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2018/08/14

ポメラDM200を買ってみた

キングジム社の愛称「ポメラ」。
文書書きツールとしてノートPCよりも手軽に前機種のDM100は大分使っていたが、ややへたりも見えてきたので新しい機種を買ってみた。

購入後4ヶ月ほど経過したが、ほとんど毎日使用している。
書き物はもちろんだが、プログラミングやサーバー管理にも使えることも大きい。
後者は「推奨外の使い方」なので、また別に書くことにして、
今回はポメラの普通の使い方の観点で評価していきます。

一通りのスペックやらは下のECサイトやメーカーリンクを見ていただければと思う。。

よいところ

アウトライン機能がついた

私にとってはこれがあるだけで他のすべての欠点に目をつぶっても良いほどのものです。
見出し行の頭にピリオド文字をいれ、その数で見出しの深さを表す、という伝統的手法。
また、アウトラインモード(?)にすると本文中の見出し文字が太字になる。
細かい点だがとても良いもので、液晶の解像度があがったことがこういう点で地味に効いています。

見出し表示領域(目次のように表示されている)にはAlt+TabまたはCtrl+Tabでカーソル移動する。
ここで見出し上のカーソル移動すると本文表示も移動する。
アウトラインを使わなくともこういう栞(しおり)的機能としても使える。
また、見出し単位でのカットアンドペーストもできる。
これらの動作はとても便利で、そこそこ長文を書く人にとってはとても便利な機能なのです。

私がDM200を買う決断をした要因の中で最も大きなものです。

文字コードと改行コード

文字コードって何?という方もいるかも知れません。
これが合っていないと“文字化けする”困った問題とだけ言っておきます。
文字コードがShift-JISに加えてUTF-8を扱えるようになりました。これは大きい。

WindowsでもUTF-8が当り前になりつつあり、「メモ帳」でもUTF-8を扱える時代です。
特にWeb系のプログラムを扱う人はこの文字コードが常識なのでPC側で変換するという一手間が要らなくなることはとても楽なことでしょう。
また、改行コードもCR+LFだけではなくなりました。CRのみ(いわゆるMacintosh形式)、LFのみ(いわゆるUnix形式)にも対応しています。

これもPC側で変換しないといけないものなので便利です。
この二つの対応でプログラムやドキュメントを無造作にPCからSDカードにコピーしてそのまま開くことができるし、もちろん編集して書き戻しても良くなりました。

日本語変換が賢くなった

文章を書く人にはこれが一番目、少なくとも二番目にくるメリットでしょう。
文字コードを二番目に上げたのは単に私がプログラム系の人間だからに過ぎません。

いわゆる推測による適切な漢字選びが格段によくなっています。
DM100では長い文章を一度に入れても大差なく、むしろ文節区切り(不適切に文節を区切られてしまうことへの調整)の手間を考えると、細かく文節に区切って入力していった方がよいぐらいでした。
一方DM200ではなるべく長く入力した方が適切な文章になりやすいと思います。
この差はかなり大きいでしょう。

キーボードの改良

後継機種となるとなにを勘違いしているのか、メーカーはキーボードの配列を変えたがります。
(メーカーは改善というのだが、改善よりも改悪が多いのが不思議だ)
しかし、その誘惑に負けず一切配置を換えなかったというのは大いに誉めるに値します。

配置は変えない一方で、打感は明らかに改善されていると感じます。
打感というのは個人の好みがですが、私は良くなったと誉めたいと思います。
特に良くなった点としては、DM100では押し込み時にその角度によって微妙にひっかかりがあることがあったが、DM200では皆無となっています。
こういう細かいところは取り上げられないのですが、この点でも大いに誉めたいと思います。
これだけで私にはおおげさにいえば一万円ぐらいの価値があります。

黒画面反転ができるようになった

前からなんで黒画面に白文字ができないんだろうと不思議に思っていました。
当然ながら技術的には難しいことでは全くありません。
古来からのパソコンのエディターは黒に白文字でした。

