リモコンでテレビを消さないと損をする場合もある
リンク: リモコンでテレビを消しているあなた、実は電気代を損していた! - ITmedia LifeStyle.
「ウソは言っていないが、本当のことを言っていない」という記事が結構おおいが、この一連の記事は酷いものが多々見受けられる。
“オチ”が最新モデルに買い換えろ、というのは、まあそうだがずっこけてしまう。
特にこの記事は「限りなくウソに近い」のでコメントしたいところだ。
(これは以前テレビ番組でも取り上げられていたレベルの話である)
主電源を切る効果とは
多くの液晶テレビでは、待機消費電力は0.1Wである。
中にはこれよりも高いもの(安物には多い)があるが、それでも0.5W以下程度である。
取説を見れば(もしくはメーカーのサイトに)必ず書いてあるので確認すれば良い。
実は0.1Wというのは測定の限界下限値ともいえるもので0.1W“以下”というのが実情である。
この辺は慣習だったり、ばらつきも出るのでそれも含めて0.1W“以下”という意味で表記されている。
0.1Wきっかりとして、就寝時間を8時間とすれば電力量は0.8Whとなる。
しかも実際はこれよりも小さいことが予想される。
普通に使っている電力量と比較する
さて、40V型あたりだと普通に使っていると100W程度である、としよう。
もちろん最近はもっと低いかも知れないし、画面が小さいほど低い。
逆に画面がでかいほど大きくなる。
では100Wで何秒つけていれば0.8Whになるだろうか。
0.8Wh = 100W × (A/3600) A:秒単位
という等式からA=29 となる。(小数点以下四捨五入)
つまり、たった30秒消すだけで“稼げる”レベルなのだ。
30秒というのはちょっとトイレに行くとか飲み物を取ってきて戻る程度の時間である。
「CMタイム」だって30秒は一番短いぐらいのレベルだ。
つまりCMとかで席を立つときにはいったん切る。
この一回だけで夜中切るより何倍もの効果が見込める。
さて、ここまでは「ウソ」という話にまでは行っていないと思われるだろう。
肝心な話に入ろう。
“電子番組表”機能が相殺してしまう
“主電源”を切ってしまうと起きる問題のひとつは「電子番組表が消えてしまう」ことである。消費電力ゼロとなる代償として、それを記憶しているメモリも消えてしまうのだ。
具体的には主電源をつけてすぐは電子番組表が空っぽで使えないという現象が起こる。
特に地デジでは現在見ているチャンネルしか番組表が取得されない。
だから例えばNHKだけずっと見ていても、他のチャンネルの番組表は埋まらない。
(一部ダブルチューナー以上の機種では“裏番組”で取得するものもあるが珍しい)
ではどうしているかと言えば、リモコンで電源を切っているときに、定期的に自動で電気をいれてチャンネルを変えつつ番組表を取得している機種が殆どである。(画面も消えているしファンもないので表面上は全くわからない)
当然ながら電気が入っているのは番組表を完全に取得し終わるまで、である。
機種やチャンネル数によって違いは生じるが、空っぽからだとおよそ20分以上はかかるようだ。
足りない分だけ取得して切る方がこれよりも短くなると考えるのは当然だ。
このときの消費電力を20W程度としよう。(これは通常使用での実測値や「録画実行時の消費電力」や「ネットワーク待機時の消費電力」などが参考になる。)
20W × (20/60) = 7Wh (小数点以下四捨五入)
一方で思い出して欲しいが、夜中に完全に切っても0.8Whしか得していない。
一週間分空っぽと、一日程度足りない分だけ取ったときとの差を評価するのは難しいが、果たして得をしているだろうか。(もちろん機種や使い方でも違いは出る)
七倍違うとは思わないが、どうみても“損”をしているのではないだろうか。
主電源を切れない理由もある
もう一つの大きなデメリットにより主電源切りを実行できない人もいるだろう。
それは「録画や視聴予約」や「目覚まし」機能を使っている人である。
主電源を切ってしまうとこれらが動作しなくなる。
つまり予約したのに録画されていない、ということになってしまう。
そういう“苦情”対策なのか、主電源ボタンで操作しても“本当に電源を切”らないというモードがついている機種もあり、事態は色々と混迷しているようだ(笑)
もちろん、何日も家を空けるとかであれば、コンセントを抜いたり主電源を切った方が良いだろう。、
特に予約が無ければ私だって主電源を切ってから出かける。
目覚ましも動かなくなるので、いちいちメニューからタイマー設定を切らなくてよく、一石二鳥でもある。
明るさを下げよう
電気代節約としては、こんな細かいところを突っつくならやるべき事がある。
それは明るさの調整である。
テレビの消費電力は画面の明るさひとつで何W単位で変化する。
「画像(画質)調整」の「明るさ」(バックライトと明記しているのもある)を下げてやるだけで消費電力はどんどん下がっていく。(もちろん画面も暗くなっていくが)
普通は周囲の明るさに応じて調整されるように設定されている。
その場合は、部屋の明るさをカーテンを閉めるなどをして暗めにしたり、夜なら灯りを暗めにすればテレビの画面もつられて暗くなり、消費電力が下がり、電気代の節約になる。
例えばテレビに直射日光があてるな、と取説にも書いてあるが、この面でも論外である。
もちろんテレビなど嗜好品なのだから、暗くて嫌な気分で見てもしょうが無い。
それでもムダに明るい画面のままで見るのはムダなのだから気を遣うべきポイントである。
つめていったらそもそも「でかい画面のテレビなんか買うな」、いや「そもそもテレビなんか見るな」というところまで行き着いてしまう。
いっそ画面を切る手もある
例えば台所にいたり、家事や仕事をしながらで画面が見えない状態でも良いとか、音楽番組やヒーリング曲番組で画面は要らないとか、そういうときは「音声のみ」モードというのがある機種も多いので活用すると良い。
本来はテレビをスピーカーアンプ代わりに使うための機能のようだ。
液晶動作やバックライトを切っている状態なので電気代が格段に下がる。
スマホやタブレットで画面を切って音楽だけ聴いている場合は電池の持ちが格段に良くなるのと理屈は同じだ。
操作が面倒で変なところに操作メニューがあったりもするのだが、場合によって活用すると節約になる。
エコ機能を言うのならもう少し各メーカーも考えて欲しいものである。
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