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2017/02/19

ふるさと納税は何が問題なのか

リンク: ふるさと納税の返礼品過熱に高市氏「問題意識」|ニフティニュース.

歪んだ制度であり即刻廃止すべき、という論もあるが私も全く賛成である。

この制度の根本的な問題は「寄附」と「納税」という制度が場所によって都合の良い使い方をされていることである。

お金を出す一般人と、納税されるべき自治体にとっては「納税」とみなし、別の自治体に移動すると「寄附」に化けるというおかしな構図なのである。

なぜこんな“二枚舌”制度であるかと言えば、どちらかで話をすると現行法(制度)との整合性がとれなくなるからであろう。

寄附であるならば

寄附であると言うのなら、ほぼ全額が所在地の住民税などから還付されるということはあり得ない。特例としてもこの制度は余りにも異常である。

普通に考えれば、所得からその額を引いてみなし所得を出し、確定申告などで払いすぎを還付が精一杯である。(日本では寄附の定義が厳しく、それすら認められないことが多い)
例えば所得税10%であれば5万円寄附しても還付されるのは5千円程度であろう。

他自治体という公的なものへの寄附であるとは言え、他の寄附行為との差があまりにも大きく不公平極まりない。

なお、寄附という行為であるのならば、その自治体がどのような返礼を行おうがある程度は勝手である。
ただし、寄付金額とほぼ同じ価値の商品が返礼として出される場合、「売買」と見なされる(それが主体)レベルであれば、そもそもその寄附行為自体を控除(還付)対象とすべきでは無いと判断するのが常識的である。
これは通常の寄附行為との判断の兼ね合いである。

納税であるならば

納税であるというのならば、その額とほぼ同額の“返礼”という名の物品供与を行う事自体が異常である。
当り前だが、通常の納税でそれと同じ相当の品が個々人に戻ってくるだろうか。
そんなことをすればまっとうに自治体サービスなど出来るわけが無い。

使途指定が出来るというのも、一見良いようだが、納税とすれば不適切である。
これも純粋な寄附であれば構わないが、「何々に使ってくれ」と一般住民が納税に対して指定できるだろうか。当然不可である。
これの要望などは選挙などで議員や首長を選ぶときや、通常時に議員に対して働きかけるべきことである。
つまりこのような不公正な制度を作っているのは、地方自治行政の仕組み自体を壊している行為であると言える。

まともな形にすべき

ごく単純なことで、「寄附」なのか「納税」なのかハッキリすれば良い。
言葉通り「ふるさと」に「納税」したいという意思を否定するものでは無いし、そのような制度は構わないと思う。「こころのふるさと」があっても否定したくはない。

納税であるのならば、通常の納税扱いと同じにすべきである。
納税は国民の義務であり、返礼を伴うものでは無い。
せいぜいが「納税証明書」、度重なる高額納税に対しては「感謝状」が自治体として精一杯の形では無いのか。

一方で寄附一般に対する制度の見直しを進めるのも一つの考えである。
今回の問題は高額すぎる返礼品である。
どこまでを「返礼」しても寄附行為とみなすのか、という観点でガイドラインを作ることとなる。
当り前だが、一般団体(NGO等)に対する寄附行為にもそれを適用するものになる。
どこまでが「売買」でどこからが「返礼」なのか、という観点になる。
例えば緑地保護団体が、森林運営もやっていて収穫物を「返礼」した場合どうなるのか、どこまでがその団体の支援でそこまでが返礼を含めた「売買」かはややこしい。

なお税金控除額の対象(限度)額ややり方も一般の寄附と同等にするのが当然である。

今回を機に世界でも厳しいとされる寄附制度の緩和(振興)とするのも良いだろう。
寄付先は自治体だからある程度は緩めでも、“審査免除”でも良いかもしれないが、せいぜいその程度の差が許容範囲となろう。

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