白背景は紙のメタファーらしいのですが、そもそもペンの方を白よりも黒にした方が良いため、紙の方を白くしたという歴史的経緯だけではないのでしょうか。
紙は反射光の白であり、機器の白は自発光であるから全く性質が異なり、目への負担が全く異なる。
「画面からの発光が目にダメージを与える」とかその関連でブルーライト云々を言うのなら、そもそも発光を最小限にする、つまり黒背景が合理的のはずです。

DM200ではやっとこの機能がついてうれしいのですが、問題があります。
それは黒画面だと液晶画面がテカテカ(グレア液晶)のせいで、画面への映り込みが気になってしまうのです。
これはあまり好きではないのですが、保護シートを貼るしかないかもしれません。

フォントがきれいに見える

たぶん液晶の解像度があがったのでしょう。
フォントがなめらかで文字が小さくても普通に読めます。
もちろん編集する文字の大きさは変えられます。

一番下の情報行(?)も小さく狭くなって、DM100では題名も含めて2行だったのが、1行に収まっています。これですっきりしました。
ただ、この文字が小さくなったので見えづらい人が増えてしまったのではという懸念があります。
比較的年配の方(ワープロ世代)に愛用者も多いとのことだから、ここも設定を変えられるように配慮していもらえるともっと良かったと思います。

わるいところ

起動が遅い

電源ランプなどがないこともあり、電源ボタンを入れてからや、ふたを開けてからの電源の入りの遅さは気になります(気に入らない)。
それでもノートPCと比較すれば問題ないし、スマホだって瞬間に使えるわけでもないですから。
ほかのことにもいえるのですが「高機能になったから遅くなった」という言い訳は聞きたくないのです。
レスポンスは重要。機能を上げて遅くなるのなら、機能を上げるべきではない、とすら私はいいたい。
もちろんごまかしのために画面だけ消して常時起動しているような設計も受け入れがたい。

画面の映り込みがひどい

DM100がノングレア液晶なら、DM200はグレア液晶(つまりテカテカ画面)
特に背景黒画面表示ができるようになった(これはよいところ)ために余計に目立つ。
一般に画面のノングレア処理による欠点は、色鮮やかさが損なわれるという点らしいのです。
そもそも白黒画面であるDM200においてグレアにする理由はないはずです。

まあ、この機器はそもそもがニッチ向けであり、コストの問題(調達面)の問題だとは理解するが欠点であると言わざるを得ない。

“クイックボタン”がなくなった

画面上に物理ボタンが並んでいることに賛否両論はあるだろう。
キーボードを広くとる一方で、画面はほぼ4:3なので画面に非常に余白ができたので物理ボタンをつけたのだと思うが、私はこういうのは好きなのです。
これがなくなり、すっきりしたという意見もあろうが、私にとってはさびしくなったと感じるし、利便性が落ちているのは確かなのですから。

特に国語辞書や英和辞書はよく使っていました。
開いて調べるまでの時間が起動の速さも相まってiPodTouchよりも利用が多かったぐらいなのですから。
(辞書サイトはともかく重くてイライラするということもあります)
起動が遅くなったことと、メニューの深いところに入ったせいで、これからの使用頻度は激減しています。
もしかしたらDM100もお蔵入りせずにこのために置いていたこともありますが、結局面倒になってiPodTouchで検索となっています。
まあ、コスト面でカットされたのだろうとは思いますが。

どっちか微妙なところ

ポメラSyncとアップロードは使い物にならない

これはGoogle/Gmail側の問題もあります。
結論から言えば両者ともGoogleからはじかれて使えなかったのが現実でした。

設定をしてGoogleへのアクセスするが失敗。
Googleアカウント画面などを確認すると「不正アクセスがあった」というような情報は出る。
「このデバイスにこころあたりがありますか」ときかれて「あります」と答えたのだから使えるように認証する(もしくはいろいろ誘導する)のが当たり前だと思うのですが、「なるほど参考になります。でも使えないようにしました」という。なんとも勝手な言い分であり、そういう姿勢において私は怒りしか感じない。

