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2014/01/12

原発「世界最高水準の安全性」とは一体どこにあるのか

最近政府が原発再稼働をにおわせる発言が多い。
それはともかく気になるのは「世界最高水準の安全性」という妄言を言っている政治家が多く、まあ勉強不足の末端の政治家ならともかく、経産大臣や総理すら言っていることが信じられない。
安全基準とやらを精査すればいくらでも出てきそう雰囲気であるが、よく聞くのが次の三つである。

コアキャッチャー

“コア”というのは炉心のことのようだ。
要するに“メルトダウン”したドロドロの炉心、つまり放射性物質燃料を受け止める仕組みのことである。
これがあれば安心ではもちろんないが、メルトダウンしても放射能(放射性物質)の拡散や事故後の後始末の負担を少しでも軽減するものであり、世界的水準ではあるべきものとされているようだ。
いうまでもないが、日本ではこれを装備しているところはどこもない。
建設時つまり放射性物質燃料使用前ならともかく、稼働後にこれを設置しようとしたら莫大な金がかかるのはいうまでもない。

実際に福島第一では汚染水の拡散が止まらず、事故処理に膨大な時間とお金がかかっているが、これが装備されていれば少しは軽減されたと考えられるものである。
またメルトダウンした後に地下水に接すれば大量の水蒸気(さらに高温なら水素)が発生してそれが爆発の誘因になるわけだが、その回避できる可能性が高まる。
回避ができなかったとしても時間を稼ぐことができてそれまでに電源システム回復(冷却装置復帰)が間に合うという可能性が高まる。
福島事故はこういうストーリーも考えられるのだが、未だに事故の原因が明確になっていないまま放置されており、実際の所は分からない。

二重建築構造

例えばスリーマイルやフランスの原発の写真を見たことはないだろうか。
口が広めのコップを逆さにしたような外見になっているのだが、写真がよくでてくるのがこれである。
比較して日本の原発は建物の上に半球が乗っかっているようなものが多い。
あの“コップ”は実はその中に原発の建物があり、それをすっぽり覆っているのだ。
これが二重構造という意味である。

内部の建物が爆発を起こして天井が吹っ飛んだとしても、外部の建物で遮られて放射性物質の拡散を留めることができる。
外部も吹っ飛んだとしてもかなり勢いを緩和することができる。
これも世界的には常識的なところらしいが、もちろん日本にはどこもない。

ベント配管問題

ベント装置は義務づけられたようだ。
ベントできていれば爆発は回避できた、ということが世間にも大きく拡がってしまったので導入は絶対条件と流石に考えたのだろう。
しかしこれにも落とし穴がある。

ベントというのは炉の中の放射性物質を高濃度に含んだ空気を“ガス抜き”するものである。
もちろん排気するにはフィルターを通して放射性物質を取り除いてからになるわけだ。
建屋内で取り除いてから外に出せばいいのだが、実際には配管で外に出して建屋外のフィルターで除去してからになる。
つまり、なんらかの原因で配管から漏れがおきたら放射能漏れでアウトである。

地震であちこちの水道管やらガス管やら下水管やらおよそ“パイプ”というのは断裂がおきて大変なことが起きるものだというのは誰でも知っていることである。
地震での“普通の”地割れやそこまでいかなくても危ないというのに、最低限として「活断層をまたぐような配管をするな」ぐらいのことは当然あると思うのが常識的な思いであろう。
しかし現実にはそれすら見当たらないそうである。
諸外国では建屋との同一基礎内に設置すべきと言うのが常識的な線のようだ。
なのでこれも建ててからでは遅い話ではある。

そもそも事故原因が明確で無い

事故の反省を持ってそれを繰り返さないように安全対策を打つのが当然で最低限のことだ。
しかし実は事故の真因はまだはっきりしていない。
それなのになぜ安全対策を作成して、それで良しとして再開できるのかが全く理解できない。
世界最高水準等と言いながら世界最高水準とはどういうものか、世界ではどんな対策が取られているのかが全く説明が無い。
これらのように簡単に反論されるような材料があるのでは信頼されるわけがない。

ただ念仏のように言っているのでは安全神話をまた繰り返しているのも同然である。
社会としてのチェック機構であるべきのマスコミもそうであるし、規制庁や最高水準と言う政治家(おそらくそれを吹き込んでいる官僚)も説明してしかるべきである。

それは最低限の話であって、地震大国日本では殆ど地震のおきないフランスやアメリカすらよりもはるかに地震に気を遣って何が起きるか想像力を駆使して安全性を保つための配慮をしなくてはならない。

経産大臣高が「一日に何十億だから垂れ流している」云々とか言っていたが、事故の原因究明を未だに完遂していない責任、安全性が確保できているという説明をきちんとするという責任を果たしていないからではないのか。
垂れ流しているのは誰からぬ政治家自身に問題や責任があり、反対している多くの国民・世論の問題では無い。

ちょっと俯瞰してみると、議論のやり方がまるで「秘密保護法案」の顛末と同じである。 第三者機関の設置など法案設置時点から組み込んでいくのが世界水準で見ても当然なのに、それもなく後付けのゴタゴタの中で口約束だけで組み込む事になった。 「世界的にみても秘密保護法案はある」というのなら世界水準で他国のものを研究していればあんなゴタゴタはなかっただろう。 「秘密保護法案」自体に反対している人は少ないが、初期の法案が杜撰すぎて審議過程も杜撰で決議もむちゃくちゃなのが問題であるというのが大方の見方であろう。 原発再稼働も似たような構造だからこそ、信用されず国民の理解が得られないのではないだろうか。

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