化ももちろんだし、公表などの社会的制裁、罰金、不払いとされた労働者への過去に遡及した追加割増し含め、厳罰に処する。
これは過失では無く、確実に悪意のもとに行われるのだから厳罰が相当であるのはいうまでもない。

いわゆるサービス残業などと軽く見ていたり「勝手に従業員がやったこと」などとうそぶくケースが後を絶たない。
これは企業として社会的にもっともやってはいけない「賃金の不払い」であることを重く社会的にも知らしめるべきである。

ついでに言えば「密告制度」も拡充すべきである。

職業斡旋業者(サイト・サービス)の問題

職探し関連のサイトを見ていると不自然に思うことがある。企業紹介サイトなどでもそうだ。
「平均賃金」が「残業代平均20時間コミ」とかいう但し書き付きで書かれているのだ。
こんなのが平気で横行している。異常だと思わないのだろうか。
ひどい「さば読み」である。

本文中に書いてあるのならともかく、サマリーに書いてあるのはダメだろう。
きちんと残業なし相当で換算して記述しないとおかしい。
こういうのはきちんと厚生労働省が”指導”すべきことである。
まさかハローワークでやってはいないよね。

残業が多いところは有休すらとれない

残業体質が染みついている会社、職場というのは確実に有休取得率も低い。
柔軟な働き方も認められない。
これは長年会社勤めしていれば身に染みている人も多いだろう。
人数の多い会社に働いていて、各部門の残業時間と有休取得数を公表しているまともな組合があればこの相関は誰でも容易に見える。

少し想像すれば不思議でも何でも無いだろう。
残業が多い部署は業務量が多い(無駄が多いかは別の話)。

多忙だと有休なんか予定していても取れない。
遅く出勤する、早めに帰る、など以前に残業しないで定時で帰ることすら嫌がられる。

これは残業に頼り、きちんと人を充填していないのが根本的な要因であり、経営の問題である。

つまり残業体質から強制的にでも脱しさせなければ、有休取得、柔軟な勤務には程遠い話なのである。
もちろんこれでは育休も程遠い話である。妊娠しようものなら職場が大混乱に陥るなどと誤った罪悪感すら持たせてしまう。
少子化対策どころの話では無いのだ。

 

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2023/03/12

原発”汚染水”放出問題

これはどこに問題があるのか。

私は原発反対派であるが、汚染水放出はさっさと進めるべきだと思っている。
あまりにも政府の態度もおかしいし、マスコミ報道も含めてあまりに非科学的、非論理的で嫌になる。

以前にも同様の記事を書いたが、東日本大震災12年をみて、福島県の復興の妨げとなっている原発問題は改めて重いものと感じる。
少し観点を変えて改めて書いておきたい。

説明を尽くす対象は全国民

福島県住民や特に漁協が反対しているかのような報道もされているが、きちんと報道をみれば、これは誤報か誤誘導であるとわかる。
漁協の人が反対しているのは、この放出によって風評被害が拡散し、せっかく回復しつつあるのに、また魚が売れなくなることへの危惧である。
彼ら自身は一般国民よりもはるかに深く理解していて、とっくにその安全性自体には異議がないとみられる。

つまり問題は政府の姿勢のほうだ。これも報道の問題もあるのかもしれないが、政府の説明がおかしい。
この件について説明尽くすべきは福島県をはじめ地元の人達では無い。福島の魚介類を買うであろう日本の全国民である。

トリチウム水の排出は日本含め全世界の全原発でやっている

ここで問題となっている”汚染水”、トリチウム水の放出は福島原発だけがやっている(これからやろうとしている)ことではない。
日本を含めた全世界の全ての原発で行っていることである。
これは冷却水の排水問題で「温排水」としては話題になったことはあったが、いままで広く知られていなかっただけの話である。
このことを全国民が認識していないのが問題なのである。

この事実について政府はもっと説明を尽くし、もっと認識を拡げるべきである。

同レベル、またはそれ以上のトリチウム水を全世界の各原発で放出しているのは紛れもない事実である。
いわゆる原発反対派たちがプロパガンダで流している怪しげな情報では無い。
原発事業者やその関連団体、政府などの行政・公共機関が自ら科学的事実として公表している話である。

原発というのは原理的にトリチウム水を海洋放出(排出)せざるを得ないのだから、理論的に隠しようが無い。
それは発電方式(発電サイクル)の基本をみればわかる。まず水を熱して水蒸気にしてタービンを回し発電をするが、その後、水蒸気を冷やして水に戻さねばならない。その冷却のために海水を使うが、水蒸気自体が高い放射能を持っているため、その時に海水が放射線を浴びてトリチウム水になってしまう。冷却に使った水は大量に発生するし、トリチウム水の除去はそもそも困難であり、そのままか薄めて放出していると考えられる。

つまりは原発の発電サイクルにおいて、取り込んだ海水を冷却に使った結果として海水が”汚染”されている、ともいえる。
全ての原発において、程度こそあれ、”汚染水”を常に放出していることは避けようが無いのだ。

誤解をされると困るのだが、汚染という意味では、別に原発に限った話では無い。全ての別方式の発電所もそうだし、工場、事業所、いや、一般家庭だって常に”汚染水”を放出しつづけている。汚染している物質は何か、それが問題となるレベル(環境基準値がある)か、どの施設で浄化するのか、どの段階で自然界に放出するのかという程度の差でしか無い。それをいい加減にやれば放射性物質に限らずいわゆる”公害”を引き起こす要因となる。

福島原発の汚染水の場合はそのまま放出してはダメなのでアルプスという名前の浄水器で様々なゴミ(放射性物質)を取り、あとはトリチウム水が残ったところで海洋放出することにしている。
先の述べたようにトリチウム水というレベルなら普通の原発でも冷却水として汚染されており、除去せずに日本の場合は海、つまり海洋放出している。(他国は河川の場合もある)

仮に福島の海産物の安全性を疑うのであれば、全ての原発近くの海産物の安全性を疑うべきである。
例えば日本各地の原発近くの海産物を見てほしい。いわゆる「グルメ」レベルのブランド海産物がたくさんある、嫌がるどころか、むしろそれを喜んで買っているでは無いか。
仮に福島産の海産物を避けるというなら、同様に原発付近の産地の海産物も避けるべきである。
もちろん日本だけでは無く、海外の原発も同様の発電方式なのだから同様の話である。

また、このことからも自国が原発で発電しているのなら、海洋放出に対する安全性の科学的根拠を求めるのは余りに不見識である、といえる。どこの国とは言わないが。

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