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2017/01/21

働き方改革?残業問題は解決できるのか

働き方改革とかいうのが今年の重点政策らしい。
金融緩和や利下げは限界に来ているため、他に活路を見いだそうと言うことだろう。

限界というのは別に腐している訳ではなく、これ以上は円安という観点で日本の国民生活自体がヤバいことになるからだ。
円安というのは輸入品の値段が上がると言うことである。
昔も工業製品の原材料は海外依存であったが、食料品や衣料品はある程度国内で周り、製造業でも製品を輸入するよりは原材料の方が遙かに効率が良く影響が少ないからである。

いうまでもなく様々な工場は海外に移転し、様々な製品が海外工場に依存する、つまり輸入依存になってしまっているからである。

なぜ残業が必要なのか

残業が発生する原因はいくつもあります。
今回は絶対的な業務量が多く、誰がどう効率的にやっても捌けない業務量が会社内にあると仮定します。

論理的・科学的に業務量を見積もって一月に2000時間の作業量があるとします。
一月20日として、10人の部署で行うとすれば、一人辺りで一日10時間になります。
一日の労働時間を8時間とすれば2時間の残業が必要となります。

「最も暇な月」でこれで、月によってはもっと多くなると仮定します。
さて、ここで会社には二つの選択肢があります。

一つは今ある人員で、残業でやって貰う。
一つは人員を増やす。

多くの会社では前者を選びます。これが慢性残業といわれる状態です。
これは習慣とかではなく、法制度的、金銭的な理由です。
その点を突き詰めていきます。

再度言いますが、残業問題は根が深いです。
他にも様々な複雑な問題が絡んでいます。
それでも「とりあえず高くしてみる」べきです。

また、この論議で「グローバルな」「欧米並みの」という言葉がなぜか出てこないことに疑いを持つべきでしょう。
やっぱりこの言葉は都合の良いときだけの「みんなやってるから」なのかと思わざるを得ません。

残業手当の最低を上げる

現在は安すぎる。
どのくらい安いかと言えば、人を雇わずに残業させた方が安いくらい、安い。
これが先に述べた残業させる理由です。

人を雇うと言うことは、いわゆる賃金はそうだが、“一人あたり”で勘定できるコストがかかっている。
例えば机や椅子やPCなど一人に一つは必要なものがある。また社会保険料や健康保険料、厚生年金の会社折半分というのがバカにならない。

テレビ等でこの手の論議があると、そこに出ている経営者はこれらを考えると「5割増くらいになると新たに雇う方が安い」という声を何度も聞いている。
本気で残業を減らし、雇用を増やすのならば、これ以上の率まで上げれば良い、という理屈になります。
もちろんこれだけで解決するモノでは無い。
必要条件であって十分条件ではないからです。

しかしこれは基本中の基本なのだから変えないと(上げないと)ダメなのです。

累進割増し制度で更に強化

罰則付で長時間の規制をやるといっているが馬鹿馬鹿しい話である。
どうせ例外事項で骨抜きになってしまうのが見え見えである。

法的に「過重労働」という概念があり、それは月80時間超過の場合です。
この辺りになればどう考えても「計画的残業」としか思えないレベルになります。
よって10割増程度まで上げてやるのが良いのではと思います。

他にも35時間(いわゆる三六協定の境目)や50時間程度で段階をつけて上げていくのも有効と思われます。

残業は突発的事項に限る、という原則に立ち、残業の恒常化については例外事項、という理屈で思い切って高くしてしまえば良いだけの話です。
例えば100時間を超えたら20割増でも良いでしょう。

残業代不払いは厳罰

こういうことをやると「残業不払いが常態化するのでは」と主旨をすり替えることが多いようです。

いうまでもなく、今の甘い“処罰”も厳格化するのは大前提です。
会社名の公表はもとより、実刑が必要です。
担当部署はもとより経営責任者、労務や経理の責任者である総務部や経理部の長も責任を取るべきです。
この考えが甘いから現場がいい加減になるのです。

一番遠いと思われる経理部を例に取りましょう。
会社全体で労働時間が多いというのは様々な数字から経理部は理解しているはずです。
すべての行動には出費や収入があり、経理上の数字に出てくるからです。
わからないとしたらそれは単なる事務屋で経理部なんか不要でアウトソーシングでもすべきです。
労働時間が多いのに払っている残業代が少ないというのはおかしいという認識を持たないとおかしいのです。
グルであると言う認識をしないとおかしいのです。

