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2014/06/09

「成果で評価される働き方」「目標達成度に応じた報酬」とはなにか

リンク: 「残業代ゼロ」案、安倍首相が押し切る 「岩盤規制」に風穴、厚労省も「ゼロ回答」はできなかった : J-CASTニュース.

またも浮上させて今度は強引に押し切ろうという成果報酬制度のごり押し。

もともとが別に政府が決めなくても企業がきちんとやればできている給与体系なのに、それを政府がごり押ししようとしている構図にしか見えない。

そもそも先進諸国でも「成果の評価」については非常に難しい問題をはらんでいる。
だからこそ「ホワイトカラー・エグゼンプション」といって、社内でも力のある社員に向けて実施されているもののはずだ。

「成果で評価される」というと一見平等でかつ本来正しいやり方のように見えるが、とんでもない。
そもそも一般社員の通常の業務で「成果」自体が極めて曖昧である。
なぜなら業務自体の難易度やかかる時間、スキルなどを測ることが困難だからだ。

この点で言えばホワイトカラーよりもブルーカラーの方が「成果評価制度」に適している。
例えばAという機種を一時間で何台組み立てられるか、という指標で給与を決めればそれは公平だからだ。
同じモノをAさんの方がたくさん組み立てられればAさんが優秀なのは自明だからだ。
もちろんたまたまAさんの得意な工程が多いとしたらば、機種を増やして平均化すれば良いだけのことだ。
そしてたくさん組み立てられるAさんが給料が高くても誰も文句は言うまい。

同様に営業職でどれだけ売上をあげられるか、でも同じところはあるだろう。
しかし営業職で言えば、「よく売れる地域」と「そうでもない地域」での不公平が生じる可能性もある。
そうするとローテーションという考えが出てくるが、「つきあい」が重要な営業職でローテーションをすると会社全体としてはマイナスになってしまうのは明白だ。

殆どの企業の収入減は、「お客さん」だからお客さんに近い業種ほど「成果」は分かりやすいが、間接部門になればなるほど業務に対する「成果」の評価は難しくなる。
同じ仕事であり、前任者と後任者で比較できるとしたらそれは可能だろう。
しかしそんなことは滅多にあることではない。

クリエイティブな仕事であり、新規開拓的な仕事ほど「成果」はあげにくくなるのは当然である。
リスクがあればあるほどに、リターンがあればともかく、(自分・自部門にとっては)無い場合にはそれに注力することはしなくなる。
景気が悪くなればどんなにがんばっても成果は上がらない。
為替レートの影響も昨今はどの業種も強く受ける。そういうものに振り回されてしまっては社員としてはやってられない。

そもそも「悪い時もさほど報酬を下げない」というのは「良い時もさほど報酬を上げない」ということとセットである。
良い時にあげなかったくせに悪くなったら下げるというのでは話が合わないのである。

目標達成度という観点で言えば、そもそも「目標」設定が公平かどうかが問題となる。
目標が適切かどうかなんて誰が判断するのだろうか。
専門性の高い仕事ほど、その目標が適切かどうかなんて他の人が判断できない。
それをできるひとが上司になっているなんて思っているのだろうか。

成果評価制度なんかもう何十年も前からどの企業もやっている。
しかしそれに失敗して過度の成果評価は断念したり、大幅修正をしている企業が実に多いことは知られている。
なのにその失敗したやり方を持ち出して、報酬(給与)を変えようなどと言うのは全く理解ができない。

シビアで社員が(つまり子供の頃から社会人として)よく教育されている米国ですら(特に製造業では)反省しているのである。

むしろ日本の「家族経営」や「終身雇用」の良いところを吸収して過度な評価重視主義を見直している会社が成功しているのである。
リーマンショックの根本的要因は「自分(達)さえ業績が上がれば良い」という、必然的に最終的には破綻する融資制度を“開発”したことである。

つまりはこんなことは「新しいこと」ではなくて日本でもとっくの昔から失敗続きとなっていて出口が見つからず、ずっともがき続けてきたことなのである。
それをもって「岩盤規制」と表現して「打破」とは全く理解に苦しむ。

どうしてもというのなら、国会議員や内閣の仕事を「成果で評価される働き方」や「目標達成度に応じた報酬」にしてみれば良い。
正に「先ず隗より始めよ」である。少なくとも想像してみれば良い。
当然だが「目標」は年度初めに立ててロードマップを雇い主である国民に示すことは最低限の事である。
言葉では良い響きだが、それがどんなに難しいことかが分かるだろう。

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