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2016/01/11

原油安デメリット解説への不審感(今朝の番組)

原油安の“デメリット”について先の記事で書いたが、このデメリットの要因の“一説”を朝の番組で解説していた。
まったく説明不足しており、納得できない。
むしろ不信感の方が大きくなった。

わざわざ前置きで“一説”と断っているのが不審である。
番組側としても完全に納得していないままその説明をしているとも取れるのだ。
いわゆるフリップで説明しているのだが本旨が「残り三分の一」でやっと出てくる、舌足らずなのだ。
なぜ舌足らずなのかと言えば「そこを突っ込めばボロが出る」からだろうとしか思えない。 当然不足感があるので自分で埋めようとしてどう進めても論理破綻してしまうのだ。

私のような景気の素人で推論を進めると容易に破綻してしまう理屈を、なぜ経済評論家などのプロが“解説”と称して話をするのか。
なぜ破綻しない論理できちんと解説できないのか。不思議でならない。

アメリカ側の事情

輸出額の低下=収入の減少によりアメリカの経済に悪影響あるという。
それによってドル安となり、相対的円高になるので日本の輸出産業にとってマイナスになる。
そういう説明だ。おかしくなはないか。

アメリカが石油を輸出する、というか輸出ができるほどの量を確保している“シェールオイル革命”が起きたのはそんなに昔の話でもない。
それによって好景気になったという話もそんなにはない。(もちろん好材料の1つではある)
逆に言えばそれに打撃(減収)があってもアメリカ経済全体にさほどの影響が出るはずもないのだ。(シェールオイル前にも産油国ではあったが内需向けだけである)

今の原油安を“支えて”いるのはシェールオイルの安値である。
最初はコストが合わないと言われたシェールオイルという採取方法だが、技術の積み重ねでどんどんコストが低下した。
米国内での同業者間のつぶし合いはあるだろう。
しかしいくら安くしても中東の産油産業をつぶすことは不可能だから、この低下が一時的な“ダンピング”とは考えられない。
そもそもこれで米国経済を落すようなまねをする(というか低下する)わけがない。
影響が大きいというのなら、どれだけの低下になっているのか数字が出てもおかしくない。

なにによりも、現実にドル安円高になんぞなってはいないではないか。

先取りをして日本株の売りになっているというのなら、こんないい加減な憶測や前評判で、これほどの株の売りになるというのなら、これほど株価というのは景気などとは無関係であり、そんなにいい加減なものなのか、という話になる。

だいたい、ドル安になれば米国経済の輸出産業としては大きなプラスである。
いうまでもなく米国は輸出大国である。農業を含め自国に豊富な資源を有しているから恩恵は日本の比では無い。
なのに米国の株価も下がっている。

なんでこれで説明になっているのか、おかしな話である。

中東の事情

中東側としては価格低下によって収入が減少している。
だから中東の政府系ファンドがその減少にあわせて株を売りに出ている、というのだ。

確かにいわゆる“オイルマネー”による株の保有というのは無視は出来ない量だと言われる。
そもそも海外の投資家を日本の株式市場に招き入れるというのは、その国の事情で大きく左右されるということなのだ。
このような原油安で株低下が問題だというのならば、アベノミクスで推進している海外投資家の比率を増やすということを批判する必要がある。
これを肯定するのならば今の原油安は当然のこととして受け入れる必要がある。
この観点を突き詰めると話が矛盾しているのだ。

この価格低下はそれほどに厳しいものなのだろうか。
このような形での株売却はいわば貯金の取り崩しである。
取り崩していけばいつかは底をつく。

自らの売却で株価を下げてしまえば、自分の資産を目減りさせてしまう。
そうなればいくら台所事情が厳しくても目に見えるほどの売却は難しくなる。

この価格低下は一時的なものなのか、といえばそれはNOであろう。
突発的事項ではなくて、アメリカの技術進歩(市場原理)による“成果”である。
これが否定されるのは資源の枯渇しかない。
しかしそれは少なくとも何十年という先だからこの方式が発達したのだ。

米国的に見ればその次は持続可能エネルギー、持続可能社会であり、脱石油社会である。
(いうまでもないが米国企業にとって原発なんぞはコストの合わない資源である)

中国の景気失速

チャイナマネーの方がむしろ危険だろう。
政府系も個人系も目先である。

ただ中国国内失速で、投資家の目がむしろ米国や日本に向かうとすればどうなのだろうか。
まったくわからない。

とりあえず中国の内需減少で輸出産業の低下は避けられず、中国需要頼みの会社は厳しいだろう。
もともと中国(というか海外)で売れないと会社がアウトという構造が問題だったのではないか。

それにしても中東・米国・中国によって日本の株式市場がこれだけ荒れるのである。

株価は景気指標なのか

内需主導の日本経済の時は、日本の株価が景気の反映というのは正しかったのだろう。
そのころは投資家も日本の比率が高く、日本の事情が大きく反映していた。
「株の持ち合い」も結局は景気の反映の色を強くする。

この乱高下を他の国の事情だとしよう。
それによって数千円も乱高下するのが実態だとしよう。

その点を肯定するのなら2万円をつけた高い株価も世界の景気に支えられた“バブル”であったともいえる。
こんな実態だとしてもまだ「日本の株価は日本の景気の反映」と言えるのだろうか。

昔は米国が風邪を引くと日本も引くといわれたが、今は世界が風邪を引くと日本も引くと言うことになる。
米国と経済協調をとるのはある程度可能だが世界中は不可能だ。

日本の株価を景気の指標にするのはもうやめた方が良い、というか馬鹿馬鹿しい。
下劣な言い方をすれば個々の“マネーゲーム”の集大成でしかない。

結局、今の原油安騒動から見えてくるのは、そういう結論になってしまう。

それでも番組の中で「結局は内需拡大が必要」という声が出た。
まだ救いがある。

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