重い刑罰にしないといけない、というのは、残業をさせることが悪なのではなく、きちんと人員管理をして支払いをするという曖昧性のない議論だからです。
残業代不払いは「会計操作」「粉飾決算」という法人としての犯罪行為と「奴隷的使役」「軟禁」「恫喝」等の人権侵害等の刑事的犯罪の疑いも含まれます。
本来、労働(インプット)に対する対価(アウトプット)を払わずに利益(アウトプット)を得ているのですから、会計上数値の操作をしていることに疑いはありません。

粉飾決算は「脱税行為」につながり、そこまであれは「国家反逆罪」です(脱税は重罪です)。
その辺の意識が薄すぎるのではないでしょうか。

不払いは「重大な社会的悪」です。
不払いが発覚し確定したら、本人や周辺の人達への不払い分はもとより、懲罰的な追徴金を払うことを命じ、また国への罰金も徴収すべきです。(労働管理局に“ムダな仕事”をさせているのだから最低でもそれを補うべきである)

これは、うっかりミスによるものではなく、確信的・組織的に行われるものであるから罰として重くすべきです。
懲罰については金銭的、社会的制裁も含めて考慮すべきことでしょう。
ガイドラインとしては齟齬がせいぜい月に数時間程度以内、ということにはなると思われます。
どんなに適当でもその程度のものです。

年間割増しも考えるべき

過労死や様々な労災は年間の超過時間に大きく関わっていると考えられます。
通常残業無しであれば、たまに一ヶ月程度はほぼ寝ないで働いても、まあ、大丈夫です。
自殺するレベル、病気になるレベルは半年や一年近く、そしてそれの終わりが見えないから絶望してしまうのです。
例の「電通」自殺事件も異常な超過勤務が継続したことが本質的問題と思われます。

上記の月間割増しに加えて、またはもう少し抑える代わりに、年間通しての超過に対して厳しく臨むという考えもあります。
例えば半年で区切って超過時間に対して割増しを払うべきとする考えもあります。
支払いとしては事務的軽減を考えてボーナスと同時が丁度良い節目でしょう。

年間で見ると特定月が忙しくて特定月が暇という業種もあるでしょう。
それならば年間で管理すれば良いことです。
特定月は所定労働時間はマイナスであってもよく、残業の多い月と相殺するという考えもあるでしょう。
最後に半年に一度精算するという考えもあるでしょう。
これは「年俸制度」が可能であればそれと大差はありません。

金で解決できれば良いのか?

こういうと「金で解決できればそれで良いのか」という人がいます。

私は良いと思います。
ただ、問題があるのは、そのお金が安すぎることです。

残業だらけであっても、大金が入るのなら適当なところで退職という考えもあります。
ぶっちゃけ、通常の3倍稼げるのなら、10年働いて30年分の年収を得るという計算もありです。
10年で引退(後は適当に安月給で働く)で突っ切るというライフプランを立てていれば気が楽です。
それが今の割増し程度では相当やっても大した額にならないから問題なのです。

良くベンチャーの創業者は文字通り寝食なく働くと言いますが、それは創業者利益として後々に大量のお金が入るからそれができるのです。(もちろん自分の想いの実現だからということもあります)
そんなものはない一般社員にも同レベルの要求をするのが問題なのです。

そんなに高いと残業代で労務倒産する?

必ずその論議がでると「労務倒産」してしまうと言います。
あくまであげろというのは「残業代」です。

だったら残業させなければ良いんです。

なぜ残業代で労務倒産するのか私には理解できません。
もとからまっとうな経営をしていないということを自白しているのでしょうか。

残業させないで会社から追い出す習慣

「だらだらと残業代を稼ぐために働く奴がいるからこんな制度は問題」という論があります。
おかしな話です。
経営レベルなり、現場の管理職が残業をさせないで職場から叩き出すべきです。

残業はもとより、通常の業務をだらだらとやっていることを諫めないのでしょうか。

業務管理(アウトプットや進捗)をきちんとやっていれば良いだけです。
この管理が、管理職の基本業務ではないのでしょうか?

逆に言えば、いい加減な管理が残業を生んでいるという問題でもあるのです。

これらはいくらいっても改善されません。
だからこそ残業代をべらぼうに高くすることで真剣に考えさせると言うことなのです。

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