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2008/04/19

テロップの茶番劇

リンク: asahi.com:「アナログ放送終わります」テレビ画面に常時字幕へ - 文化・芸能.

07年3月の調査では、地デジ受信機は全国約1400万世帯に普及。今夏の北京五輪時に約2400万世帯、11年4月までに全世帯(5千万)に普及させる計画

2007年3月 1400 (残3600)
2011年4月 5000 (残0)
3600/4/12=75(万台/月)

普通はどの程度なんだろうと適当に調べたところ

日本電子機械工業会(EIAJ)が調査した国内民生用電子機器の出荷実績によれば,2000年8月のテレビ出荷台数は対前年同月比16.6%増の73万2000台と好調だった
という日経の記事がでてきた。
2000年はシドニー・ミレニアムオリンピックの年であり、8月はまさにオリンピック直前。
さらに言えばボーナスも6月に出たばかりである。いわば好条件が重なった数字でこれなのである。
協議会なるものが掲げている数字は平均で75万、しかも足掛け4年。
この普及ペースの計算がかなり無茶な目標であることがわかる。

地方での普及が遅いのを「認知が低いから」と結論しているようだが間違っている。
地方では地デジ自体の普及が遅かった。年単位で遅かった。
当然、受信機の普及はその分遅れるのは当たり前のことではないか。

うちのあたりはわりと遅めだったと思うが、確か1年程度前で、そのときにテレビが壊れたら普通は高いデジタル放送テレビなんか買うわけがない。

ちなみにデジタル衛星は普及しなかった、と結論付けられているが、目標として掲げられていた数字自体が無茶だったという記事を見たことがある。
白黒からカラーへの移行の数字よりも目標が高かったようだ。
白黒からカラーへの移行という極めて誰でもわかる変化。片や綺麗になるだけの違い。
高度成長期。片やもう安定期。

「アナログ」ロゴやらテロップなどは全く意味を成さない。
これは単なる嫌がらせにしかならないだろう。
うれしいのは協議会の自己満足とロゴを作って報酬をもらえるデザイナーぐらいであろう。
一般人にとってはまずはうざったい。
テレビ離れを加速するだけだ。デジタルに移行することになるとは思えない。
次に単に録画離れを引き起こしかねない。
録画というのは習慣だ。ただでさえ録画はデジタルで使いづらくなっており遠ざかっている。
録画離れはすなわちテレビ離れを引き起こす。(放送局はそうは考えていないようだが)

それよりも公共CMで「地デジサポーターが増えています」などという意味不明なCMはやめて、もっとダイレクトに「2011年4月にごらんのアナログ放送は終了します」「デジタル対応テレビを買う必要があります」という喧伝をすべきだ。
おそらくはそんなダイレクトに言えば反感を買うことを気にしているのだろうが、そもそも今やっていることは反感を買うことなのだからそれが当然だ。
それでもデジタルに移行するのがメリットがあるという信念があるのならばそれを訴えればいい。

まあ、半分冗談だが、テロップを出すのならカウントダウンでもやったらどうだろうか。
「アナログ停止まであと○○○日」とかやるのだ。
もっともこんなことやっても「100日を切ったら考えようか」という人が続出しそうな気もするが。

それにしてもこう考えるとアナログのテレビ放送というのは実によく出来たシステムであったといえる。
仮に白黒の受像機が現存していても、現在でもその受像機を使うことが出来る。
完全に互換性があるからカラーに移行するのはなんら問題がなかったのだ。
従来のユーザーに一切不便がなかったし、いつカラーが始まっても問題はなかった。

ところが今回のデジタル化では、従来の受像機が使えなくなるという放送システム的には極めて異常な事態といえる。
それに対する危機感があまりにも薄いのではないだろうか。
携帯電話でDocomoがFOMAの移行に手間取りシェアを落としたのは明白だが、携帯電話という一年程度のサイクルで買い換える人の多い製品であり、さらに買い替え促進やらを行ってもこの状態だ。
KDDIでは移行期に無料交換さえもやったと記憶している。

別の言い方をすればコスト意識の欠如。マネージメント能力の欠如。

デジタル化によるメリットとアナログのままであるデメリットとをちゃんと天秤にかけたのだろうか。
行期をどれだけとるか、という規定にもふくまれる。
移行期が長くなればそれだけ放送局の負担は大きくなるからむやみには増やせない。
しかし2007年から移行期が始まり2011年ではたったの4年しかない。
通常の感覚ではテレビは10年は持つ。つまりサイクルとあわず消費者に負担がかかる。
それならば放送に先行して受像機をテレビに搭載できたかというとB-CASを初めデジタル方式のコスト負担があまりにも大きく、地上波デジタルの搭載は遅れた。おまけで受像機をいれるというレベルからは程遠かったのだ。

結局、この事に関してもコストを本来負担すべきところがやらずに一般国民に負担を押し付ける形となっている。
総務省のごり押し、そして放送局はなかば嫌々らしいが協議会に名を連ねている以上はそんな言い訳を許容する気にもならない。
もっとも総務省が負担となったらそれは税金が投与されることになるのでたまったものではないのだが。

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