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2016/12/25

IR法の本来の問題

IR法案ほどわかりにくかった話はない。

「ギャンブル依存症」は筋が違う。
これを民主党蓮舫党首が殊更言ったからさらに話がずれている。

依存症対策は本筋で言えば「パチンコ」問題である。
賭博を遊戯とすり替える論理、手法、制度、それを見過ごす体制。
私には反吐が出るほど「汚いやり方」がまかり通っているわけだが、それ故に野放しになり、ギャンブル依存症を生む。

IRで言えば「日本人は入れない」「入場料をバカらしいほど高くする」等々の対策は立てられる。簡単な話である。

では本当は何が問題だったのか。

唯一納得がいったのは、民主党の玉木議員が言ったことである。
(彼は超党派議員連盟でIR推進を委員会審議していた一員である。)

「民間がやることになる賭博運営を、どうやって合法とするのか」
という法律上の立て付けである。

競輪・競馬・競艇などはすべて「公営ギャンブル」である。だから合法である。
パチンコは(論議はあるが、理屈上は)「遊戯」だから合法である。

民間(非公営)が主催するものはすべからく「賭博」であり有罪行為である。

この相反する法的問題について、どうやって整合性を取るのかが、この法案の大きな課題だった、ということである。
素人目に考えても整合性は難しいのは理解できる。
実際に長らく委員会での審議が続き、暗礁に乗り上げて論議が進まなかったことも多かったようだ。もちろんそこは現在をもっても解決できていない。

ところが“突如として”IR法案を国会で審議し通そうという話が持ち上がったから「驚いた」そうである。

一部報道では「民主党にも推進議員がいたはずであり、なぜ反対するのか」というものもあった。
その答えは「この法案における重要課題を解決していないのに、いきなりそれをぶっ飛ばして可決しようとした。」である。
そりゃあ、誰でも反対するわな、である。
自分が真剣に論じてずっと手がけていれば怒るのは当然である。
むしろよく知っている推進議員だからこその反対論である。

可決はしたが、これは「“賭博”の法的整合性問題の解決が抜けた欠陥法である」ということはきちんと認識していないとダメなようだ。
(どうも安倍政権下では欠陥法が多いように感じる。そのツケはあとで露見するのが常だからヒドい話である)

IRを作って民間企業がカジノ経営をしたら、現状は「違法」であることは変わりないのである。
違憲立法ならまだしも、違法立法である。一体どうするつもりなのだろうか。

一つの離れ業としてはカジノ部分だけ「第三セクター」的に半官半民にして“公営”と言い張るというやり方もある。
これは管轄官庁の天下り先確保としても最適だし、ズブズブに収益が役員報酬に垂れ流しでもどうせバクチカネだから批判も少ない。
政策的には“最低”なやり方だが、行政府にとってはおいしいことこの上ないからやりかねない。

抹消議員ならともかく蓮舫議員と党首選を戦った玉木議員が問題視していることである。
それがなぜ蓮舫議員に伝わらず、党首討論における視点に繋がらなかったのか。
この点を突き詰めれば、法的整合性という明確な問題であるから「ギャンブル依存症」なんかよりよっぽど“きつい”論点になったはずである。
ここは民主党の大きな問題である。

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