モニターの世界にまでダイナミックコントラスト
リンク: 日本サムスン、最大コントラスト比20,000:1の24型ワイド液晶.
ダイナミックコントラスト比(DCR)20,000:1を備え、応答速度5msなどとあわせて動画視聴に好適とする液晶ディスプレイ。LG電子も同様のものをだしていたが、モニターにまでこんなまやかしの数字が踊るようになってしまったかと少々落胆の禁じえない。
従来のコントラストは1500:1とかそんなもんだったからこの数字だけ見るとすごい!とか思ってしまうがこれは東スポなみのインチキさである。
そのほかの仕様は、輝度が300cd/平方m、コントラスト比が1,000:1、視野角が上下160度/左右170度、最大表示色数が約1,677万色。とあり、従来で言う本当のコントラストはむしろ平均的な製品よりも低いのである。
ダイナミックコントラストとは何か。
テレビの世界ではだいぶ前からあるので珍しい話でもないのだが簡単に説明をしておく(Wikipediaにはまだないんですね)。
バックライトを使う液晶ならではの手法である。
映像信号(画面)が黒(暗い)時にはバックライトの輝度を暗くしてしまい、白い(明るい)時には明るくする、ということ。
コントラスト比というのは通常は真っ黒画面と真っ白画面での明るさ(輝度)の比率をいうので、黒の時にはバックライトで暗くすることで数値上のコントラスト比を上げることができるというからくりである。
なぜ私がダイナミックコントラストをインチキと断罪するかを説明しないといけないか。
例えば右半分が真っ白、左半分が真っ黒の映像を出したとする。
その状態で右と左の輝度を測って比率を計算したとすればこのダイナミックコントラストで言うところの比率は決して出ないからである。
コントラストの比率が重要なのはひとつの画面(場面)の中での、明るいところと暗いところのメリハリが必要だからである。場面としての立体感、臨場感にもかかわってくるためでもある。
ただ、このようなものはバックライトコントロールと呼ばれる手法の一種であるが良いところもある。
画面が暗闇であるのになんとなく白く浮いていると気持ちが悪いのでバックライトを暗くしてみかけだけでも浮きを回避しようというところはある。おそらく最初はこの意味だったのではないだろうか。
また、省エネ効果も馬鹿にはできない。
液晶テレビにおいては消費電力のかなりの部分はバックライトが使っている。
暗い画面でも明るい画面でも一様に100%の明るさで点灯させているのはいささか無駄というものである。
よって場面によってバックライトの明るさも調整してやれば平均すれば省エネになるわけである。
バックライトの輝度は下げて、液晶としての明るさ(絞りみたいなイメージのほうが良いかもしれない)はあげてやることで本来見えるべき明るさは変えずに省エネしてくれる手法もある。
それにしても本当のコントラストが1000:1で、ダイナミックコントラストで20,000:1ということは暗い画面で1/20=5%にまで落としているということでいくらなんでもやりすぎというかインチキにもほどがあるといわざるを得ない。
蛍光管だと完全に消すことができないが、LEDバックライトになれば完全に消すことも可能になる。
そうすると∞:1というコントラストも数値的には可能になる。
しかしこんな数値に何の意味があるのか。馬鹿馬鹿しいだけである。
くれぐれもカタログスペックに騙されないように。
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コメント
検索から来ました。
丁度該当する製品を購入しようか検討していたので大変勉強になりました。
本来のスペックと、DCRでのメリットを加味して他の製品と比較検討してみようと思います。
投稿: | 2008.09.06 11:35
同じく検索で来ました。
私もごく最近24型液晶モニタを購入したばかりで、DCRの実際のところを知ることができて大変参考になりました。
投稿: | 2008.09.28 16:02