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2017/02/04

高齢者事故の報道が無意味に多いのではないか。

最近、高齢者の交通事故報道がやたらと目に付く。
しかも毎回傾向が似ているので参考にならない。

そもそも交通事故報道というのはどういう意味があるのだろうか。
「あ~あ」と感じることではないだろう。
それは自分が類型の事故を起こさないように参考にして注意することではないだろうか。

もっと問題なのは、特にこの傾向になってからの報道の多くは事故原因の報道が無いと言うことである。
「こういうことがありました」「事故原因については調査中です」というパターンだ。

私にしてみれば「おいおい」である。
交通事故報道なんか緊急性は皆無なのだから、きちんと顛末もある程度判明したものについて報道すべきではないのか。
(一年前のバス事故のような社会的重大性の高いものは別である。追って原因も報道するだろうからまずは一報は重要だろう)

ところでなぜ高齢者の事故報道が多いのだろうか。
コメンテーター曰く「高齢者の比率が増えたから事故が増えた」というのを良く聞く。
確か全体は年々減っている。高齢者だけ増えるということはあるのだろうか。
それなら公式統計を調べれば良い。

政府統計窓口http://www.e-stat.go.jp/から「交通事故」で検索すれば良い。
Photo

このデータが良さそうだ。
中を調べれば全年齢層つまり高齢者層を含めて減っていることがわかる。
では比率として増えているのか。それも減っている。
高齢者への啓蒙という意味ではその意義を見いだせない。

比率というのは難しいのだが、免許保持者の10万人あたりで、違反行為をしての事故傾向をグラフにしてみるとこうなる(資料中ではグラフはない)

Photo_2

高齢化すると確かにじりじりと「信号無視」が増えており認知低下が懸念されるが、他の事故分類はさほど目立った差違は出てこない。

むしろすべての分類に対して、若年層の多さが非常に目が付く。。
仮に交通事故への啓蒙、対策をするのなら、やはりここではないのか。

未成年ならともかく、20~25、30歳以下でも結構多いのは不思議でもある。
これをみると高齢者の言う「自分達の運転技術(予見能力)は高い」というのはあながち間違いではないのかも知れない。
信号無視というのは、認知もあるが、青から赤の変わり目で「大丈夫だろう」が悪化したものが考えられる。(右折待ちで観察していると既に赤で停車できる距離なのに通過する、元気そうな高齢運転者をよく見かける)

自動運転は対策にはならないのに

ところで不可思議なのはこの手の話題で、テレビで特集が組まれると「高齢者事故防止」-[自動ブレーキ]-[自動運転]のコンボで話が展開することである。

酷いものでは停車状態からの逆走発進の話題なのに、それには有効に作用しない自動ブレーキの話になることもある。
歩道に突っ込んだとか、ガードレールに突っ込んだとか、それにも自動ブレーキが対策となるレベルはかなり高いところにある。

かなり高度になるまでは、誤動作を懸念して自動ブレーキよりも人が踏むアクセルが優先されるからである。
論理的に歩道、つまり白線や僅かな段差を検出してブレーキをかけるという判断は非常に難しいことである。
もしくは“人間を検出”してそこには突っ込まないという実に高度な判断が必要である。

論理的に難しく、技術的に実現がまだまだであることにたいして、それがあたかも解決策になるような(錯覚させるような)報道をすることは問題ですらあるのではないのか。

「免許」の本来の姿に戻すだけで良いのではないのか

若者の事故が多いのも免許制度の問題は無いのか。
交通量が非常に少ない地方(ド田舎)で“合宿免許”と称して免許を取らしておいて、都会の自動車の密集したところで運転すれば、そりゃあ事故を起こす確率は高くなる。
“住民票”から半径50km以内等の制限をすべきではないのだろうか。

以前にも書いたが、運転技能や運転に必要な判断能力・認知能力に不足が生じたならば、運転免許更新は不可、というごく単純な理屈ではないのか。
運転というのは、認知・判断・操作(技能)を常に繰り返す所作である。
それのどれが欠けても運転に支障をきたす。
だからそれをきちんと判断する免許更新にすれば良いだけでは無いのか。
それが欠けたのは結果的には年齢のせいかもしれない。それだけのことである。

自動車側でカバーできるのならそれもありだろう。
障碍者の中には一般車両は運転できなくとも、特殊な補助機構をもった自動車で運転する人もいる。
将来、自動(補助)運転車があればそれを認めるという判断もありであろう。
しかし実際はまだなのだからそれを議論に持ってくるのはおかしい。

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