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2017/01/29

トランプ大統領発言「自動車貿易の不公平」は何が問題なのか

トランプ発言で右往左往しているのだが馬鹿馬鹿しい。
きちんと発言を精査して考察すべきではないのか。
トランプ氏の発言を、テレビ朝日「TVタックル」で使われたビデオの訳を引用する。

もし日本にアメリカ車を輸出したときに日本国内で売れないようにされ、一方で膨大な台数の日本車をアメリカに売りに来たらそれは不公平だ。
もしそうであれば不公平であるのは間違いない。

この発言自体は間違っていない。その仮定した事実があれば確かに不公平である。

ただし、その「もし」という仮定が正しいのかというのが次の問題である。
違うのであれば、そもそもの発言自体が無意味である(不適切である)。

なぜかマスコミはそこを追求しないし、検証しない。
マスコミが言うように関税だけ見れば無税である。
しかし関税だけをいうのは間違っており、過去には「非関税障壁」という言葉を持ちだしてバッシングされた歴史がある。
つまり非関税障壁として考えられる諸制度まで検証し考察すべきではないのか。

政府は「日本車と米国車では差違はない」といっている。
私はその点は否定しない。あるのなら米国が具体的に提示すべきであろう。

一つ懸念があるのは、以前から言われている「日本自動車市場のガラパゴス化」である。
ここ10年くらいでどんどん市場の歪みが進んでいると言われている。
現在では、市場全体をほぼ“軽自動車”と“ハイブリッドカー”で二分しており、その他は非常に小さくなっている。

一方、世界市場を見れば“軽自動車”なんてカテゴリーはないし、世界規模ではハイブリッドカーは主流ではない。
欧州ではエコディーゼルが主流であるし、米国は一気に電気自動車に移行しようとしている。
つまり、世界市場を相手に企画している企業にとっては日本市場自体が“特異”なのである。

このように日本市場を特異化させているのが、自動車にかかる税制の問題である、という事実が成立していないのか。
税制とは、日本の政府・政策・制度に責任があるということである。
これが“非関税障壁”である。

軽自動車の税金が安いのはいうまでもないし、ハイブリッドも長らくエコカー減税により恩恵を与え続けてきた。
彼らがこれらの“事実”を“非関税障壁”として突きつけてくる危惧はないのか。
「馬鹿馬鹿しい」と一蹴する多くのマスコミには危惧を持ってしまう。

先に軽自動車税を値上げしたが、まだ差があることには違いがない。
これは米国の圧力であるとも言われており、少なくとも米国はこの問題を承知している。
しかしなぜか日本ではきちんとした論議が起きない。

これは対外国の問題だけでは無い。
ハイブリッドは一見先進で良いように見えるが、その一方で複雑な機構を要求しており、充電システムがなくても燃費が良くコストパフォーマンスの良い車の発展を阻害していなかったのか。
これへの開発リソース注入が自動運転を遅らせていなかったのか。

基本的にチープになるしかない軽自動車や、走りに不満が起きるハイブリッド車(特にプリウス)の二択のような市場となり、「乗って楽しい車」「持って嬉しい車」の選択肢をどんどん減らしていったのではないか。
「若者のクルマ離れ」というのはこれが原因ではないのか。

経済面だけで言えば、間違いなくクルマなんか買わずにいた方が良い。
乗って(自分で運転して)楽しい、所有欲を満たしてくれる、から、クルマを買うのではないのか。

他にも、重いクルマに重税のかかる重量税も、比較的重い米国車には“不公平”に見えるだろう。
標的になるのは、軽自動車と普通車間の格差撤廃はもとより、様々な自動車税(日本は他の先進国に類を見ない重税国であるといわれる)の軽減を求めてくるかも知れない。

私はトランプ氏を歓迎するつもりはないのだが、こう考えてみるともしかしたら日本人の負担も軽減する話が持ち上がってくるかも知れない。

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