なんかやり方はあるようなのですが、苦労して、もしできるようになってもレビューを見る限り使い勝手が悪すぎて使い物にならないと判断し放りだしました。

Google社としての趣旨としては“認証されたデバイス”以外の接続は原則徹底排除するということのようなのです(よくわかりませんが)。
そうするとKingJim社として“認証”も得ずにGoogleサービスを利用しようとするポリシー自体が問題である、といえなくもない、ともいえます。
いったい、どちらが“悪い”のか。
今のGoogle社は決して寛容でオープンではない。むしろ一方的で排他的。

このようなケース、この機種だけの問題ではないのがやっかいです。
Google社のサービスは頻繁に変更されます。
これは常に変わっていこうという姿勢であり良い点でもあるが、反面利用していたユーザーを置き去りにしてしまう結果になることも少なくない。
同様にFacebookやTwitterサービスに依存するシステムも散見されており実に危険です。
彼らは単なる一企業であり、特定の会社(サービス)に依存することはメーカーの責任、商品寿命として行うべきではないのではと考える(もちろんその会社に金を出したり、一定の契約などでコミットした上でやるのならかまいませんが)。

そうはいっても氾濫しているのが実情なので、機器を買う方の心構えとして、せいぜい数年使えれば良いものだという認識で考える必要があります。

ただ、一つだけ救いがあったのは、アップロードの方で汎用メールサーバーという選択肢があったことです。
なんらかのPCメールでSMTPサーバー接続でアップロードできるようなメールアカウントを持っていればそれでアップロードできるかもしれないという希望です。
とりあえず私は@Niftyのアカウントで接続したところ“アップロード”できましたので。

なお、アップロードとは電子メールで本文で送信することで使い勝手はよくありません。
他のレビューを見ると「本文ではなく添付にならんのか」という声もあるようですが、添付ファイルがあるだけで迷惑メール扱いではじく場合もあるから、そういうシステムにするのも良い解決策であるとも言いがたい。

結局、SDメモリによるPCとのやりとりか、一方通行ならiPodTouchにQRコードで読み込ませクラウド経由でPCへ送るか、が安定したやり方になりかねません。これではDM100と全く一緒で残念です。
(もちろんUSBケーブルによる接続も従来通りあるが、私はあまり好まない)
決して安くはない無線LANユニットを搭載してこのていたらくか、と評価せざるを得ないのです。

散々な言い方をしてしまいましたが、私にとってはこの見方をひっくり返さねばならない話がありました。
それはこのDM200でLinux(Debian)を動作させてしまった人がいることなのです。
いわゆる「実験」レベルであるので万人にお勧めできることではないのですが、これによって私にとってはDM200の活用幅が倍以上になったのは確実な話です。これが冒頭で書いたことです。
Linuxが動くのならば、その上で動作する既存のツール群、スクリプト作成、様々な言語によるプログラミングなどで自力で環境整備すれば良いだけです。
その場合は無線LANが動くことは大きなメリット、いや、ネット接続してコマンドラインからアップデートやソフト入手が当たり前の世界では必須項目と言って良いわけです。

とりあえず、DM200側から見えるSDカード領域に対して、Linux側からも取り扱えるように整備されている(マウントできる)ので、PCとのファイルのやりとりもLinux側でやれば良いだけのことです。やりとりの方法は様々なやり方が考えられます。

電池がリチウムイオン(内蔵)に

ここは賛否両論ですが、私は単三電池に固執しているほうです。
いまもまだ単三のエネループがたくさんあります。

一方で携帯電話の充電対応などを含め、USB充電器を持ち歩くのも常態化しているのでUSB端子からの充電対応であれば実質的に充電機器が増えるわけでもないというのも事実。
実際、USBケーブルは「かまぼこ型」のやつなので私の携帯電話と共通に使えるのです。

無線LANは搭載や液晶の高精細化、全体の動作時レスポンス向上(ATOKが賢くなったという点も含め)によってどうしても消費電力が上がってしまった、ということなのだと思われます。
また、機器組込用OSではなくて、より開発コストを抑えられ“高機能”なOSの導入(実際にDM200はLinux上のアプリとして動作しているようです)という判断が背景にあったのかもしれません。これは無線LANを搭載するなら現実解として仕方の無いことといえます。

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