井上喜久子17才です「おいおい!」
声優さんの自叙伝、エッセイです。
井上喜久子さんは声優さんの中では有名人の一人でしょう。(大御所とか言われるのは嫌でしょうから)
「おいおい」「はいはい」が既に定着しつつあったころ、たまたま秋葉原の駅前広場でなにかのイベントに出くわして、ちょっと見ていたら生で「井上喜久子17才です」を聴けたのをいまだに鮮烈に覚えています。
私から見ては年齢差からしてリアルに「お姉ちゃん」で、同世代を生きてきた方でもあります。
井上さんがご自分の経歴を語ると私にとってもたくさんの作品を見ていた自分の歴史を振り返るようで、懐かしくもあり、そのころのことを思い出して涙が出そうになるところもありました。
昔の歌謡曲(懐メロ)を聴くと泣けてくる、それと似たような感情なのだと思います。
才能に溢れ、キラキラ輝いていた声優さんの一人と思っていたのですが、実は苦しんでおられたというのが意外でもあります。
一流の仕事となれば苦しいのは当然とも言えてしまいますが、その結果として私たちを楽しい思いにさせてくれていたのですね。
最近は文字を読むのも億劫になっていたのですが、あっという間に読み切ってしまいました。
(比較的文字が大きくて行間が広いというのもありますが)
値段が高めなのは撮り下ろしグラビアが入っているからでしょう。
フリフリのワンピース、女子高生制服、メイド服、宣伝で出ているラウンドガール、選挙ポスター風。
あと幼少時からの写真や身の回り品、特技が華道ですがその作品も写真で入っています。
堀江由衣さん、実の娘さんの井上ほの花さんとの対談が入っています。
ほの花さんとの対談では親子関係がとても良くてほっこりしてしまいます。
(本全体を見ても)一番印象に残ったのはこのくだりです。
「お祭りがあるから塾を休んでいい?」
「ほっちゃん、塾よりもお祭りの方が大切だよ」
”最優先事項”がなにかを気づいていないとなかなか言えないでしょう。
子どもの時のお祭りのキラメキ、トキメキ、それが大切な事はみんな知っている、覚えているはずです。
でも忘れてしまったりしているんです。そのことを。
覚えていても気づいていないんです。塾に行くのが当り前、と言うことでそれを奪ってしまうことを。
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