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2010/04/10

液晶テレビLEDのバックライト

前々から書こうと思っていたのだがいい記事があったので紹介しておく。
補足というか蛇足を付け加えつつ色々書いてみたいと思う。
リンク: 【西川善司の大画面☆マニア】液晶テレビのバックライトが「LED」になった理由 -AV Watch

CCFLは水銀を使うために「環境に優しくない」と指摘されるようになったこと、発光効率の良い白色LEDの高性能化が進んだことで、数年前からノート PC用の液晶パネルのバックライトでの採用が加速した。

これらのノートPCに共通するのは、驚くほど液晶表示部が薄い、という特徴がある。
ノートPCには薄い(細い)CCFLが使われてはいるもののどうしても厚いのだが、LEDはかなり薄い。
これは他のノートPCと明らかに分かる(差別化できる)薄さだ。
ノートPCでは殆どの回路部は本体のほうにもっているために薄くしやすいのだ。
一方で液晶テレビでは映像や音声の処理回路、特に電源回路も液晶パネルに張り付く感じになるため、液晶パネル自体をどんなに薄くしても、テレビ全体としてさほど薄くならない。
そのために薄くなったことを強調するためにパネル部と回路部を別に分離しているものが多い。
しかしこれは値段をかなり上げてしまうために今度は価格的に厳しくなってしまう。
そのためにノートPCが先行したのだと考えられる。

また、ノートPCでは本体にはAC100Vが入っていない。(ACアダプタで15V程度である)
CCFLでは電子を放電させるための高圧をかける必要がある、つまり電圧を上げる(昇圧)回路が必要なのだ。
この回路も小型化されてはいるものの一定の厚さ大きさが必要となり軽量化、薄型化の障害となりえる。
LEDではわずか数Vで発光するためにその必要はない。
これも液晶テレビでは殆どの場合100Vが直に本体に入っているため、100Vから昇圧することができるために効率も良いしその回路の大きさもあまり気にならない。

これらのメリットを考えると多少高くともノートPCの開発者がLED発光に飛びつくのは当然といえる。

筆者の個人的な推察だが、RGB-LEDの超広色域性能があまり活かせるコンテンツがなかったというのも、RGB-LEDバックライトシステムの割高感を強めてしまった気がする。

これはコンテンツ云々よりも、殆どの人は色に対して無頓着だ。
もちろん比較すれば色の違いは分かるのだが、絶対的色感、とでもいうのだろうか、色を絶対的に感じることが出来る人は非常に少ない。
色のプロでも「色見本」というもの(基準)を持っている。(単語帳みたいなものに色が印刷してある)
説明にも便利だからということもあるが。
そもそも色は外光によって大きく変化するものだから絶対的に知ることにあまり意味がない。
慣れの問題もあり、古いテレビを持っている友人親戚の宅にいくと「驚くほど色のおかしな状態」でテレビを見ている人が多いことにも驚く。
テレビの黎明期では白黒テレビという過程があったように、色よりも明るさに変化のほうが敏感だ。
一般家庭向けでは、驚くほど高価なRGB-LEDバックライトテレビがあり、その差が良く分からない、という状態では売れる道理がない。

CCFLでは、放電によって発生した高周波でピーキーな紫外線を蛍光体にぶつけて可視光に変換しているため、RGBの各原色の周波数帯におけるピーク以外にもランダムなノイズのようなピークが立ってしまう。

この点は大きい。“色の管理”という言い方もするのだがそれの差を抑えられるのは大きい。
一画面のなかでなにかムラがあるような違和感、不自然さを感じるのだ。
なにかぼやけた感じ、全体的になにか黄色っぽいとかなどを感じてしまう。
バックライト輝度を下げたりすると色の感じも変わってしまうこともある。
また経年変化やそもそも製造時のばらつきもありえる。
それが軽減されるということは大きなメリットがある。

最大輝度を100%として、CCFLの場合は、基本原理が蛍光管なので輝度を10%程度に落とすとチラチラしだして出力光が安定しなくなってしまう。つまり、CCFLでは最低輝度を10%以下に下げられない。

目に見えてちらつくという話で実際にはCCFLはそもそもちらついている。
放電により光を得ている以上は原理的に完全に抑えることは難しい話。
どちらにしろ0にはできない話で、それがLEDであれば0にできる。
これが大きい。
“積極的に思い切って”輝度を制御できるので平均的な消費電力も下げることができる。

