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2017/10/01

安倍総理「新党ブームで経済が停滞した」は因果関係が逆

リンク: 新党ブームで経済が停滞したという安倍さんの嘘.

全く同意、といういうか、この主旨で記事を書こうとしていたレベルなので、リンクを掲載します。

安倍氏が問題なのは、この件に限らず、因果関係を真逆に誤って認識している(もしくはそれはわざとやってウソをついているか?)ということなのです。

この話題についてもう少し補足すると、いわゆるバブル崩壊のきっかけは「プラザ合意」であると考えられます。
そもそもバブルというのは、今から見れば異常な円安(戦後は360円から始まり200円台も長かった)を背景とし、戦後復興の結果の1つとして、自動車や半導体メモリの輸出産業の好景気を背景としたものと考えられます。
好景気なんて結構いい加減なもので、金融を世界水準で緩和傾向に設定し、円安にすれば、輸出産業が活況します。(海外からの買いも増えるので)株価が上昇し、金融が回り出すと、土地の値段等が上がるのです。
逆に海外から見れば損なので近年は「円安誘導するんじゃない」と怒られるのです。

アベノミクスは、もう何十年ぶりかに大幅な金融緩和を行ったために起きた好景気に過ぎないのです。久しぶりだから効果てきめんだったというだけの話です。
(否定しているのではありません。最近は今ひとつなので「もっとやれ」って話です。)

プラザ合意について補足すると、要するに主要各国でお互いに為替レートを“適正”にしようって話で、日本の立場で言えば円高にするということです。(言うまでも無く自民党政権による判断です)
具体的には各国は金融緩和し、日本は金融引き締めをするということです。
当然“輸出大国”であった日本にとっては円高はすなわち円高不況になります。
これがバブル崩壊、失われたウン十年という実態となりました。
これを容認し、放置し続けた自民党政治の責任は重大です。
引き締め後、しばらくは「経営努力」や蓄えなどで頑張るものの、徐々に衰退していき、90年前後の「バブル崩壊」に至っただけのことです。

好景気が崩壊すれば、国民は直接的に影響を受け、当然ながら自民党政治に批判が起きます。
そのころは酷い内閣支持率が常態化し(オリンピックでよく顔を出す森氏など、一桁になっても総理を続けていたぐらい)、政権が混乱していたのです。
いくら総理大臣をすげ替えても、金融政策は変わりませんからそういう状態が続きます。
バカのひとつ覚えでいくら財政出動しても溶けて消えてしまいます。
そうなれば、新機軸を求め始め、“受け皿”として新党が乱立するのは当然の理なのです。

“弱小”新党の乱立やそれらにより連立政権ではダメだ、という結論から“二大政党制度”を作るべきだという空気になり、小選挙区になり、民主政権に至ります。

民主政党が問題だったのはそれに輪をかけて金融引き締めを行ってしまったことです。
これは「今の世の中が悪いのは政治・行政構造だ」としてしまったことで、金融緩和に目が行かなかったことだったのでしょう。(実際にマスコミも(私もですが)注意が行きませんでしたから同罪といえます)

更に悪いことに、他国では“金融緩和ブーム”が起き、効果が出はじめていました(今各国が出口戦略と言っているのはこれを受けての話です)。
結果として(瞬間的とはいえ)70円台などと輸出関連をやっている人なら悪夢でしかない数字にすらなってしまったのです。
この水域に行くと、輸出に関係する企業はどんな経営努力をしても黒字にするなど不可能です。

更に更に悪いことに、韓国が経済危機(金融スワップとか言い出したのはこの頃です)で異常なウォン安になり、中国も経済を加速させようと必死に操作していましたから、競争相手は強くなり、一方で日本は金融引締め=円高政策に痛めつけられ続けていたのです。
よく「民主政権は…」という批判がありますが、なんのことはない、経済金融政策について真逆で間違っただけです。その最たるものが民主党3番目の総理でこの時が絶望状態であったというのが私の実感です。
輸出産業を破壊したのならまだしも、その上「消費増税」で内需を凍結、つまり輸入産業や内需産業も崩壊させたのですから政策としては最低です。

どんなに国内で頑張ってきた工場も、為替レート問題で会社の経営破綻レベルまで行けば海外に移転せざるを得ません。
海外移転すれば当然国内労働需要は落ちます。工場作業員はもとより周辺の会社員の業務量も激減するのです。
長い自民党政権でどんどん体力が奪われ、リーマンショックで大打撃を受け、希望を託した民主党政治でさらに悪化し続けたのですから、国民感情が爆発するのは当然の理です。

異常な円高によって死に体同然だった各社が、やっと安倍政権が「金融緩和」を断行したおかげで“息を吹き返した”レベルではないのでしょうか。
やっと体力が回復し、正常な意識が戻りつつある状態ではないでしょうか。

ただし安倍政権が問題なのはそれ以外の政策は殆ど皆無であると言うことです。(皆無というと反論があるかもしれませんので「普通の改善」レベルと言っても良いです。)
金融緩和だけで思いのほか効果があったので安心したのでしょうか。
本来なら息を吹き返したところで様々な“成長戦略”を打って回復を加速させ、体力を強化していかねばならないのに、それをサボり続けたとしか私には見えません。

まあ、それを「道半ば」と認めるのか、「いい加減にしろ」と怒るのか、それは個々の感覚だと思いますので、そのあたりで審判すれば良いのではと思います。

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