B-CAS論議をやや技術的な観点から
著作権保護というものに関して、ちょっと技術的に考えてみる。
デジタル放送(BSと地上波)ではどうもB-CASを固持する方向になっている。
少なくとも地上波では、委員会ではその必要性を誰も支持していないにも関わらずだ。
そこで対抗であげられた方式になにか問題があるのか、といえば否であろう。
なにも新規技術ではなく既に実現・実用さえされているものだからだ。
その辺を書いておきたいと思う。
ソフト方式でいえばWindowsMediaPlayerを代表とする動画配信が挙げられる。
汎用品機器であるPCで著作権保護をするために暗号化や鍵など全てソフトで賄っている。
著作権保護観点では問題があると思われる多くのPodCast配信ではネットラジオでも(第三者の絡む著作物である)音楽・楽曲部分がカットされているものがほとんどであることからも、逆にWindowsMediaPlayerでは音楽などの著作物が適切に保護されていると捉えられているのだと考えられる。
チップに埋め込むということはHDMI(HDCP)やマクロビジョンコピーガードという仕組みで実現されている。
デジタルということでHDMIでいえば暗号化や解読(デコード)はチップによって行われ、その暗号鍵はそのチップもしくは外付けのチップに組み込まれている。
それは工場(つまりメーカー)で厳格に管理されている。
有価物であるから盗難に対する管理はもちろん厳格であるが、それ以上に特に紛失についても厳しく管理されているらしい。
万一にでも流出などがあればその後メーカーには損害賠償や取引停止というペナルティがあるのだろう。
どれだけ重大なことであるか、といえばHDMIに関する機器を一切販売できなくなるとすればそれは重い。
今で言えばテレビやレコーダー、プレイヤー、モニターにまで及ぶのだろうか。
そうなるとメーカーにもよるだろうが致命的なダメージを受けることになる。
おそらく赤字転落どころのレベルではなく会社倒産の危機にさえなりえる。
民民の契約レベルではあるが十分なほどの抑止力が働くのだ。
チップである以上はコストが付きまとうというデメリットが指摘されるがぶっちゃけ、各種ソフトウェアライセンス費用はあるし、ましてや補償金などの論議になればそんなものは簡単に吹き飛ぶ程度でしかない。
これは近年のPCにおいて「もっとも高い部品はWindowsである」というのを連想させる。
ソフトだから安くつく、という議論は昨今においてはナンセンスといえる。
蛇足だが、チップは簡単には取り外せないような処置が要求される。
もちろん全く不可能というわけではないが、専用の工具やプロレベルの熟練技術を要する。
少なくとも違法品を作って商売を出来るようなレベルではない。
さて、それではカード方式のB-CASはどうなのか。
いうまでもなくフーリオの存在がその弱さを証明している。
フーリオ自体はなにも違法なことをしていない。
鍵はB-CASカードにあるのでそれを読み取り、暗号化された映像を解読することはなんら問題がない。
仮に暗号化された映像を保存することが問題ならば、暗号化されたままローカル保存し、表示するときだけ解読すれば良い。
問題があるのはB-CASの使用方法による使用者個人とB-CAS管理会社との契約違反でしかない。
要は違法行為者は使用者でしかない。
「ばれない違法行為は違法ではない」とかうそぶくつもりはないが、実際問題そうではないのか。
管理会社はその違法使用において知る方法が一切存在しないからだ。
自分の家庭内で完全に完結することに対して違法もなにもないのだともいえる。
これはカード方式で自由に別に機器に移動できるということが本質的な弱さに由来するといえる。
他の機器に移動できるようにしておきながら、その移動は基本的に禁止とし、移動には再契約が必要だという理解に苦しむ曖昧とも言える方式を取ったことによる弊害といえる。
ある意味、フーリオの出現は自業自得といえる。
やはり単純に言ってB-CASの固持は管理会社の維持、つまりはこれも利権の固持ということなのだろう。
委員会の委員全てが否定的なのに委員会としては保持が前提とされているのは主催する役人の意向と考えるのが自然であろう。
役人・役人OB・天下り利権団体というつながりで考えればこの不自然な意向は容易に理解できる。
また無理に利権とか天下りと結びつけて、という人もいるかもしれないが、民間企業であるはずにもかかわらず極めて不透明で不自然なところが多い会社である。
これはちょっと調べればわかることで、以前はGigazineでも「会社訪問」をしていた。
まるでダミー会社のような感じで会社訪問になっていなかったが。
さて、こう考えるとなぜこのようなやばいカード方式にしたかも理解が容易となる。
カード方式はいろんな面で管理が極めて楽で配布も楽だからと考えられるからである。
カードであれば一般国民と管理会社の契約となる。つか、実際にそうなっている。
うがった見方をすればいくらでも一方的に出来る。
ICカードなんぞ信頼関係さえとれれば適当な会社に受託すれば良い。
これもは役人が良くやる、印刷は手盛りの会社に発注するのとダブって見えてくる。
しかし仮にチップ形式にすればチップメーカーと管理会社の契約になってしまう。
つまり会社と会社の契約になるのだ。
当然ながらチップとなれば海外メーカーも参入してくる。
むしろ著作権保護で実績のあるHDMIチップをみれば海外であるほうが自然といえる。
法律面でタフな海外メーカーとの契約。
天下り会社としてはなんとも避けたい事態ではないか(笑)
まあ、今後もこの論議は著作権問題とともに監視していくと面白いと思う。
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