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2020/05/03

改憲・緊急事態条項

そもそも「これって何?」っていう前提がなくてなんとなく印象でアンケートやらやっても意味が無いだろう。

ぐぐってみても、そもそも自民党案やたたき台すら(自民党側発表の意見が)出てこない。
まずこれが問題。自民党や政府側の努力不足である。そんな状況で「活発な議論を」などといっても空しくしか聞こえない。
検索エンジンの問題だ、というかもしれないが、それでも50件ぐらい上位から見ていっても出てこないのは明らかに広報努力不足だろう。

ともあれ、比較的偏りがなさそうなサイトをいくつか見て理解したのは二つの点があると言うことのようだ。
なお、適用範囲については今回は言及しない。それ以前の問題だからだ。

・政令を法律と同じ力にできる(あえて不正確に言えば「政府だけで法律を作れる」)
・国会任期を延長できる

後者はある程度理解できる。例えば、たまたま今月が衆参同時選挙だったらそりゃあ大変だ。
半年後ぐらいに伸ばしてもいいんじゃね、とか国民の多くが思って、仮に国会議員全員がそう思っても無理だ。

一方、前者は何の意味があるのか全く分からない。
少なくとも今回のコロナウィルス肺炎対策になにができるかといえば、無力だ。
思いつきでどうにかなるものでもないし、良い法律ならすぐに国会だって通っている。
即効性でいえば国会の問題では無く、国会に上げるまでの事務手続きが長すぎるほうが問題だろう。
それは今回の緊急事態宣言に関わる特別措置法でも明らかで、ほとんど変更点がなく、野党全面協力でも一週間近くかかっている。
むしろ野党議員のほうがやきもきしている声すら聞こえてくるぐらいだ。

それよりも、事前に予想をしてちゃんと法律を作っておくことが必要だ。
MERSの反省を踏まえて、年月をかけて法律を作っていたのが、今役立っている。
それは間違いなく民主党政権の功績である。

問題の多い法律じゃないか、という批判ももちろんあるが、それならなぜ長期安倍政権の中で見直し改定をしなかったのか。
東日本大震災に対しても、きちんと反省に基づいた法律を作るべきだったが、なにかやったのだろうか。
その責任がはるかに強く問われるべきである。
(いうまでもないが、震災は民主党政権の時に発生したが、その間は事態収拾時期であって法制化は不可能だ)
自民党政権としてもMERSの前のSARSの反省を踏まえて法制化をなにかしたのか、という責任論もある。
なにもしないほうがはるかに責任が重い。

今回のこの事態においても収束したら、直ちにプロセスを検証・論議をして制度作り、法律作りをする、それが極めて重要である。

そして今回の政府の動きを見ても無策・愚策だらけだし、有識者会議や地方自治体に責任すら投げているように見えてしまう体たらくである。
そのような現状の中で、憲法でだけ「政令に力を持たせる」としても百害あって一利なしとしか見えてこない。
緊急事態措置法でできるはずの「マスクや防護服などの医療器具の統制流通」のやる気すら見えてこない。

「なるほど、緊急事態条項が仮にあれば、現状改善にとても有効なのだな」と今回の事態収拾で、遅くとも反省に基づいた法制化の議論の中でみせていただきたい。
それをしないで改憲議論などできるはずもない。
(若干有効程度では改憲という多大な労力を割くには値しないのは当然だから)

言うまでも無いことだろうが、むしろ足りない文言があるからなおさら論議以前の門前払いである。
緊急事態の中では何が問題になるのかと言えば私権の制限である。
憲法下では「公共の福祉に反さない限り」という文言に相当する部分である。
このことに触れないで何の改憲の意味があるのだろうか。

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