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2010/03/17

高校無償化

今朝のTBSの朝ズバでやっていたのだが、現在の高校無償化の問題点を取り上げていた。
すべての(高校生を持つ世帯の)負担が減るわけではない、という話だった。
これは国会でも議論対象になっていたようで、そのことも取り上げていたが、国会の場では先送りとなり採決されたとのこと。

ポイントは2つ。
・特定扶養控除の廃止
・既に行われている授業料無償化

特定扶養控除は特に高校生の年齢の家庭において、扶養控除額が減り、結果としては増税となる。
通常では、授業料の免除によって相殺されて減税となるという制度設計にはなっているようだ。

まず、この時点で問題なのは高校無償化の分、年間12万円の負担減になる、わけではなく、特定扶養控除の分、その負担減の金額は減ることになる。
これは授業料免除のための「財源」を特定扶養控除の廃止によって求めているという実情にあるとのこと。
つまり狭い範囲での「付け替え」に過ぎないということが露呈してしまった訳だ。

それでも負担減にはなるはずなのに、ならないというのは、
実は一部地域では既に授業料の無償化は行われている、ということにある。
公立高校は、市立や県立が多い。つまりそれを運営する県や市の裁量により授業料を決めることができ、所得の少ない家庭に対してはそれを免除=無償化することが可能な権限を持っている。(県や市の予算方針に左右される)
全都道府県ではないが、地域により免除されている。
閾額も異なるがおおよそ年収400万以下がその基準のようだ。

結果として国税である特定扶養者控除廃止により増税となり、授業料は既に無償化されているので負担は変わらない、結果として増税しか残らない。
こういう家庭が少なからず生じてしまう。

まあ、制度を変更するとどこかしらに損得が生じてしまうもので、ある程度仕方がない。
だが、今回は(一部)低所得者には増税、高額所得者には減税という(いまの景気底冷えの中では)やってはいけないことになってしまった。
そもそもこの制度は低所得家庭への負担軽減措置、というのが主目的だったはずだから、ダメなのだ。

世の中には目的が高額所得者への減税、という税制変更もある。
所得税の累進課税の高額所得者への税率低減が行われたのは記憶に新しい。
目的・目標自体の是非の論議は難しい。
しかし目的・目標に対しどうであるか、という評価は簡単だ。
その点でダメなのだから改悪ではないのか、といわざるをえない。

(一部)高額所得者への負担増になりえる、なら、我慢してくれで済む(少なくとも世論として)
ところが(一部)低所得者への負担増というのは我慢で済む問題ではない。
その点でも大問題であり、少数の弱者切捨てという結果になる。

大局的に見ると、この結末は大きな問題を3つはらんでいると考える。

ひとつは予算の“改革”がほとんどできていないことだ。
今回の問題のひとつは特定扶養者控除の廃止にある。
「無駄を削り」財源を確保するといいながら、この政策においての財源の捻出を、対象がほぼ同じ家庭に対しての控除額(=還付額)を減らすことで行っている。
これではごまかしといわれても当然だろう。
無駄を削る、というのは民主党のマニフェストの根幹のはずであり、子供手当てやら高校無償化やら高速道路無償化やらはそれらをやった後のはなしのはずなのだ。
子供手当てや高校無償化が成立してもこれでは全く評価に値しない。
事業仕分けはまだまだ残っているというが、それなら続けてどんどんやるべきである。
このままではただのショーであったと思われても仕方がない。
違うというなら国会運営の裏でも続けてやりつくして欲しい。
仮に主催の2人の議員ぐらい国会審議に参加しなくても構わないではないか。
国会議員など何百人いるのか。
必要に応じて何人か抜けても構わないし、国民の理解は得られるだろう。

もうひとつは官僚のコントロールだ。
これも民主党のマニフェストの根幹にあるはずだが、まったくコントロールできているとは思えない。というか自民党のときと同じ傀儡政権にしか見えない。
すべての省庁に対してそうだとはいわないが、少なくとも今回の高校無償化の議論の中でまともにできているとは見えない。
少なくとも現文部大臣の答弁を聞いていると自分の言葉や考えで行っているとは到底思えない。
もちろんこういう大臣を据えた内閣総理大臣の責任も重いが。

最後のひとつは国家コントロールの問題だ。
地方の時代へ、といわれるが、公立高校はほとんどが県立、もしくは市立、区立などだ。つまり地方による運営となる。
その運営へのやり方に対して国が口を出す、という形になる。(金を出すということは口を出すのと同じ)
要するに逆行しているということだ。
また、地方が既に無償化をしている、という現実に対し、知らなかったのか目をそむけていたのかどうでもいいと思っているのか、まあ、どれでもいいが、いずれにしろ軽んじているというのは確実な話。
重んじていれば成立などさせなかったからだ。

おまけ
傀儡が「くぐつ」で変換できないとは驚いた。
まあ「かいらい」が正しいのかもしれないが私は言葉の響きで「くぐつ」のほうが好きなのでつい入力して変換しようとしてしまった。
MS/IMEはまじめに辞書を作る気がないのだろう。
ちなみにGoogleでは余裕で候補にでてくる。

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