また、白色LEDの高速応答速度のメリットはバックライトスキャンの実現に効果的に効く。バックライトスキャンとは液晶パネルの内容を書き換えている箇所(ブロック、エリア)に対してバックライトを消してしまう制御のことで、疑似的にブラウン管のような短残光表示(インパルス表示)を実現して、残像を低減させる技術のことだ。白色LEDでは消灯から瞬間的に最大輝度に光らせることができるので、これを理想的に実現させることができるのだ。

液晶テレビの大きな欠点といわれつづけていた残像感を減らすというメリット。
昔からインパルス駆動ということであったがCCFLではいまいち効果が薄かったのか、難しいのかあまり広まらなかったようだ。
それは全画面で消さなければならなかったため画面が暗くなってしまうというデメリットもあり、それをカバーするためには従来より明るいCCFLを用意する必要があったのではと思われる。
そのころはまだ液晶テレビを“もっと明るく”が優先されていたこともあろう。
また記事にもあるように点灯してもすぐに100%の明るさや良い色を出せないために表示品位が落ちたりと非常に難しく不安定要因と戦う羽目になったのではないかと推測される。
これらもLEDになってしまえばかなり軽減されるだろう。

それと、以前に私の記事でも書いたことだがコントラスト値が無意味になってくることも指摘している。

また、「エリア駆動」にも深く関連したことだが、液晶テレビのスペック表記において、コントラスト値も意味を持たなくなりつつある。この点もユーザー側としては、数値だけに惑わされないように心がけたい。
 例えば、液晶テレビのスペック表記で、「コントラスト比」というと全黒と全白の比較になるが、LEDバックライトの場合、エリア駆動の有無にかかわらず、全黒フレームではLEDを完全にオフできるので輝度値ゼロとなり、全白:全黒の輝度比は「∞:1」となってしまう。つまり、コントラスト比「∞:1」が謳える。

いわゆるアクティブバックライトではその数値自体に意味がない。
そもそも、コントラスト比というのは映像の白と黒のメリハリのことを指すものだ。
ところがこれではバックライトの明るさをどこまで絞れるか、という数字のほうが支配的なのだ。
液晶に自信を持っているシャープでは“ネイティブコントラスト”とかいう表現をするのだが、バックライト制御がない状態でどの程度のコントラスト比をもっているかが重要だ。
また、“リビングコントラスト”という外光がある状態でどの程度のコントラストを持てるか、も重要だと私は思っている。
現在のカタログ表記法では、全画面真っ白と全画面真っ黒の比率で測定しているためにこうなってしまう。
せめて右半分白で左半分黒、とか、中央に白く塗った四角を表示させたときの白部と黒部での比率とか、そういうことをする方向にする必要があるのではないか。

さて、最後に店頭で面白い例があったので紹介しておく。
テレビの展示で消費電力を表示させながらのデモは流行っているようだ。
その店では同じシャープで40型、LC40DS6とLC40LX1を並べて表示していた。
DS6はCCFLでLX1ではLED。
DS6では160W程度、LX1ではなんと常に100Wを切る数字だったのだ。
(もちろん画面の明るさで数値は異なるので絶対的な数値は鵜呑みにしないでいただきたい。)
画面をみるとむしろLX1のほうが明るく感じるくらいだった。(もちろん両者は同じ映像を表示している)
白の純白さが特に印象的で、これは画面を明るく感じさせるのもあるのではなかろうか。
これはLX1はLEDだけではなくUV2A液晶という新技術の液晶を使っており、その効果も大きいようだ。
これではまるでDS6のネガティブキャンペーンではないか、というくらい差があった。
(DS6はシャープでは中の上くらいの位置にある商品で主力機種であり、実際に他社比較で見劣りをするものではない。)
記者発表でも省エネは前面にだしているようで、液晶での性能向上とLEDとの両方の相乗効果であると言っている。
フルニューチェンジともいえる液晶だからカラーフィルターの見直しも行われただろうし、不安定なCCFLではなくLEDが前提でチューンされて設計されたのではないかとも考えられる。
ifでしかないが、LEDバックライトがなければLX1のインパクトは薄かったかもしれない。

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